Blu-ray特典キットで
軍事パレード後の風景を切り取る

『OBSOLETE』EP7「RESHEP」で描かれたアザニア共和国軍の軍事パレード。それを意気揚々と見つめる国民たち。まさにアザニア共和国の軍事力、そしてライラ・レシャップ大統領への信頼と希望を表すかのような印象的なシーンだった。作例はこの軍事パレードにインスピレーションを受けて製作。アザニア共和国陸軍制式エグゾフレームとそれを見つめる少年兵。キットはBlu-ray コレクターズエディション[初回限定生産]特典のものを使用。少年兵の表情や小物類など、ストーリーを感じさせる見事なディオラマ演出をお楽しみいただきたい。

　建国式典パレードの後、アザニア各地への国威発揚のため出立したカイラとジャマルはとある田舎町でかつての二人を思い起こさせる少年兵と出会う。
カイラ：あの子たちまるで昔の私たちみたい…。
ジャマル：ああ、かつてあの人がオレたちを導いたように今度は俺たちが導かなければいけない。
　使い捨てになる戦争の道具ではなく、この国を支える礎となるように…。そう！ あの子たちこそがアザニアの希望なのだ。アザニアの希望とはエグゾフレームに代表される軍備ではなく、そこに住む子供たちなんだよ！ というダブルミーニングがテーマのこのディオラマは、お題をいただいた瞬間に思いつきました。
　エクゾフレーム「ムクキ」は機体各部のフックを真鍮線ピアノ線で再現したのみで、トラックの荷台に固定するため足のうらに1mm真鍮線を差し込んでいます。頭部の塗り分け部分は事前にスジ彫りを軽く入れておくとよいでしょう。
　少年フィギュアは銃のスリングを鉛板で追加した程度で、軽くポーズ修正しただけでよい雰囲気を出してくれます。エグゾフレームと目線が合うようにすることで、無言の対話が聞こえるようにしてやるとそれだけで演技が様になると思います。
　軍用トラックもストレート組みですが、エンジンやシャシーは割愛してタミヤM151のドライバーフィギュアの体にホーネットのアフリカ系頭部を合体させた運転手を乗せています。荷台の囲いに盾をつけて巡業していることが遠目にもわかるのは、我ながら良いアイデアだと思いますがいかがでしょう？
　ディオラマ部分は登場人物と車両を並べて、どのように切り取るかを検討したらスチレンボードで建物の外形を作り、ミニアートの窓枠や格子を使って装飾。全体にジェッソやモデリングぺーストを塗り水性アクリル塗料で塗装しています。
　最後にアフリカとはいえ街中ゆえにさまざまな掲示物があるはずなので、レシャップの選挙ポスターや反ザンクトガレン協定連合のテックインディの看板などを画像処理ソフトでサイズを合わせてプリントし、貼り付けてからフィルタ・リキッドのマルチホワイトで軽くフィルタリングすると褪色した風合いが出ます。ゴミ捨て場の古布などもティッシュを細かくちぎり水溶き木工ボンドで固定してからフィルタ・リキッドのシェードブルーやレイヤーバイオレットで着色すると透明感のある色彩が表現できます。
　サイズ的には25cm四方のディオラマですが、構成要素、情報量はかなり多くなっています。そんな時こそ冒頭のテーマをしっかりと決めておくことで、目線はしっかりと主役を追うことができるのではないでしょうか？　読者諸氏も参考にしてみてください。

ⒸPROJECT OBSOLETE