HOME記事特撮造形革命再び!ARTPLA「キングギドラ」を2つのディオラマとともにその魅力を造型家目線でお届け【コモリプロジェクト】

造形革命再び!ARTPLA「キングギドラ」を2つのディオラマとともにその魅力を造型家目線でお届け【コモリプロジェクト】

2026.07.12

コモリプロジェクト●小森陽一、土井眞一 月刊ホビージャパン2026年8月号(6月25日発売)

コモリプロジェクト土井眞一製作「ARTPLAキングギドラディオラマ鉄橋」

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三大怪獣地球最大の決戦

『造形革命再び 宇宙超怪獣キングギドラ、襲来!!』

 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。春から一足飛びに真夏にジャンプしたような天気も悩ましいですが、それ以上にナフサ不足が気になるところです。市場からシンナーが消えてしまいました。やきもきしているホビーファンも大勢いらっしゃることでしょう。僕はというと、これもタイミングかなと前向きに捉えて、これまでまったく手を出していなかった水性塗料を試そうと思っています。
 さて、変化が大きいのは気候や世界情勢だけではありません。プラモデル界にはさまざまな波が訪れています。昨年の月刊ホビージャパン8月号にて「造形革命 ARTPLAの衝撃」という見出しで、海洋堂が放ったプラキットを紹介しました。全高18.5cm、横幅約15cmの初代ゴジラが電車を咥え仁王立ちしています。あまりの造形に「これ、プラモですか……」と土井さんに尋ねたことを今でもよく覚えています。あの瞬間、プラモとガレージキットの差異が限りなく縮まっていることをはっきりと認識しました。そしてこの夏、ゴジラ最大のライバル、キングギドラが登場します。前回同様、今回も張り合わせの部分はまったく見えません。「パテ埋めなんて要らんよ」まるでそれが当然と言わんばかりの仕上がりです。造形に目を向けると、ギドラの生物感をより増したうねりのある表現や、一枚ずつ浮き出したようなウロコに唖然とします。ほんとにこれがよく金型で抜けるものだと思いますよ……。

コモリプロジェクト土井眞一製作「ARTPLAキングギドラ」

 ARTPLAの最大の特徴はなんといってもディオラマがベースとなっていることでしょう。初代ゴジラでは日劇ビルや崩れた国鉄の高架線、キングギドラでは破壊された赤い鉄橋や鳥居です。あのシーンの情景が思い浮かぶように設計されたディオラマは、怪獣好きの心を激しく揺さぶります。さすがは海洋堂の仕事ですね。ちなみに静岡ホビーショーにて発表されたガメラ3は渋谷でのギャオスとの攻防、メカゴジラは横須賀市街とこれまたニクい演出となっています。
 今回、キングギトラを製作した土井眞一氏です。驚いたのはその体色でした。なんと3色のトリコロールカラーに塗られています。皆さんは当然ご存知かと思いますが、この体色は本編に入る前の、いわば幻の青いギドラです。どうしてこの色でギドラを仕上げたのかと土井さんに尋ねると、「一番最初のポスターの衝撃が忘れられないんです~」という言葉が返ってきました。なるほど、僕もそうです。子供の頃、3色の羽を持つギドラのポスターやロビーカードを見かけました。その姿は実に奇妙で美しく、金色とはまた違う異彩を放っているようでした。さてさて、どうして青いギドラが我々の知る金色の姿になったのか。そのあたりはホビージャパン刊「三大怪獣地球最大の決戦 コンプリーション」に載っています。ぜひ、読んでみてください。この記事もまた衝撃的でした。

コモリプロジェクト土井眞一製作「ARTPLAキングギドラディオラマ鳥居」

 話を元に戻します。土井さんは自分のなかにある3色ギドラを際立たせるために、2つのディオラマを用意しました。1つは鉄橋です。製作にはレーザーカッターを使用し、山肌はウレタン製。もう1つは鳥居です。こちらはパソコンで設計し、3Dプリンターで出力したもの。雰囲気を高めるために手水舎や灯篭まで用意するという凝りようです。
 このようにこれからの時代は組み合わせ次第でいろんなことができます。本当にすごい時代がやってきましたね。どれだけでも底なしで遊べるんですから。僕の予想では、いつしか自分で作ったディオラマの鉄橋とキングギドラの間に、チキサイゴジラを置く人がきっと現れると思います(笑)。

コモリプロジェクト土井眞一製作「ARTPLAキングギドラディオラマ」製作中

文/小森陽一
ディオラマ・写真・構成/土井眞一

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