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【モスピーダ外伝】 08 ホライゾン ─Horizon─ 【GENESIS BREAKER】

2023.04.12

機甲創世記モスピーダ外伝 ジェネシスブレイカー●柿沼秀樹、マーシーラビット  月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

【モスピーダ外伝】 08 ホライゾン ─Horizon─ 【GENESIS BREAKER】

 機甲創世記モスピーダ公式外伝第8話!

 TV放映より40周年を迎えた『機甲創世記モスピーダ』。本作のメインクリエイターである荒牧伸志、柿沼秀樹両氏を迎えた公式外伝小説『GENESIS BREAKER』の第8話。2083年1月、インビットから地球を奪還するため、人類史上最大規模の地球降下作戦「ラージスケールオペレーション2083」が開始された。インビットの反撃で大打撃を受けた艦隊だったが、なんとか特務隊を収納したカプセルを地球に向け射出する。地球に降り立った特務隊のゲイトとエブリは、北米大陸にある敵の拠点とされる“レフレックス・ポイント”を目指す。

STAFF

原作/タツノコプロ
企画協力/千値練
キャラクター原案/湖川友謙
小説・ストーリー構成・設定/柿沼秀樹(DARTS)
メカニカルデザイン・設定/荒牧伸志
メカニカルデザイン協力・設計/前野圭一郎(T-REX)
イラストレーション/マーシーラビット
スペシャルサンクス/戸張雄太(T.E.S.T)

『機甲創世記モスピーダ』のまとめ動画が観られる!
QRコードでCHECK!

QRコード モスピーダ

https://youtu.be/vmBSPvN5kCI

08
  ホライゾン ─Horizon─

 かつてその道は森を貫いて、町と町とを結ぶ立派なハイウェイだったはずだ。しかし今は砂と草とに覆われ、材質検知センサがないと道なりに進めない状況だ。だが岩だらけの不整地を走破するよりは効率がいい。先頭はイーグル。続いてゲイト、そしてだいぶ車間距離を置いてエブリ。最後にネセサリーを乗せたシモンズだ。敵を警戒しながらも一行は森へと差し掛かった、その時、何かを感知したエブリがリーダーのゲイトにテキストデータを送信し、それがゲイトのバイザーに表示された。「周囲に監視カメラ多数。受信元特定できず」
 なんでこんな人気のないところに…と当然の疑問が沸く。ゲイトは監視カメラがなにか重要な意味を持っている、と判断すると直ちに停車し、パワーユニットの点検を開始した。全員が何事かと急ブレーキを掛ける。“マシンの調子がおかしい、森に入って小休止だ”と、わざとらしいジェスチャーを放つと一行は森へ入った。指示は決まっていた。“監視カメラの受信元を探せ”だ。



 皆が森に散って30分が過ぎたころ、エブリが監視カメラの主の居場所を突き止めた。錆びにくいパラジュウム製のレシーバーは森の中にあってさほど手こずらずに特定できたのだ。枯れ枝で偽装した洞窟を発見したのだ。そのやり方は軍隊のそれである。洞窟はやや下った先で大きな空間となっていた。先頭を行くエブリを出迎えたのは射撃用のレーザーポインターだった。エブリのみぞおちにオレンジ色の光点がぴたりと止まる。エブリも身構えたが、しばらくの静寂ののち、赤い非常灯がつき、続いて白い照明が点灯した。洞窟内はまるで修理工場のような様相でトラスやパイプ、工具類がそこら中に散乱していた。そして二脚のバイポットで固定された対物ライフルの陰から、若い小柄な男が姿を現した。彼は警戒しながらも数歩、歩みで出から、手にしたハンドガンと一体化したリーダーでエブリの左胸にシークレットライティングされたアイデンティティを読み込んだ。「火星情報局・特殊部隊・カテゴリー09…」と口に出してそれを読み上げた。


「自己紹介が省けたようだな」と、ホルスターのハンドガンにかけた手を下してからエブリが言った。


|  生存者 

「認識番号R-188-34362。トニー・ダイソンです」と若い兵士はへたくそな敬礼をした。シモンズの陰から顔をのぞかせたネセサリーがそれに応じたが、彼女の敬礼のほうがよっぽど堂に入っていた。イーグルが歩み出て「その褒められない敬礼は通信兵か衛生兵…でなきゃ、工兵だな」といいつつダイソンの傍らを通り過ぎ、広い洞窟内を見まわす。


 小柄で痩せぎす、ギョロついた眼は見るからに兵士らしくなく、イーグルの見立てもお門違いではなさそうだった。


「あなた一人なの」と尋ねると、ゲイトは続けて「大隊随伴の修理班並みの工具類が揃ってる。で、何を直してるの?」と尋ねた。一番奥のシートで包まれた大きな塊を指さして、ダイソンはゆっくりとその塊に近づくと油で汚れたアースカラーのシートを除幕式のようにゆっくりと剝ぎ取った。現れたのは可変戦闘支援タイプのアーモボマーだった。地上降下作戦時に降下部隊を地上にタッチダウンさせるための支援機として投入されたが、消耗が激しく最前線に残存しているのは珍しかった。

「純正品じゃないな。アッパーアームが太いしウィングも短い」とはシモンズの見立てだ。

「たいがい詳しいと皆、そう言いますが、これは“ブルドック”というれっきとした正規品です。といっても200機ほどしか生産されていない派生型で、工場を出てから支援部隊が改造した低高度支援タイプです」とダイソンが答える。背後に回り込んだシモンズは「ああ…噴射ノズルにウィンガー(出力調整機)も付いてるな。こりゃ見たことがない」とディテールに言及する。

「仕様を決定したお偉方が、地上に先に降りて後続の降下部隊を掩護する…というまるで現実味のない戦術を立案したおかげで、このタイプはほぼ全滅です。敵は火力・質量・馬力が大きい順に標的にして来ますからね。本隊と同時に降りて、敵拠点への接近・集中攻撃に徹していればまだコイツの特性を生かせたものを」とダイソンはメインテナンス中のアーモボマーを見上げて悲しそうな表情で言う。


 工場内を見回していたネセサリーは、特に気に入ったものを発見できなかったが、工具の散らばったスライス版の上のポートレートに目を止めた。そしてそれを背伸びして取ると、ゲイトに手渡した。そこには20名ほどの歩兵の姿が映っていた。


「あなたの部隊?」「全滅か?」ゲイト、シモンズに続いて「たった一人の生き残りってことか」とイーグルがダイソンを指さして言う。

「あの日…コイツが動かなかった。左エンジンを支えるフレームが曲がっていて、出力も不足。それを理由にAIがスターターを始動させなかった。完全手動に切り替え、宇宙航行機能などを排除してデチューンしておけば良かったんだ」と落胆の表情を浮かべた。

「レフレックスポイントに向かうには森を抜けた先に広がる荒野を、約12マイルほど北進しなくてはならず、部隊全員で突破を試みたのですが、アーマーサイクル16、重装甲車4、MBT3、重火器6という大所帯であったため敵に発見されて。開けた荒野には一切の遮蔽物がなく…」「おまけにこの支援機はエンストか」とのダイソンの独白に続いてイーグル。「まあ、ついてないことってのはよくあるもんさ。年に5回や6回や7回くらいはな」とゲイトの手にしたポートレートを覗き込んでシモンズも言う。

「で、その大型機はいつ直るの? アタシたちもその砂漠だか荒野だかを突っ切らないことにはこの先進めない」とゲイト。

「火器管制システムはすべて手動とし、コンソールも全てアナログなメカニカルボタンに置き換えてAIの介在を排除しました。あとは…幸い装甲車のシャーシがあります。そいつを分解して再溶接すればエンジンを正位置に固定できる。出力不足の方は目をつむって…なのであと2週間くらいかと」とダイソンが言い終わるのを待たずに、エブリが「遅すぎる。2日間だってこんなところで立ち往生はできないね」と言い放った。


 その後も、いろいろと意見が交わされたが、名案は生まれなかった。



 ダイソンはゲイトたちのアーマーサイクルの保守点検を請け負った。頼りになる大型支援機の改修にはどんなに急いでも10日はかかるため、ゲイトたちは単独での平原の突破を決断したのだ。
 夜が明けるころゲイトは新鮮な空気を吸いたいといって外へ出た。目配せの意味を理解したエブリが後に続く。洞窟の裏手には鉄パイプを組んで建てられた仲間たちの簡素な墓標があり、その一つにメットがかけられていた。ゲイトとエブリはそれを並んで見つめていたが、ゲイトが口を開いた。「見て…森の奥にも監視カメラがある。妙だと思わない?」「そうだな、敵を警戒するなら空を警戒する。森のけもの道にカメラを多数配置するっていうのは、確かに不自然だ」とエブリ。そして「通りかかるアタシたち軍人を監視してるとしか思えない。彼は何か隠してる」と結論した。そんな緊張した会話を交わす二人の間に、わざと割って入て来たネセサリーは、二人を見上げると「花、摘んでくる」とだけ言い残して森へ分け入った。


「遠くに行かないのよ!」と叫んだゲイトに見向くと敬礼を放って走り去った。



 太陽が昇るとゲイトは出発を宣言した。ダイソンによって各員のアーマーサイクルは、冷却筒にこびり付いて固化した砂を取り払い、メインシャフトの摩耗を検知するソフトも更新。コンバーターも載せ替えてチューンナップが完了していた。ダイソンに見向いて礼を述べたゲイトだったが、しかし次に表情をこわばらせると不意に語り始めた。


「あの日、あなたの愛機は確かに故障していた。両エンジンの出力はAIの介在なしには安定せず、バイタルパートに供給される電圧も不足。しかし戦えないわけではなかった。隊長のグスタフは部隊の出発にあたり航空支援としてあなたの愛機の出動を依頼した。しかし…あなたは出撃しなかった」と唐突に言い始めたのだ。エブリを除いた全員が面食らったのも当然だ。エブリがダイソンにメットを投げて渡した。

「墓標に掛けられていた隊長のメットよ。エブリが画像記録を全部、読みだしたの。ホントは動くんでしょ、あなたの愛機」と冷たく言い放つ。「そういう事か」とイーグルが唸るように言う。

「ちっ…違う!! アンタら素人だから、判らないんだ!! ロボトロニクスにおいてはバランスが最重要なんだ!AIはアンバランスのまま起動し運用することを承認しない!! 各パートの動力エコーが完全に一致するまでチューンしないと…」と、ダイソンは泣きそうな声で訴えた。

「攻めてはないわよ。あなたは優秀なエンジニアかもしれないけれど優秀なパイロットとは限らないしね。ここに留まって次に来る分隊が砂漠を渡る、その時には支援してあげて」と言い残すと、ゲイトは愛車イントルーダーのパワーユニットを起動させた。「いい音…助かったわ」とつぶやくと振り返らずに洞窟を走り出て、そして皆もそれに続いた。


|  荒野 

 荒野は確かに広かった。固い地盤に砂と石とが混在し決して走りやすくはなかったが、視界のすべてが地平線となった時、進む方向すら見失う、そんな空虚な台地が果てしなくどこまでも続いていた。不安を覚える空虚さだ。そしてよくない情報をエブリが発した。「6時方向…敵3機…いや4機。同時に来られたら対処できない」「哨戒中のユニットだな! 二手に分かれて! そうすれば2機ずつ迎え撃てる。街まであと…3マイル。何としても走り抜けるのよ!」とゲイトは言ったものの、敵は高高度から一気に降下して来る。追いつかれるのは時間の問題だった。ゲイトとエブリが直進し、イーグルとシモンズが左に逸れて、それぞれが敵を引き付けた。合計4体の敵は“グラブ”タイプの汎用性の高い攻撃機体だったが、大出力のレーザー砲を背負った“ハインド”も混在していた。そいつが降下しながら、ゲイトたちを射程に捉えるや否やレーザーを掃射してきた。ゲイトとエブリは蛇行してそれを躱す。


「マズイ…全く遮蔽物がない! トレンチ・メーカー(1※)だ。シモンズ、聞こえるか!! とにかく発射しろ!!」とのゲイトの怒鳴り声に応えて、すでに600ft程離れた位置に居たシモンズがその特殊砲弾を撃ち放った。それら数発がゲイトとエブリの上空から飛来し、対象となるライドアーマーを認知、その周囲に等間隔で着弾すると地中にめり込んで起爆。直径20ft、深さ6ftのクレーターを複数形成する。二人はライドアーマー形態にチェンジすると一番近いクレーターに飛び込んで着地モードに入った最初の二体を狙い撃った。地質との相性が良かったようで、形成された即席の“塹壕”は形状、深さ共に理想に近く、ゲイトの至近に炸裂した敵ビームの爆圧からゲイトを守った。そして着地時に脚を狙い撃つ理想の攻撃も功を奏し、最初の二体は、着地を果たせず、地面にめり込んだ。だがその直後、エブリが冷静に伝えた。


「南南西2マイルに新たな敵影4機! マズいぞ!!」



 人類軍は敵インビットにアルファベット順でコードネームを付けている。“前方から赤いヤツ、後方からは青くてビームをしょったヤツが来る!!”では指示を出すベースも混乱するだけだからだ。
 接近して来る4体は新型だった。しかし幸い74時間前に中継衛星との通信が回復し、エブリのベーシック・データの更新が成されていたため、接近中の新型が、敵が急速に配備し始めた“M(ムース)”の、さらに派生型だと判明した。交戦した経験のないタイプだが、旧来の“グラブ”よりは小ぶりで、反して敏捷性が高くパワーもある。という評価と各スペックとが直ちに全員に共有された。
 なんとか敵を倒したイーグルとシモンズにゲイトの指示が届く。「新型が来る!! 合流しろ!!」その咄嗟の判断が正しかったのかは誰にもわからないが、もう敵は有視界にまで迫っていた。4体はまるで一つの塊でもあるかのように降下して来たが、上空300ftでさっと別れ、一体がゲイトたちの進路に降下し立ちはだかると、それに対応して散開したゲイトら4人を、残りの3体が正確に追尾してきた。この瞬間、誰もが今までの敵とは全く違う敵だ、と感じ取ったに違いない。観察すると両腕の先にフレキシブルなロッドが付いている。
 シモンズが砲弾をばら蒔き、エブリがスモークをまき散らす。イーグルが弾幕を張る。だが敵は繊細さと大胆さを兼ね備えており、今さっきまでの正確な追尾行動を終わらせると、突如、至近の相手に体当たりをかましてきた。ゲイトとイーグルが吹っ飛ばされ地面に強かに叩きつけられた。そして4人は気付くと背中合わせで火器を構えたまま、敵に囲まれていた。さらにまずいことに先ほどから敵は盛んにビーコンを放ち、さらなる増援を呼んでいるようだ。このまま時間を稼がれたらお終いだ。イーグルが独自の判断で高く飛んで、自分を追尾して来るはずの1体か2体を引き受けようとしたのだが、しかしイーグルは飛び上がると同時に敵のレーザーを真正面から食らうと火花を散らして数メートル先に落下した。敵のレーザーは決定的ではないが、カウンターには打って付けで、同じ行動をとることに意味のないことをゲイトたちに教えた。


「来たっ!!」エブリが顔を上げて叫ぶ。その視線の先には、恐れていた敵増援の一群が見て取れた。このままでは勝ち目はない!

「真上にありったけの誘導弾を撃つ!! 落下して起爆したら砂塵に紛れて好きな方向へ飛び出せ」とシモンズの最後の一手だ。言うが早いかシモンズがありったけを撃ち放った。が、敵はスペックどおりの俊敏性に加え正確さも有しており、シモンズの放った誘導弾は手分けしてすべて正確に撃ち落とした。どうやらすでに、ライドアーマーに類する人類側兵器を封じる手立てを、敵は充分に揃えているとみて間違いなかった。

「ゼロ距離で奴らのセンサ・アイを撃て! あとは成り行き次第だ」とゲイトも捨て身の攻撃を提案した。がすでに上空には敵増援部隊が迫っていた。円陣を組んだその数体も新型だった。彼らは囲まれて行動を制限されているゲイトら4人に照準した。


 が、しかしその直後、接近して来る敵たちは、上昇ノズルを全開に切り替えると、紫の排煙を残して突如として上昇に転じた。ゲイトたちを取り囲んでいた4体も情報を共有したようで、爆発的な噴射を残して飛び上がった。


「あれだっ!!」エブリがすぐにその原因を地平線の一点に見て取って指さした。


|  遅れてきた勇者 

 ブルドックは地を這う装甲車のような極限の超低高度で突っ込んできた。10体の敵、新型たちはアーマーサイクルの十倍近いHBT出力波を感知すると、ほぼ本能的に大型の新たな標的、ブルドックに向かったのだ。接近してくるブルドックに猛烈にレーザーを浴びせるが火花が散るばかりだ。


「ブルドックは上面装甲が厚い。高度ゼロなら下からは撃たれない。アーモボマーは…こう使うんだ!!」スピーカーに飛び込んできたのはダイソンの声だった。彼が酷評していた上層部の思い違いを、どうやら身をもって訂正するつもりらしい。「敵と離れていては重装甲、大質量、大馬力は生かせない!!」と叫ぶとその実証に掛かったのだ。撃たれ放題のまま敵が組み付いて来るのを待って人型モードに切り替えると、一体ずつ引き剝がして地面に叩きつけた。

モスピーダ外伝-8


「手足の稼働は12秒間はフルパワーが持続する。この程度の質量の敵なら…」と力の籠った声とともに、ひっつかんだ敵を真っ二つに引き裂いた。そして直後にメインノズルを引きしぼって上昇に転じた。新型の両腕の先に装備された複数のロッドは、どうやらこのような時にこそ真価を発揮するようだ。アーモボマーの巨体に組み付いた敵たちは、ダイソンともども、どんどん高度を増し上昇を続けた。

「リアクターが制御されてない!! AIの干渉を排除したからだ! パワーユニットが溶解し始めている…起爆するぞ!!」シモンズがセンサリングの結果を叫んだ。その直後、シモンズの解説どおり、閃光が空に広がり、再び凝縮してまぶしい光球が生じた。



 ゲイトたちの足元にいくつかの部品と溶けかけたチタンの破片が落ちてきた。シモンズは録画したダイソンの勇気ある戦いを全員に供給して解説を加えた。「エンジンの一方が出力不足なのは本当だったんだ。それにしては見事な戦いぶりだった」と。
 ゲイトは手ごろな金属片の一つを拾うと、それを荒野に突き立て、トーチビームで碑を刻んだ。

“遅れて来た勇者、ここに眠る。戦士の名はトニー・ダイソン二等技術兵曹”

 そしてネセサリーが、とことこと歩み出て、数時間前に森に分け入って摘んだ白い花を手向けた。


「エーデルワイスか…花言葉は“勇気”だな」


 ガラにもなくイーグルが詳しかった。
 荒野を走破すると、森と、そしてその向こうに廃墟の大都市が現れた。勇敢な兵士の犠牲で、また一歩、ゲイトたちは敵の拠点へと歩を進めた。振り返るとやや傾いた陽光を、遥か地平線で墓標がキラリと眩しく弾いていた。


つづく


.

1※ トレンチ・メーカー 
 放物線状に飛び、落下して起爆。応射に適した塹壕(トレンチ)を瞬時に形成する特殊砲弾。


MECHANIC
 メカニック

#8 アーモボマー/Bulldog

 接近格闘用 bulldog(ブルドック)
 第03空挺強襲部隊 第32分隊所属 

 生産され一度リリースされたアーモボマーを、地表降下地点で降下部隊を掩護する近接防御仕様に改造した空挺格闘専用機体。航続距離を犠牲にし、ロケット・ジェットエンジンを短時間高燃焼用にデチューンしたフルバック仕様と呼ばれる機体。近接防御、打撃力を強化。降下部隊の盾となる。

モスピーダ外伝-8アーモボマーbulldog
モスピーダ外伝-8アーモボマーブルドック

【 GENESIS BREAKER 】

01  侵入者 ─イントルーダー─

02 スナイパー ─The Snipe ─

03 デスポイント ─Dess point─

04 コンタクト ─Contact─ 前編

05  コンタクト ─Contact─ 後編

06 決定者 ─DECIDER─

07 白い要塞 ─WHITEFORTRESS─

08 ホライゾン ─Horizon─ ←いまココ

09 マイ ネーム イズ ゲイト ─My name is gate─

10 ポールシフト ─POLESHIFT─

11 データシップ ─Data ship─

12 火星人との戦争をとおして ─Through wars of worlds invaded by mars─ new

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Ⓒタツノコプロ

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