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ボークス「ザ・ナイト・オブ・ゴールド(限定版)」でクリアーパーツを活かした塗装術を伝授!

2022.06.10

ザ・ナイト・オブ・ゴールド(限定版)【ボークス 1/100】 月刊ホビージャパン2022年7月号(5月25日発売)

ボークス「ザ・ナイト・オブ・ゴールド(限定版)」でクリアーパーツを活かした塗装術を伝授!
ザ・ナイト・オブ・ゴールド アイキャッチ画像

限定版のクリアー外装を活かしたミラージュMH(モーターヘッド)特有の半透明装甲の表現

 K.O.G.の黄金の装甲は、モーターヘッドの基本的な装甲材質である3層の石化装甲からなり、2層の半透明の石化装甲で薄くコーティングされた純金装甲を挟み込むことで、黄金色が透けて見えているという設定となっている。そんなK.O.G.の特殊装甲を好みの塗装表現で再現できるのが、ボークスGL/VS/VIP会員限定の「ザ・ナイト・オブ・ゴールド(限定版)」だ。装甲パーツがクリアーイエロー、フレームがクリアーブラウンで成型された特別仕様となっている。ここではその限定版を使用し、クリアー成型を活かしつつ、K.O.G.特有の黄金の半透明装甲を表現してみる。黄金でありつつ、近くでみると外装が透けて見える特殊な表現方法をじっくりご覧いただきたい。

ザ・ナイト・オブ・ゴールド 全体
▲ボークスGL、VS、VIP会員のみが購入できる会員限定アイテム。クリアーイエロー、クリアーブラウンの2色成型のスペシャル版で、K.O.G.の半透明装甲を表現するのにぴったりな仕様となっている
ザ・ナイト・オブ・ゴールド パッケージ 限定版

IMS 1/100 ザ・ナイト・オブ・ゴールド(限定版)

●発売元/ボークス●13200円、2022年5月発売●1/100、約35.5cm●プラキット●原型/造形村F.S.S.プロジェクトチーム

ザ・ナイト・オブ・ゴールド 前面 背面
▲クリアー成型の外装パーツは入念に表面処理を行い、サーフェイサーを使用せずに塗装。ゴールドはガイアカラーのスターブライトゴールド、カッパーも同ガイアカラーのスターブライトゴールドの上澄みを取り、純色パープルとクリアーを調合したものを使用。スミ入れはブラウン系を使いゴールドと調和させている。赤部分はゴールドの上にクリアーレッドを乗せてキャンディレッドにしてアクセントとしている
ザ・ナイト・オブ・ゴールド アップ
▲クリアー成型の装甲を活かすため、サーフェイサーは使わず、1200番の紙ヤスリまで丁寧に表面処理を行い、クリアーの塗り重ねで表面をコート。傷が残っていたらさらに1200番の紙ヤスリで傷をならし、さらにクリアーコート。装甲裏にディテールの彫刻があるパーツは先に裏からスミ入れを行いゴールド塗装。パーツによって、ゴールドでしっかり覆い隠す部分とクリアー成型が透けて見える部分を使い分けている。アップ画像でその装甲表現の差が確認できるだろうか

■クリアー成型を活かした塗装術/nishi

表面処理編

成型上どうしてもヒケや面のうねりが存在するため、表面処理は240番からきっちり当てて、1200番まで行います(右は比較用の無加工)
クリアー地を活かすためサフェイサーは使用できません。代わりにラッカークリアーを塗布し細かな傷を消します。光沢が出るまで2層ほどクリアーを重ねます(右は比較用の無加工)
ゴールドを吹いた段階で面がきれいに整っていると、メタリックの粒子も均一感が出て美しい状態に。比較の表面処理を行わなかったものは、うねりやヒケが目立ちます
角度を変えるとちゃんと透けていますが、このパーツはダボなどが見えてしまっているため、もう少しゴールドを重ね塗りして、プラモ要素が見える部分を隠していきます

裏側の装甲を見せる編

先ほどと同じくクリアーコートまで進んだ状態のパーツですが、裏面のディテールを透かして見せるため、まず普段の逆手順で裏面にスミ入れを行います
スミ入れして塗り分けする部分のカッパー色を塗装します。カッパー色をマスキングしてからゴールドを塗装

ゴールドの輝きを維持しつつ、光の当たり具合で透け表現も可能となります。表面から透けた状態を見たとき先にスミ入れしたことが活きてきますね

ザ・ナイト・オブ・ゴールド 右腕 アップ
ザ・ナイト・オブ・ゴールド 武器 構え

■K.O.G. クリアーVer.
 お久しぶりです! nishiでございます。いよいよ待ちに待ったIMSシリーズのK.O.G.バスターランチャー装備。前回KOG-ATを製作した際に、バスターランチャー装備を匂わせるパーツ構成だったので、これは必ず出るんだろうなと想像はついていました(皆さんもそうですよね)。さらにクリアーVerということで、装甲の透け表現ができてしまうということでテンション高めの製作となりました。

■クリアーパーツを活かす(下地処理)
 今回のオーダーはクリアー装甲を見せつつ、プラモ感があるダボなどは、目立たないよう配慮するということでした。クリアーパーツを活かすには、まずセオリーとなる傷チェックと下地のサーフェイサーは使えません…。では何を使って傷チェックをするかというと、下地処理を1200番まで行いラッカークリアーをツヤが出るまで塗布。そこで傷が残っていれば、また下地処理をやり直しでこれを繰り返します。ほぼ自分の勘が頼りで1200番のペーパー跡は確実にゴールドを塗った際、出てきますのでしっかりと処理。

■クリアーパーツを活かす(塗装)
 ゴールドが透ける部分と隠す部分のパーツを選定し、ゴールド塗膜の厚みをコントロールする必要があるのと、透けるパーツの裏側はスミ入れ塗装と逆の工程を踏む必要もあります。基本的に全体像はゴールドに見えて、近くで見ると透けている部分は角度やライティングによって透けて見えるよう調整しました。やはり全身均等に透けるとどうしてもプラモ感が出てしまいますので、かなり気を使った部分でもあります。

■塗装レシピ
 使用するゴールドはすごく悩みましたが、前回製作したKOG-ATと同等の仕上がりを目指して、ガイアカラーのスターブライトゴールドを選択し、カッパーもスターブライトゴールドの上澄みを取り、純色パープルとクリアーを調合したものを使用しました。スミ入れはブラウン系を使いゴールドと調和させています。赤部分はゴールドの上にクリアーレッドを乗せてキャンディレッドにしています。

■仕上げ
 頭部の装飾はエナメル塗料のブラシ吹きと拭き取りで塗り分けて、瞳部分もフィギュアの瞳を塗る手順と同じように、エナメル塗装とラッカークリアーでのレイヤー方式です。透けさせたいけど透けさせられない、というジレンマに悩まされることが多く、かなりの難産となりましたが、いかがでしたでしょうか?
 それではnishiでした! また!

ボークス 1/100スケール プラスチックキット “INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”

ザ・ナイト・オブ・ゴールド(限定版)

製作・文/nishi

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nishi(ニシ)

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