HOME記事スケールモデル「F-15 戦闘機」について後編! アグレッサー部隊の歴史と性能をファインモールド「F-15DJ アグレッサー[デジタル迷彩 緑]」とともにご紹介【いまさら聞けないすごいヤツ】

「F-15 戦闘機」について後編! アグレッサー部隊の歴史と性能をファインモールド「F-15DJ アグレッサー[デジタル迷彩 緑]」とともにご紹介【いまさら聞けないすごいヤツ】

2026.05.20

いまさら聞けないすごいヤツ‼/F-15戦闘機(後編)●宮永忠将、大森記詩 月刊ホビージャパン2026年6月号(4月24日発売)

 F-15戦闘機(後編)

イラスト/大森記詩

 「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもはずかしいなぁ……」なんて思ってしまう有名な飛行機や戦車、車などのモチーフをサクッと読める解説とイラスト、オススメのプラモとともにご紹介する本連載。今回は航空自衛隊の要とも言える戦闘機「F-15」から、アグレッサー部隊をピックアップします。


F-15DJ

全幅/13.1m
全長/19.4m
全備重量/25000Kg
エンジン/F100-PW(IHI)-220E×2

最高速度/マッハ約2.5
航続距離/4600km
武装/20mm機関砲、空対空レーダーミサイル、空対空赤外線ミサイル


飛行教導群 小松基地 2025

飛行教導群 小松基地 2021

第64アグレッサー飛行隊(64th AGRS)


 ベトナム戦争において、空対空ミサイル頼みで空戦機動スキルが低下したこと、また敵の空戦戦術に対する無理解が空軍が苦戦した原因との反省から、1972年にネリス空軍基地に第64アグレッサー部隊が創設された(意外にも海軍の「トップガン」のほうが3年早い)。その仮想敵はMiG-21から始まり、Su-27フランカー、そして現代のJ-20やSu-57のような第5世代機へと変化しており、対応して装備機の改編も進んでいる。現在のアグレッサー部隊は、単なる敵機役という役割を超えて、マルチドメイン領域における脅威の姿を常に模索し、それを米空軍に突き付ける。まさに「敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず」を実践している。


F-15戦闘機 アグレッサー

解説/宮永忠将

飛行教導群 小松基地 2019

 空自に導入されたアグレッサー部隊 

 航空自衛隊には「飛行教導群」という部隊が存在する。彼らは敵機役となり、複雑な空戦術を駆使しながら、全国の戦闘機部隊を巡回指導する精鋭部隊である。
 1970年代前半のベトナム戦争を通じて、空戦の世界は劇的に複雑化した。その間、空自でも熱心な訓練が行われていたが、その中心コースはかなりパターン化されていた。未知の戦術や、当時のソ連軍の戦術を参考にしたような、実戦的な対抗訓練は明らかに不足していたのである。一方、アメリカ軍では、空軍の「アグレッサー」や海軍の「トップガン」など、精鋭パイロットを集中的に養成し、彼らが各部隊を巡回して教導する仕組みが効果を上げていた。
 空自はこのアメリカの成功を参考にして、各航空方面隊や各部隊ごとに実施されていた戦闘技術の練成を、組織的に統一する方式へ改める決定を下した。その成果が1981年に創設された「飛行教導隊」である。拠点は福岡県の築城基地であるが、組織上は航空総隊司令部直轄部隊であった。
 飛行教導隊の最初の装備機はT-2高等練習機であった。F-15Jは導入直後であり、F-4EJファントムIIはアグレッサーに使うにはやや鈍重。その点、小型で加速力に優れ、超音速飛行も可能なT-2は、敵機、特に当時のMiG-21などの小型機との戦いを模擬するのに最適だったのである。

 F-15イーグルの翼の彼方へ 

 空自において「アグレッサー」の有用性が認められる1990年4月から、ついにF-15J/DJへの更新が始まり、部隊名も「飛行教導群」へと変更された。
 この頃になると、「アグレッサー」の存在は一般にも知られるようになり、独自の「アグレッサー・スキーム塗装」をまとった機体が、各地の航空祭でも人気を集めるようになる。また、敵役を担うという任務の性格から、ある種のエリート部隊のように見られることもあり、イーグル・ドライバーにとっても憧れの部隊となっていった。最強の戦闘機に、卓越した技量を持つパイロットが乗るという仕組みなのだから、「飛行教導群」に引っ張られる形で、否応なしに空自戦闘機部隊全体の技量が高い水準で維持されるようになったのである。
 2016年には拠点を石川県の小松基地へ移し、装備、人材の両面で充実を遂げた「飛行教導群」であるが、現在は大きな分岐点に立っている。
 ひとつは第5世代機の普及である。特に中国空軍がJ-20など第5世代機の配備を急いでいる現状を見ると、日本でもF-35Aをアグレッサー任務に組み込むことを考える時期に来ている。ただし同時に、近未来の空戦のあり方として、小型無人機の影響にも先手を打って対応しなければならない。おそらく「アグレッサー」も、腕利きの戦闘機部隊という現在の姿から、電子戦部隊や地対空部隊、ドローン部隊などを統合したマルチドメイン戦闘を意識した、訓練支援の総合部隊へと変化していくはずである。
 このような変化は、意外に早く実現するかもしれない。だからこそ、現在の「飛行教導群」の姿を、しっかりと目に焼き付けておきたい。


 ファインモールドのF-15シリーズには、限定生産としてアグレッサー部隊のF-15DJがラインナップ。通常のF-15DJのキットをベースに、アグレッサー機のカラーパターンを再現できるデカールが付属します。

F-15JD デカール
F-15JD デカール2

▲本キットの主役ともいえるのがデカール。デジタル迷彩と注意書きなどを細部まで表現した超緻密なデカールとなっている。日の丸は透け防止のために、下地の白も入っている)

F-15JD デカール指示
▲デカールの貼り指示。こちらをじっくり見ながら貼っていこう
F-15JD ランナー画像①
▲複座型のF-15DJがベース
F-15JD ランナー画像②
▲アグレッサー部隊の運用に欠かせない装備であるAN/ALQ-131 ECMポッドをセット
F-15JD パッケージ画像

航空自衛隊 F-15DJ アグレッサー[デジタル迷彩 緑]

●発売元/ファインモールド●5500円、発売中●1/72、約26.6cm●プラキット●限定生産


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