【8割以上“ランナーのまま”塗装】パーツ数の多い「RG ガンダム Ver.2.0」を工程を絞った全塗装で一気に駆け抜ける(約26時間)【試し読み・工作編】
2026.09.15RG ガンダム Ver.2.0 ランナー塗装のススメ/RX-78-2 ガンダム【BANDAI SPIRITS 1/144】●tauyo 月刊ホビージャパン2026年10月号(8月25日発売)
250超のパーツも、8割はランナーのまま!
RGガンダムVer.2.0 ランナー塗装のススメ
工程を絞って、RG全塗装を一気に駆け抜ける
細かなパーツを切り出し、ゲートを処理し、仮組みしてから分解し、ひとつずつ持ち手に付けて塗装する――。RGを全塗装しようとすると、塗装を始めるまでにも多くの工程が待っている。
本記事でtauyoが提案するのは、パーツを切り離す前に塗ってしまう“ランナー塗装”だ。今回の作例では、完成後の印象を左右する53パーツだけを先に切り出して改修。残る8割以上のパーツはランナーのまま塗装し、スミ入れを終えてから切り出して組み立てた。
持ち手を付けたり表面処理をしたり、マスキングしたりといった負担の大きい工程を省きながら、全塗装による質感と、ポイントを絞った改修による満足感を両立。エアブラシは必要だが、いつもの製作順を変えるだけで、RG全塗装への心理的なハードルは大きく下がる。塗装までが遠いと感じていたなら、組む前に塗ってみるのはいかがだろうか?
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “リアルグレード”
RX-78-2 ガンダム Ver.2.0
製作・文/tauyo
普段のtauyoの作業フロー
①パーツの切り出し
②ゲート、表面処理・工作
③仮組み
④分解
⑤洗浄
⑥塗装クリップへの取り付け
⑦塗装
⑧組み立て
⑨スミ入れ・マーキング
⑩トップコート
完成
※キットによって工程や順序は異なります。
今回の作業フロー
⓪比較用の素組み 4時間
①改修するパーツを選んで工作 6時間
②ランナーの切り分け・洗浄・塗装準備 1時間30分
③ランナー塗装 2時間
④改修パーツの表面処理・塗装 2時間
⑤ランナー状態でのスミ入れ・切り出し・組み立て 3時間30分
⑥シール・部分塗装・ツヤ消し仕上げ 7時間
比較用素組みを含む総作業時間 合計26時間
tauyo COMMENT
今回のRG ガンダム Ver.2.0はとにかく全塗装で「完成させること」をテーマに製作しました。
通常ならゲート処理や250個を超えるパーツの串打ち(持ち手を付けること)を行いますが、今回はその工程をバッサリ省略。RGはパーツが小さくゲートも細いため、ランナーのままエアブラシで塗装し、あとから切り離してもゲート跡はそれほど目立ちません。
キットの段階で色分けが完璧なのでマスキングもしません! そんなストレスフリーな全塗装です。
それができるのもキットが素晴らしいおかげ、バンダイさん、ありがとう♪
全部を作り込まない!
完成後に“効く”パーツだけを仕上げる
ランナー塗装を始める前に、まずは箱を開け、説明書とすべてのパーツを確認しよう。今回、tauyoが事前に切り出したのは、頭部や胸部、肩、足首など、完成後の印象に大きく影響するパーツのみ。その他のパーツはランナーに残し、工作と表面処理に使う時間を大幅に減らしている。
箱を開けたら、まずはすべてのパーツを見る
キットの完成見本や過去の作例、説明書の写真を見ながら、完成後にどこを目立たせたいのかを考える。工作したい部分が決まったら、必要なパーツだけをランナーから切り離そう。
すべてのパーツへ均等に手を入れるのではなく、「ここだけカッコよくなれば、全体の印象が変わる」と感じた部分に時間を集中させるのが、今回の製作方法のポイントだ。
6時間
改修箇所の選定と工作
そもそも、なぜ成型色と近い色で塗装するの?
成型色とほとんど同じ色を重ねるなら、塗装してもしなくても変わらないのでは? そう疑問に思う人も多いだろう。では、なぜ全塗装するのだろうか。
プラスチック特有の透け
プラスチックに光が当たると、表面だけでなく素材の内部にも光が入り込む。特に赤や黄などの成型色では、表面で反射する光と、内部を通って戻ってくる光が混ざり、プラスチック特有の透け感が生まれる。
モビルスーツらしい重みがほしい
一方、塗膜を重ねると光の透過が抑えられ、“パーツの表面”で光を反射するようになる。すると各面の向きや陰影がより明確になり、素材に厚みや重みがあるように見えてくる。成型色に近い色であっても、塗膜を一層加えることでプラスチックらしさを抑え、装甲らしい密度を与えられるのだ。
目に届く光をどうコントロールするか
実物大のガンダムを思い浮かべたとき、装甲が薄いプラスチックのように透けて見える姿を想像する人はいないだろう。だからこそ、模型では目に届く光をコントロールし、素材の見え方を変えることが重要になる。ツヤ消しトップコートを吹いた瞬間に、機体全体の印象が大きく変わるのもその一例だ。その効果をさらに一歩進めたものが、今回の同系色による全塗装なのである。
ゲート処理は約650ヵ所を後倒し
全269パーツに平均3ヵ所のゲートがあると仮定すると、ゲートの総数は約800ヵ所。そのうち約8割のパーツをランナーのまま塗装しているため、単純計算では約650ヵ所の切り出し工程を後ろ倒しにしたことになる。
今回のテーマは、いかに早く“完成させるか”でもあるため、普段の製作で「ゲート処理や工作が多くて塗装までのハードルが高い」と思っているモデラーにとっては、心理的な負荷も減らしつつ、製作時間を大きく減らせる作り方ということがわかる。
試し読みではここまで!
作例の細部や製作過程を知りたい方は、好評発売中の「月刊ホビージャパン 2026年10月号」をぜひご覧ください!


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Ⓒサンライズ
tauyo(タウヨ)
ガンプラからガールズプラモデルまで、精度の高い工作と清潔感のある仕上がりを得意とする、プラ板工作や3D造形もマルチにこなすモデラー。


























