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【ULTRAMANフォトストーリー】特別編 Episode 28 ヒーロー×邂・逅 前編
【ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE】

2022.03.11

LTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE 月刊ホビージャパン2022年4月号(2月25日発売)

【ULTRAMANフォトストーリー】特別編 Episode 28 ヒーロー×邂・逅 前編【ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE】

 

 『ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE』×『SSSS.GRIDMAN』特別編!
 教室で目を醒ました進次郎は、見慣れた景色の中に違和感を覚える。その違和感は確信に変わり、突如現れた巨人が進次郎に語りかける。
「私はグリッドマン」
「早田進次郎。思い出してくれ、君の使命を!」

ストーリー/長谷川圭一
設定協力/谷崎あきら
ULTRAMAN SUIT/製作:只野☆慶
グリッドマン/製作:GAA(firstAge)

特別編
Episode 28 ヒーロー×邂・逅 前編

ULTRAMAN SSSS.GRIDMAN

「!」
 教室の自分の席で、早田進次郎は目を覚ました。
 窓から差し込む午後の日差しが心地よくて、うっかり居眠りをしてしまったらしい。
 慌てて見回すが、幸い先生にも級友たちにも気付かれてはいないようだ。
 五限の授業は生物。女性教師が、やけに精密なバラの花の断面図を黒板に描き、その構造を説明している。
「このように、八重咲のバラの花弁は主に雄しべが弁化したもので、品種にもよりますけども、何十枚もの花弁に包まれたその奥に子房と胚珠が──」
 ……これ高校の内容だったっけ? と進次郎は欠伸を噛み殺す。

 上海の消滅から三箇月が過ぎていた。岩鉄城の戦いを最後に、少なくとも時空歪曲点からの侵略は久しく絶えている。爆心地グランドームを覆う前線基地ダイブハンガーは今なお建設途上にあるが、当面の警備は諸星だけで充分と科特隊は判断、援軍として長らく現地に詰めていた進次郎と北斗にも帰国命令が下り、薩摩は急遽アメリカに出向することになった。ガタノゾーアが残した傷跡は今なお深いが、世界は徐々に混乱から立ち直りつつある。学校もリモートからリアル授業に戻るとあって、現役高校生が居場所を隠すことは難しくなったという事情もある。
 溜まりに溜まった報告や事務処理、メンテナンス等のため一時帰国していた諸星と入れ替わりに、進次郎と北斗は日本へ戻った。
 そこまでは確かだ。
 だがなぜか進次郎は、そこからの記憶が判然としない。
 何か大事なことを忘れているような気がしてならなかった。

 ギュイ! ギュイ! ギュイ! ギュイ!
 教室のあちこちから、耳障りな電子音が一斉に鳴り始めた。生徒たちの持つスマホが放つ緊急避難警報だ。むろん授業中はサイレントモードにしておく規則だが、これだけは別である。ざわつき立ち上がる生徒たちを、教師が着席させる。はたして地震か? 火災か? はたまた異星人の襲来か? 生徒たちは、情報を求めてスマホに指を滑らせている。
「何アレ!」「何か見えた!」
 誰かが窓の外を指さした。建ち並ぶビルの隙間に、巨大な何かが移動するのが見える。
 と、そのビルが積み木のように倒れ、轟音と土煙の中からその「何か」が姿を現した。
 大きく膨らんだピンク色の背中。異様に細長い六本の腕。棘だらけの脚。真っ赤に光る複眼。ダニかアリジゴクを思わせる巨大異星人、ないしは怪獣だった。
 悲鳴を上げて生徒たちが教室から逃げ出す。遅まきながらスピーカーが避難を指示しているが、阿鼻叫喚にかき消されてろくに聞き取れない。生徒たちの波に揉まれながら、進次郎は右腕をまさぐる。だがそこにあるはずの腕時計型ポインターはなかった。まさか、着け忘れたのか? いや、就寝中でさえ外すことはない。教室か廊下のどこかで落としたのだろう。あれがなければSUITを転送できない。ULTRAMANになれない。
 進次郎は級友たちをかき分け、廊下を逆走した。
「早田君!」「すいません、忘れ物!」
 教師の声に苦しい弁解を返し、無人の教室に駆け戻った。ない。やはりない。机の中にも、バッグにも、もちろんここまでの道中にも。窓の外を見やる。異星人は明らかにこちらへ向かっていた。科特隊に連絡しようにも、さっきまで持っていたはずのスマホまでなくなっている。異星人は目の前に迫っていた。
 このまま何もできずにやられるのか? これじゃ何のために──
 そのとき、空が光った。見上げると、天空に奇妙な紋様が浮かび上がっていた。
 その中から、赤い身体に銀の甲冑を纏った見たこともない巨人が出現し、巨大異星人と進次郎のいる校舎との間に地響きを立てて降り立った!
 進次郎には何が起こったのかわからない。
教室の窓ごしに、巨人は進次郎を振り返ってこう名乗った。
「私はグリッドマン」
 驚く進次郎に、その巨人──グリッドマンは続ける。
「早田進次郎。思い出してくれ、君の使命を!」

ULTRAMAN SSSS.GRIDMAN 2

 同時刻。
 科特隊基地の一室に、井手、エド、早田、そして北斗が集まっていた。傍らのモニターには諸星も、上海のダイブハンガーからリモート参加している。
 一同が見守る金属メッシュの窓の向こうには、各種ケーブルや計測機器に繋がれたマヤと進次郎が、各々ベッドに寝かされていた。そこはすべての電波が遮断され、独立した電源や空調を備える厳重な電波暗室となっている。
 北斗が口を開いた。
「『バラのつぼみ』……か。どういう意味なんだろ」
 井手が答える。
「古い映画に出てくる言葉だが、その意味となると、見当も付かないな」
 隣で、早田が拳を握り締めた。
「進次郎に、賭けるしかない……」

 マヤは、アンドロイド・ゼロワンをボディとする電子生命体である。かつては敵の手先であったが、紆余曲折あって地球に亡命し、今は科特隊のオペレーターとして卓越した情報処理能力を発揮してくれている。
 三時間前、科特隊の基幹ネットワークが正体不明の情報体の侵入を受けた。
 いち早く気付いたマヤはネットワークを強制遮断、情報体を自身のシステム内に捕らえ、一切の入出力を断った自閉モードに入ってしまう。
 その直前に口にした最後の言葉が、「バラのつぼみ」だった。

 マヤを電波暗室に隔離した井手は、一同を集めてマヤを救う方策を検討した。
 エドによれば、侵入した情報体はおそらくアルテリク星人。電子戦技術を高度に発達させた異星人で、意識をコンピュータ内に転移させ活動できる半電子生命体だという。マヤの機転で彼女のシステム内に封じ込められてはいるが、外部から干渉すればたちまちネットワークを乗っ取られてしまう。かといって、スタンドアローンで電子生命体に対抗できるような演算能力を持つスーパーコンピュータ設備一式を短時間で用意することは不可能だし、そもそもこの電波暗室内に収容できるサイズの代物ではない。加えて、アルテリク星人は今も着々とマヤのコンポーネントを侵蝕しつつあると思われる。システムを完全に掌握され、マヤが有する科特隊の機密情報すべてが敵の手に渡っては一大事だ。

『……それを止めたければ、今すぐマヤを溶鉱炉に放り込めと、そう言いたいわけか』
 モニターの向こうの諸星の言葉に、相槌を打てる者はいなかった。
「何とかできないんですか!?」
 たまらず進次郎が声を荒げる。
 と、エドが進次郎を見つめ、おもむろに言い放った。
「進次郎君。君になら、彼女を助けられるかもしれない」
「え?」
「エド!」
 井手には、エドの言わんとしていることが何か、察しがついているようだ。
「どういうことです? 俺にならって、何か方法があるんですか?」
 井手は進次郎から目を逸らして答えない。
「教えて下さい! 俺にできることがあるんなら! 井手さん!」
 脂汗を浮かべる渋面をそむけた先に、早田の顔があった。
「言ってくれ、井手。覚悟はできているつもりだ」
 諦めたように、井手は額を拭って話し始めた。
「進次郎君は……ウルトラマンスーツと融合し始めている可能性がある」
 その場の全員が凍り付いた。

 兆候はあった。ガタノゾーアとの戦いで大きく損傷した進次郎のULTRAMAN SUITは大規模な補修を余儀なくされたが、残存パーツの比重が、計算によって導出される数値よりもわずかに小さくなっていたのだ。そのときはSUITの復旧が先決であったため、記録に残すのみで原因の究明は優先リストのはるか下位に追いやられていた。
 しかしその後も差異は拡大していった。計測機器は幾度も点検を受けたが、異常は検出されなかった。一方、SUITの方も機能・性能にはまったく問題がなく、正常に作動していた。「動いているなら良し」はエンジニアの間で根強く信奉されている昔ながらのスローガンのひとつである。検証は先送りにされ、SUITはその都度パラメータを修正して最適化を施し運用が続けられた。

 契機となったのは、LOPSによって進次郎が時空歪曲点の向こうに連れ去られた事件だった。時空転移のための方策が実装されていないSUITだけで、生体に時空を超えさせることは生理学的に不可能であるはずなのだ。このときばかりは、進次郎の生存は絶望視された。ウルトラマンの因子をもってしても、生き延びられる希望はほとんどなかった。しかし進次郎は生還した。それも心身ともにすこぶる健康な状態で、そのまま戦闘に参加し、高度八万メートルの熱圏近くまで上昇するという離れ業までやってのけた。
 当然、即座に精密検査が行われた。その結果、進次郎の肉体に理解しがたい変異が起こっていることが判明した。もとよりウルトラマンの因子を持つ進次郎の筋力や視力、聴力などには、常軌を逸した部分がある。それを踏まえてなお、驚くべき変化だった。SUITのメカニズムの一部が、量子的結合状態を保ったまま生体組織と融合していたのだ。しかも双方が互いの機能を損なうことなく、むしろ連携して補い合っていた。循環器系、代謝系にも適応し、免疫系とも問題なく協調していた。

 考えられる原因は、上海で進次郎が敢行したテレポーテーションだ。SUITごと自身の構成物質を量子にまで分解し、離れた場所に再構成するという過程のどこかで、相互の間に混成と置換が起こったのではないか。いわばウルトラマンの因子を持つ進次郎と、彼のために徹底調整されたULTRAMAN SUITとが、テレポーテーションによってブレンドされたのだ。
 最初はわずかな誤差にすぎなかったが、その後も装着を繰り返す毎に、またウルトラマンの因子を発動させる毎に、融合は進行していったのだろう。生身の人間には耐えられないはずの時空転移を進次郎が生き延びたのも、融合したSUITの機能が生命維持を肩代わりしていたからだと考えられる。

 この事実を知る者は、井手とエド、そして職員の健康状態に責任を持つ富士明子女史のみ。だがマヤも気付いていたに違いない。ムキシバラ星人の支配下にあったとき、時空を超えて生存した謎を解明すべく、進次郎の身体を隅々まで精査したはずだからだ。彼女は科特隊の活動記録も把握していた。論理的に考えて、同じ仮説に辿り着いただろう。
 これを進次郎本人や家族、とりわけ実父である早田に明かすべきか否か。明かすとしていつ誰がどう告げるべきか。その判断は井手に一任された。そして案の定、言い出せぬまま今日という日を迎えたわけだ。

「……黙っていて、すまない」
 井手は土下座せんばかりに頭を垂れている。見ている方が気の毒になるほどだ。
「俺……人間じゃなくなるんですか?」
 進次郎も、そして父・早田も震えている。
 誰一人、かける言葉が見つからない。
「既に君は、ウルトラマンだ」
 エドだけは例外だった。
「元に戻せる見込みは……?」
 早田の問いに、井手は顔を上げるどころか、ますます低頭する。
「融合は、心肺や脳幹にまで達している。難しい……としか」
 進次郎は、厳格な父が息を飲むのを感じた。

 かつて父は、ウルトラマンの力を「呪い」と評した。望まない重荷を息子に背負わせてしまったことを、苦い思いと共に打ち明けてくれたあの夜に。
 父にしてみれば、その重荷の上にもう一段、大きな砂利袋を積み重ねられた思いだろう。
 その父自身も、望んで手に入れた力ではなかったことを、進次郎は知っている。ウルトラマンであった頃の記憶はないという。自身が光の巨人と同化していたことを知ったのは、ウルトラマンが地球を去った後のことだと。彼が去ってからも、自らに常人にない力が残されていることを知ったのはさらに後だ。その力が進次郎にまで受け継がれていると確信したとき、その苦悩を分かち合ってくれたのが、旧友・井手であったと聞いている。
「わかっている範囲で、進次郎君の生命に危険はない。慰めにはならんだろうが……」
 父は、「よく話してくれた」とでも言うように、うなだれる井手の肩に手を置いた。

 気を取り直して、いま直面している問題に目を向ける。
 ただでさえ切羽詰まった状況に、アイデンティティを揺るがす衝撃の事実の発覚。
 今や進次郎は、人間とウルトラマン、そしてULTRAMAN SUITの機能の一部が統合されたハイブリッド生命体であるらしい。プロトコルを理解すれば、飛び交う通信電波を選択的に傍受して脳内で復調し、映像や音声として認識することさえできるだろう。
 もちろんその逆も。
 つまり進次郎なら、脳活動を電子情報に変換してマヤのシステムにアクセス可能かもしれない。マヤの精神にダイブして、敵を倒し彼女を救うことができるかもしれない。
 しかし首尾よくダイブに成功したとしても、アルテリク星人を閉じ込めたマヤのシステム内で何が起こっているかは知る術がない。確実にマヤが救えるとは限らないうえ、救えたとしても進次郎が元の肉体に戻って来られる保証もない。
 分の悪すぎる賭けだった。

 重い沈黙を破ったのは、妙に晴れ晴れとした進次郎の声だった。
「行きますよ、俺」
 皆が驚きの顔で進次郎を見る。
「何だよ北斗、お前もサイボーグみたいなもんだろ。大して変わんないって」
 北斗の手足は、ヤプールに与えられた機械仕掛けの義肢である。
「いやいや、僕はコンピュータに精神ダイブなんてできませんから……」
 さすがの北斗も、今日は突っ込みにいつものキレがない。
 進次郎が井手を振り返る。
「どうやるんです? スーツ着た方がいいんですか? それともこのまま──」
『進次郎』
 モニターの諸星が割って入った。
 進次郎が先回りして諸星の次の台詞を制する。
「おっと、『余計な真似を』ってのはナシですよ。俺だってマヤさんには恩がある」
『……マヤを、頼む』
 諸星が頭を下げる姿を、進次郎は初めて見た気がした。

「思い出してくれ、君の使命を!」
 グリッドマンは重ねて言う。教室の進次郎は困惑するばかりだ。
「俺の使命って何だ!? グ……グリッドマン? あんたは何者なんだ!?」
「私はハイパーエージェント。この世界に迫る危機を察知して、ハイパーワールドからやってきた!」
「この世界? ハイパーワールド?」
 何ひとつ頭に入って来ない。謎が増えただけだった。
「ぐあっ!!」
 巨大異星人のハサミのついた尻尾が、グリッドマンを横なぎに弾き飛ばした。さらに大アゴを開いて白い泡沫を吹きかける。
 寸前で身を躱すグリッドマン。背後にあったビルが泡沫を浴び、溶剤をぶっかけたスチロール細工のように溶け落ちた。
 異星人はターゲットを進次郎に転じ、再び大アゴを開く。
「ちょ……!?」
 しかし、立ち上がったグリッドマンが校舎を抱き抱えるように覆いかぶさった。噴出した泡沫がグリッドマンの背中を灼き、盛大に白煙を上げる。
「うう……っ!!」
「グリッドマン! 何やってるんだよ! この世界を救いに来たんだろ!?」
 泡を浴びたグリッドマンの背中が、ぴちぴちと嫌な音を立てている。
 相当なダメージだろう。
「この世界を救えるのは……早田進次郎、君だけだ」
 グリッドマンの額のランプが点滅し始めた。危険信号に違いない。
「私は一人では戦えない。私の中にいるもう一人が、願っている」
「もう一人って……」
「ヤツが侵入したとき、彼女はかろうじて自分のカーネルを……魂を切り離し、それを媒介にして私はこの世界に実体化することができた」
 彼女……女性なのか。
「だが彼女のサーバー……肉体はヤツに乗っ取られてしまっている。このまま破壊が続けば、彼女はやがて揮発し消滅するだろう」
 もちろんグリッドマンが倒されても、カーネルを失い「彼女」は消滅する。
「だったら俺なんかより!」
「今の彼女は言葉を発することもできない。だが願っている。君を守れと」
 自分の生命を顧みず、俺を? 前にもこんなことがあった気がする……。
「誰なんです、その人は」
「知っているはずだ」
「!」
 進次郎の脳裏を、稲妻が駆け抜けた。
 ……マヤ。
 異星人の攻撃は続いている。グリッドマンのランプの明滅が早くなってきた。
「駄目だ。出力サイズを……維持できない」
 グリッドマンの巨体が、急速に縮んでゆく。
「そうだ……俺は、マヤさんを助けるためにこの世界に来た」
 そう、この街も学校も、マヤのシステムのメタファーとも言える仮想世界。
 進次郎はダイブのショックで記憶に混乱が生じ、それを思い出せずにいたのだ。
「俺は……俺の使命は!」
 掲げた右腕に、腕時計が生成される。進次郎の意思が、彼自身を戦う姿に変えてゆく。インナースーツが装着され、各種デバイスや複合装甲がそれを覆ってゆく。

ULTRAMAN SSSS.GRIDMAN 3

 アルテリク星人の噴いた泡沫が、遮るもののなくなった校舎を溶かす。そこから飛び立った銀の弾丸が、まばらに瓦礫の散乱する校庭の一角に着地した。その腕は、等身大サイズとなったグリッドマンの肩を支えている。
「……思い出したようだな、早田進次郎」
「この姿のときは、ウルトラマンと呼んで下さい」
 ULTRAMAN SUITを装着した進次郎だった。
「空を飛べるのか、君は」
「まだ若葉マークですけど」
 スラスターとおぼしきグリッドマンの背中は、泡沫を浴びて無残に焼けただれている。
「心配はいらない。私にはアシストウェポンがある」
「アシスト……え?」
『アクセスコード・スカイヴィッター!』
 どこかでそんな声が聞こえ、甲高いタービン音と共に蒼いジェット戦闘機が飛来した。
 唖然とするULTRAMANを他所に、グリッドマンはその背に飛び乗って上昇、さらに空中で戦闘機と合体した。
「大空合体超人・スカイグリッドマン!!」
 そして地上で見上げているULTRAMANに言う。
「さあ、君の使命を果たすんだ!」
 我に返った進次郎も上昇する。

 仕留め損なったことに気付き向かってくるアルテリク星人へ、ULTRAMANはスラッシュを、スカイグリッドマンはレーザー機銃を連射して攻撃を仕掛ける。だが相手が大きすぎた。牽制程度の効果しかない。対してアルテリク星人は、四方八方に例の泡沫をスプレーし、弾幕を貼る。泡を浴びた周囲の建物が溶けてゆく。被害は広がる一方だ。
「あの泡を止めなければ」
「グリッドマン、あれを!」
 進次郎が、目に入った電柱を指し示した。
 スカイグリッドマンが電柱の根元を砕き、ULTRAMANが電線を切断する。二人がかりでそれを抱えると、アルテリク星人の口吻へ、破城槌さながら猛然と突き込んだ。
 奇声を上げ、六本の腕を振り回してアルテリク星人がもがく。
 その隙に、合体を解いたグリッドマンとULTRAMANは、被害を免れた体育館の屋根の上に並んで着地した。
「やるぞ、ウルトラマン!」
「はい、グリッドマン!」
 同時に振り向いた二人のヒーローが、アルテリク星人めがけて両腕をクロスする。
「グリッドォ……」
 グリッドマンの左腕に備わるグランアクセプターが輝く。
 十字を組んだULTRAMANが手首のコネクタを接続する。
「ビイイイイイィィィィィィム!!」
 グリッドビームとスペシウム光線、二条の光芒がアルテリク星人を直撃した。
 のけぞり、痙攣し、光の粒子となってアルテリク星人が消滅する。

 世界は救われたかに思えた。だが。
「おかしい」
 街の崩壊が止まらない。車が、建物が宙に浮き、消えてゆく。
「どうやらヤツは、無数に進行するプロセスのひとつに過ぎなかったらしい」
「どういうことです?」
「本体がまだどこかにいるはずだ。私がゲートウェイを開こう」
 グリッドマンが掌を向けた空中に複雑なパターンの紋様が浮かんだ。
 これがプロセス間を移動するゲートなのだろう。
 グリッドマンに続き、ULTRAMANもそこへ飛び込んだ。
 システムの中枢を探し出し、アルテリク星人の本体を叩いてマヤを救うために!



つづく


【『ULTRAMAN SUIT ANOTHER UNIVERSE』×『SSSS.GRIDMAN』特別編】

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Ⓒ円谷プロ ⒸEiichi Shimizu,Tomohiro Shimoguchi  Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

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