『F.S.S』の複雑な形状やディテールの再現に適した「レジンキット」を30年以上前からリリースしているボークス。現在は主催イベントや出展イベント、公式通販サイトなどで随時再販をしているが、完売次第販売終了となるため、気になったキットがあれば手に入れる機会を見逃さないように要チェックだ。ここでは過去にボークスから発売されたHIGH-SPEC GARAGE KITのGTMキット全11アイテムを紹介する。

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「HSGK 1/72 HL-1 ハイレオン」で覚えるGTMレジンキットの組み立て方 ●けんたろう

　ここではゴティックメード（以下GTM）のレジンキットに初挑戦、または久しぶりにレジンキットを作ってみようかなという読者に向けた、HIGH-SPEC GARAGE KITの組み立てポイントをご紹介します。昨今のガレージキットはパーツ精度も非常に高く、ここでご紹介する基本を押さえれば、しっかりと組み立てられます。ぜひ記事を読んで、美しいGTMの世界へと踏み出してください。

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　黄金と純白に輝く黄金騎士、マグナパレス。キットは他のGTMと同じく、ベージュ成型のフレームにクリアー成型の外装パーツを被せていく方式となっている。せっかくのキット仕様をフル活用し、半透明に輝くこの装甲を塗装で美しく見せたい、とnishiが試行錯誤を重ねながら実践。月刊ホビージャパン2022年7月号F.S.S.特集号にて、IMS 1/100 ザ・ナイト・オブ・ゴールド（限定版）作例で見せた手法を軸に、今度はレジンキットでその難関にチャレンジしている。何度も塗り直して完成させた美しき帝騎をじっくりご覧いただきたい！

　チータ・フレームを持つコーラス王朝の旗騎GTM、HL-1 ハイレオン。小柄なボディながら太く頑丈なフレームが特徴の騎体である。美しく端正な顔立ち、スリムで優雅な姿はまさに、気品あるセイレイ・コーラスが駆るにふさわしい。作例はレジンキット初挑戦だが、美しい塗装表現を得意とする吉村晃範が担当。外装を半透明塗装で仕上げ、裏面のモールドやフレームが透けて見える演出を試みている。

　カイゼリンー2012年に公開された映画『花の詩女ゴティックメード』の主役ロボット、そして2013年以降の漫画『ファイブスター物語』でも引き続き主役級GTMとして君臨する、2010年代以降の『F.S.S.』シーンを代表するGTM。
　ボークスがカイゼリンの立体化に挑むのはこれが二度目。一度目は2019年に発売された半完成品モデル「ABSOMEC」。そして４年後の今年、固定ポーズのレジンキットを再び世に送り出した。本キットはABSOMECの原型を基に、各部解釈をさらにアップデート。ヒジ関節構造の強調や、S字カーブを描く腹部造形の最適化など、ABSOMEC版の42cmから29cmへとサイズダウンしているにもかかわらず、それをまったく感じさせない密度感と美しさを兼ね備えている。そんな至高のGTMキットに挑んだのはベテランモデラー・桜井信之。デリケートかつエッジィなディテール、そして美麗な半透明装甲の表現…キットのポテンシャルをフルに引き出した、珠玉の作例をご堪能いただきたい。

「ホビーの工芸品」を目指して
　マグナパレスを製作したnishi氏も解説している通り、とにかくボークスのレジンキットは美しい。レジンキットにつきものである「バリ」「パーツのずれ」「気泡」がほぼ見当たらない。それでいて離型剤を使用しないため、パーツ洗浄もほどほどにすぐに工作・塗装作業に進むことができる。なぜこんなにも美しいレジンキットを世に送り出すことができるのか？ ここではその製造を担うヴァージナルアートへのインタビューを敢行。その秘密に迫る。

ホビー企画室 F.S.S.企画開発責任者 塚越由貴
　最後はボークスの「HIGH-SPEC GARAGE KIT開発スタッフである塚越氏とトップエース造形師のおふたりへのインタビューで特集を締めたいと思う。彼らはゴティックメード（GTM）という難題にどう立ち向かったのか？ そして、その先の未来は？ 今後のGTM造形についてもたっぷり語っていただいた。