漸進 Gradual

2021.04.08

「漸新(Gradual)」【タミヤ 1/35】 月刊ホビージャパン2021年5月号(3月25日発売)

 昨年末、待望のキット化として話題となったタミヤの「Ⅳ戦車F型」。本誌では発売直後の2021年2月号にて青木周太郎によるキットレビューをお届けしたが、今回は山田卓司によるディテールアップ作例をディオラマとともにご覧いただこう。

▲ ベースサイズは縦約25cm×横約35cm×高さ約12.5cm。メインとなるⅣ号戦車はもちろん、歩兵から放棄されたスチュアートまで、すべてタミヤ製キットでまとめられているのも今回の見どころ
▲ 戦車兵はキット付属のものと「ドイツ国防軍 戦車兵セット」を組み合わせて使用。また、砲塔は左側のクラップを開状態に加工した

▲ 車載工具のクランプや蝶ネジはモデルカステンのプラパーツとPassion Modelsの3Dプリントパーツでディテールアップ。機銃およびフェンダースプリングはアドラーズネストの金属パーツに交換している

▲ 絶妙なバランスで配置された歩兵には「ドイツ歩兵セット(大戦中期)」を使用。緻密な造形と自然なポーズが見る者の想像力をかきたてる

▲ 放棄されたM3スチュアートはソ連軍へレンドリースされた車両という設定。こちらもフェンダーやライトガード等をPassion Modelsのエッチングパーツでディテールアップしている

▲ ゲスト的な存在ながら、こちらもⅣ号戦車に合わせた落ち着いたトーンで仕上げられており、単体でも充分に見ごたえがある

 Ⅲ号戦車じゃなくてティーガーでもなくて、やっぱりⅣ号戦車が好きだ、という人は私だけじゃないことがよく分かったタミヤの「ドイツⅣ号戦車F型」のニューキットリリース。私もひとつ作らせていただきました。このキットの白眉は履帯のガイドホーンの開口部が抜けているところ。車体下部や転輪などは既存のⅣ号戦車キットの流用ではありますが各部ディテールは、よりデリケートな表現の彫刻の入った新部品による更新が成されています。キューポラや砲身の下側に付くアンテナガードの組み立てなど、新時代に相応しい内容です。

■Ⅳ号戦車の製作

 いつもの何も足さない、引かない、ストレート組み作例ではなくて市場にあるパーツを組み込んだ、ディテールアップ版です。
 以前から使いたいと思いながら記事では新製品紹介が本題だったため、使えずにいたアドラーズネストの金属パーツ。「WWⅡ ドイツ軍Ⅳ号戦車系フェンダースプリングSet」「WWⅡ ドイツ軍MG34 同軸機銃用銃身」「WWⅡ 2m アンテナ」を投入。いずれも非常にこだわった製品で、使う側に工作精度を求められる緊張感がありますね。
 車載工具のクランプはすべてPassion Modelsの「WWⅡドイツ軍OVMクランプセット」のハンドル部分を使って置き換えました。ゲペックカステンの蓋やジャッキ台の固定クランプも同製品。
 車載工具に使う蝶ネジは最初モデルカステンのプラ成型品を使っていたのですが、途中でストックしている物を使いきってしまい吸気/排気グリルの蓋と予備履帯の止め金の分が足りなくなり、困っていたところにジャストタイミングでPassion Modelsの試作品の3Dプリンターによる蝶ネジセットの提供があり、喜んでこちらを使わせていただきました。レジン、エッチングパーツに続いて登場した第三世代のディテールパーツですね。キットパーツの彫刻を削り取ってシャフトの孔を開けてパーツを挿し込み、瞬間接着剤で固定しました。
 あと、間隔表示灯はアスカモデルの『WWⅡドイツ車輌ライトセット』下側の二つめを使って「公道走行時」の物に変更しました。市販品を使うばかりではなくて、前後の牽引用ホールドや冷却水排水口の蓋に付く鎖はストックしている物を付けています。補助エンジンマフラーにはプラパイプを熱して伸ばした物で排気口を付けました。
 後部牽引用ホールドのシャフトはプラ棒から自作。ホーンとノテックライト配線用被覆管もプラ棒で追加したり、砲塔正面のクラップの内、左側を開状態にしました。予備履帯と、完成後も目立つ履帯前後部分のみ履板両脇の小さな長穴を開口しています。ワイヤーロープはモデルカステンの「ソフトステンレスワイヤー」を使い、エンド部はキットパーツから削り出して円筒部分は真鍮パイプに替えています。

■ディオラマについて

 塗装は短砲身だとジャーマングレーが似合うのですが、近年判明した北アフリカ向けイエローブラウン塗装にチャレンジすることにしました。タミヤのラッカー塗料(LP-76)にカーキ(LP-73)を使用。

■塗装

 何か他の車両と組み合わせてみよう、と考えた末に「アメリカ軽戦車 M3スチュアート 後期型」をチョイス。ソ連にレンドリースされた車両としました。Passion Modelsのエッチングパーツでディテールアップしました。今回はオールタミヤで作ることにしたので「ドイツ国防軍 戦車兵セット」よりⅣ号戦車の無線手と操縦手を。「ドイツ歩兵セット(大戦中期)」も組み合わせて地上で行動している歩兵たちで構成しています。
 ディオラマにも市販品を使用。MARTIN WELBERGの「Wild Shrubbery WB-MO41」を使いました。これは300×210ミリサイズの台紙に草や薮が植えられている製品です。そのまま使用しても良かったのですが、表情が今回の作品イメージと違っていたので、カットしながら好みの植生へと変更しています。

タミヤ 1/35スケール プラスチックキット 
Ⅳ号戦車F型 ほか使用

漸進 Gradual

ディオラマ製作・文/山田卓司

1/35 ドイツⅣ号戦車F型
●発売元/タミヤ●4400円、発売中●1/35、約16.8cm●プラキット

1/35 アメリカ軽戦車 M3スチュアート 後期型
●発売元/タミヤ●3300円、発売中●1/35、約12.9cm●プラキット

1/35 ドイツ歩兵セット(大戦中期)
●発売元/タミヤ●1760円、発売中●1/35、約5cm●プラキット

1/35 ドイツ国防軍 戦車兵セット
●発売元/タミヤ●1540円、発売中●1/35、約5cm●プラキット

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山田卓司(ヤマダタクジ)

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