HOME記事キャラクターモデル【ARTPLA キングギドラ発売記念連載】ARTPLA怪獣シリーズのこだわりが息づくキングギドラの造形【第2回】

【ARTPLA キングギドラ発売記念連載】ARTPLA怪獣シリーズのこだわりが息づくキングギドラの造形【第2回】

2026.09.11

 生物造形の第一人者である松村しのぶが原型制作を手掛け、インジェクションプラスチックキットによる怪獣の立体表現の限界に挑み、そのインパクトで話題のARTPLA SCULPTURE WORKS の最新作「キングギドラRe:イマジネーション」。

 先ごろ発売され話題となっている中、海洋堂の怪獣造形の魅力に迫る短期集中連載の第2回は、企画開発担当の塩入翼と原型制作を手掛けた松村しのぶのコメントを交えて、「キングギドラ Re:イマジネーション」の開発経緯と造形面でのこだわりのポイントを深掘りしていきたい。

連載第1回はこちら


ARTPLAの進化から生まれた怪獣シリーズ

 2022年に海洋堂が模型メーカーとして待望ともいえるインジェクションプラスチックキットレーベル「ARTPLA」のリリースを開始する。

 動物、仏像、キャラクターフィギュア、ロボットなど、さまざまなジャンルの展開を経て、海洋堂のARTPLA怪獣シリーズは、2025年10月に発売となった第1弾アイテムの松村しのぶ原型による「ゴジラRe:イマジネーション」へと繋がり、ARTPLA怪獣シリーズがスタートする。それは1980年代に海洋堂がレジン製ガレージキットメーカーとして活動を開始した当時、「ゴジラ」を中心とする怪獣立体造形からスタートしたことへの原点回帰とも言えるだろう。

 では、どのような経緯で海洋堂はARTPLAで怪獣シリーズをスタートすることになったのだろうか? 企画開発担当の塩入は次のように語っている。

「ARTPLAをスタートした当初は、まずは自分たちの得意分野でやれるものをやってみよう、という形でした。ラインナップも動物や仏像、太陽の塔など、海洋堂らしいものを中心としつつ、『ゆるキャン△』なども加わり、次第にバラエティ豊かになっていきました。
その中でも特に力を入れたのが、海洋堂のインジェクションキットとして、より造形表現を前面に押し出したものを作ってみようと当時一緒に企画を担当していた者と挑戦したのが、『機神幻想ルーンマスカー』のスレイプニールだったんです。

そこでロボット的な外装ながら有機的なラインを持つキットを納得のいく形でリリースすることができ、そこからガレージキットや過去のアイテムをベースにした『エヴァンゲリオン』のシリーズに繋がっていきました。こうした経緯で得られたノウハウを活かして、より格好いい造形のシリーズ第2弾として企画が挙がったのが現在展開中の「怪獣シリーズ」なんです」

▲ ARTPLA SCULPTURE WORKS ゴジラ Re:イマジネーション

 ARTPLA怪獣シリーズが発表となり、生物造形の第一人者である松村しのぶが1954年公開の『ゴジラ』に登場するいわゆる「初代ゴジラ」を造形することが発表され、大きな話題となった。そして、実際にキットが発売されると、松村が手掛けた怪獣の特徴である生物的な表皮をインジェクションで表現し、パーツ同士を流し込み接着剤を使って貼り合わせると、その合わせ目がほとんど見えなくなるという精度の高さと、キットを組み立てる際の心地良さがさらなる話題となっていった。怪獣の表皮の表現や組み立てに関しては、開発担当としてどのようなこだわりがあったのだろうか?

「組んでいく時の気持ち良さや作りやすさは、もちろん大切にしています。ただ、本来、怪獣の凄まじいディテールというのはインジェクションキットで表現するには非常に難しく、そこを優先していくと、どうしてもパーツはどんどん細かく、バラバラになっていきます。

では、どこまで分割するのが作り手にとっての正解なのか。そこは今でも、完全には掴み切れていません。
ただ、送り手として目指しているのは、組み上げるためにかけた手間や時間に対して、『これだけのものが出来上がるんだ」と感じてもらえるものにすることです。組み立てた先に、作業の対価に見合うだけの凄まじい造形が現れる。そのバランスをどこに置くのかというのが、「ARTPLAだったらどうするのか」を考えるうえでのポイントになっています。「自分ちに凄まじい造形物が現れた!しかもプラモで!」という気持ちを大事にしたいという思いで開発は進めています」

次ページ:さらなる表皮表現に挑戦したキングギドラのウロコ

TM &© TOHO

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石井誠

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