HG ハンブラビ(GQ)を成型色活かしで作る!「抜き」と「遊び」を見極める8時間の作業フローから、表面処理、明細塗装、トップコートを見ていこう【機動戦士Gundam GQuuuuuuX】
2026.09.22
成型色活かしの迷彩塗装/ORX-139 ハンブラビ(GQ)【BANDAI SPIRITS 1/144】●NAOKI 月刊ホビージャパン2026年10月号(8月25日発売)
息抜きプラモの到達点! オリジナルの設定を盛り込んだ成型色活かしの迷彩塗装
NAOKI流成型色活かしガンプラ製作法
プロモデラーは、仕事を離れた趣味の模型をどのように楽しんでいるのだろうか? 本記事ではハンブラビ(GQ)を題材に、NAOKIがオリジナル設定の機体を製作。選んだのは、全面改修や全塗装ではなく、成型色を活かしながら、航空自衛隊F-2の洋上迷彩をモチーフとしたオリジナルカラーを加える仕上げだ。気になるヒケだけを整え、見せたい面には迷彩を施し、見えにくい裏側は割り切る。工程を絞りながら、自分なりの解釈とカッコよさはしっかりと盛り込んでいく。
完成まで2日、作業時間は約8時間。すべてを作り込まなくても、ひとつの狙いを決めれば、キットの印象はここまで変えられる。作り込む技術を知るNAOKIだからこそ見極められる、「抜くところ」と「遊ぶところ」。その製作から、次の1体で試してみたくなる、自由な趣味プラモの楽しみ方を探ってみよう。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレード”
ORX-139 ハンブラビ(GQ)
製作・文/NAOKI
目指す仕上がり
航空自衛隊のF-2Bなどに見られる洋上迷彩を参考に塗装。実在する機体の配色を取り入れることでリアリティーが加わり、ウェザリングの加減も実機写真を参考にできる。そこから模型としてどうカッコよくアレンジするかを考えるのも、今回の楽しみのひとつだ。
(写真/石原肇)
今回の作業フロー
①組み立て・表面処理 5時間
②迷彩塗装 1時間
③コート、汚し 2時間
合計8時間
表面処理5時間の秘密
NAOKIは成型色を活かして仕上げる場合でも、ヒケの処理やパーティングライン消し、エッジ出し、シャープ化といった通常の作例で行う基本的な処理は行っている。一方で、今回は合わせ目消しや、それにともなう後ハメ加工などは省略。全面塗装する普段の作例と比べて工程は絞っているが、こうした基本工作を押さえておくだけでも、成型色を活かした仕上げの完成度はかなり高まる。
使用した塗料はこれだけ
●メインカラー(混色)
ガイアノーツ ウォーカーブルー1+ホワイト+ミディアムブルー
●パーツ裏など
タミヤ エナメル塗料 ジャーマングレイ
5分(1パーツあたり)
どうしても気になってしまうヒケ・エッジを処理
▲大きな翼パーツには、プラスチックが冷えて固まる際に、表面がわずかに凹む“ヒケ”が発生することがある。実物大のMSを想定したとき、こうした凹みは存在しないだろうという考えから、NAOKIは気になる箇所だけを処理。気にならなければ、そのままでもよい
▲同じ面のなかでも、裏側にダボがある部分だけ大きくヒケている場合がある。普段からパーツの裏側の構造も確認しながら組むことで、ヒケる場所が経験的にわかるようになる
▲ヒケはペーパーがけで処理。NAOKIは使い古したタミヤのフィニッシングペーパー600番または800番を使用する。いったん表面をヤスることでプラスチックのツヤが消え、ヒケの位置も確認しやすくなる
▲処理前後の比較。ヒケの周囲を削り、面が均一になるまで整えた。普段の作例では、こうした処理を全パーツに行うため時間がかかる。1パーツ5分でも、全パーツとなればかかる時間は膨大だ。今回もこの工程は飛ばさず行った
1分(1パーツあたり)
エアブラシで洋上迷彩を塗装!
▲さっそく迷彩塗装へ。あらかじめ希釈した塗料をハンドピースのカップに入れる。NAOKIは2往復ほど吹けばしっかり発色する程度の、比較的濃いめの塗料でスピーディーに吹き付けていく
▲パーツへ吹く前に空吹きし、塗料の出方を確認する。失敗したあとのリカバリーにはかえって時間がかかるため、地味ながら大切な工程だ。ただし今回は成型色を活かす塗り方なので、吹きすぎてもあとから拭き取って調整できる
▲パーツへ大まかに色を吹き付けていく。イメージしたのは、航空自衛隊F-2に見られる洋上迷彩。NAOKIは趣味でも何度か航空機模型を製作しているため、記憶している迷彩パターンを基に大まかに再現している。このあとに綿棒で迷彩のキワを整えるので、この段階では形を細かく気にしなくてよい
4分
綿棒で迷彩のキワを拭き取り
▲拭き取りには、ラッカー系うすめ液のなかでも比較的溶解力が穏やかなものを使用。筆塗り用やメタリック用など、リターダー成分が入ったマイルドなものは調整しながら拭き取りやすい。塗料皿に必要なぶんだけ出して使おう
▲塗料が完全に乾く前に拭き取りを開始。指紋が付かないよう注意しつつ、薄め液を含ませた綿棒で迷彩の輪郭を大まかに取っていく。まずは枠線を引くように、模様の周囲をぐるりと一周
▲続いて、縁取りした内側の塗料を拭き取る。薄め液を含ませた綿棒で、表面の塗料を少しずつぬぐっていくイメージだ
▲塗料をぬぐう方向は、機体の進行方向に沿って流れる風をイメージすると自然に見える。風の流れを意識しながら拭き取ろう
▲綿棒にこれくらい塗料が付いたら、反対側へ持ち替えるか、新しいものに交換する。塗料が付いたまま使い続けると、拭き取った塗料を再び塗り広げてしまうので、こまめに替えよう
▲綿棒を寝かせ、側面を当てると広い範囲をしっかり拭き取れる。終盤はこの角度での拭き取りも活用しよう
▲しっかり拭き取るとこの状態に。ペーパーがけした面は少し荒れているため、塗料が完全に拭き取れているか判別しにくい。ただし、このあとにウェザリングを施す前提なら、そこまで神経質にならなくてもよい。これで迷彩塗装は完了
5分
他のパーツも同じように迷彩塗装!
▲腰アーマーも同じ方法で塗装。パーツのキワを狙い、外側から少しずつ色を乗せていく
▲立体的なパーツは側面からも塗料を吹き付ける。ただし、正面から見たときにも見える裏面は、最後にエナメル塗料のジャーマングレイで塗り潰す。見せたいところ、楽しみたい工程を優先し、抜けるところは抜く。そんな割り切りも趣味プラモの面白さだ
▲大まかに吹いた迷彩を、綿棒で拭き取って形を整える。キワがぼけた部分とくっきりした部分が混在するのは、綿棒による拭き取りならではの表情。その偶然性も楽しみたい
▲先に塗ったパーツと見比べながら、迷彩の形やパターンの大きさを揃えていく。行ったり来たりしながら、自分のイメージに合わせて調整できるのも、この塗り方の良いところだ
1分(乾燥時間は別)
トップコートでツヤ感を合わせる
▲コート剤を吹いたパーツ(写真左)と、まだ吹いていないパーツ(写真右)を比較。未コートの状態では、拭き取りの跡とヒケ処理で荒れた表面の違いが分かりにくく、塗装部分と成型色部分にもツヤの差が残っている
▲今回は缶スプレーの「水性プレミアムトップコート(つや消し)」を使用。缶を逆さにしてよく振ると、中身をしっかり撹拌できる。今回は約45秒振り、約15秒吹き付けた。缶スプレーは準備が手軽なのも魅力だ
▲表面がしっとりと濡れる程度まで吹き付ける。このあとにウェザリングを行うため、トップコートは完全に乾燥させておこう
▲完全乾燥した状態。プラスチック特有の質感が抑えられ、表面の細かな傷もほとんど目立たなくなった。均一なツヤ消し面になったことで、次のウェザリングも施しやすい
続きは9月23日(水)に掲載!
▼ 関連記事はこちら
©サンライズ
NAOKI(ナオキ)
メカニックデザイン、造形、造形プロデュースなどさまざまなフィールドで活躍するマルチクリエイター。