冒頭をWEBで試し読み!「勇気爆発バーンブレイバーン 未来戦士ルル」 エピソード4【公式外伝小説】
2024.08.01勇気爆発バーンブレイバーン 未来戦士ルル 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)
TVアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』の劇中10話で語られた、過去へと向かう方法を不器用ながらも探すことになったルルとスペルビア。このふたりが絆を深め成長していくことになった、知られざる「数年間」は本編では惜しくも語られることはなかった。本外伝ではこのふたりの『もう1つの物語』を描いていく。
原作/Cygames
ストーリー/横山いつき
ストーリー監修/小柳啓伍
協力/CygamesPictures、グッドスマイルカンパニー
イラスト/かも仮面
スペルビア製作/コジマ大隊長
エピソード1はコチラ
episode 4
――日本:種子島:大崎海岸より5km東の海域:コンステレーション:戦闘情報センター――
現在地球外生命体対策機構は戦闘態勢にある。種子島への到着を目前にして衛星軌道上のデスドライヴズ超大型母艦から射出された分離母艦である塔の迎撃にあたることになったのだ。
塔は〈コンステレーション〉の現在地である大崎海岸沖より西3km、南に12kmの竹崎海岸近くの海上に落下した。スペルビアが破壊に成功するも、内部から〈デスドライヴズ〉ヴァニタスが現出する。さらに時をおかずして、2つ目の塔が飛来してきた。
現在リュウジ・サタケはCICでモニターに映る2つ目の塔の落下予測地点を確認している。
2つ目の塔が落下するのはここから7kmほど南西にある竹崎射場近くの海域だ。恐らく迫りくる塔にも〈デスドライヴズ〉が潜んでいるのは間違いないだろう。
しかしそんなサタケの予想は意外な形で裏切られる。
モニターしていた2つ目の塔が、突如爆発したのだ。
「塔が……爆発しただと?」
破壊された塔の残骸が海へと沈んでいく光景を見ながら、サタケは呆然と呟いた。
1つ目の塔が破壊された時と違い〈デスドライヴズ〉が現れる予兆もなく、まるで状況がつかめない。
『コンステレーション、こちらトールハンマー! 応答せよ!』
そんな時、E-8 J-STARSからコンステレーションにホノカから通信が入った。聞こえてくるクリアな音声に、通信障害が解消されたことがわかる。
「トールハンマー、こちらコンステレーション。感明よし。飛来中だった2つ目の塔が爆発した。マスラオ1や周辺の状況はどうなっている?」
『現在マスラオ1は塔から現出したヴァニタス型の〈デスドライヴズ〉と交戦中。……!? 突如新たな〈デスドライヴズ〉が現出! 恐らくクーヌスだと思われます!』
「……了解。どのあたりだ?」
『竹崎海岸沖にて、マスラオ1とヴィニタス型が交戦していた付近です。データリンクで詳細な現出位置を表示します』
すぐにサタケ機のレーダーにクーヌスの現出位置が表示される。確かにヴァニタスの現出位置のすぐ近くだ。
想定を上回る状況に驚きを覚えながらも、サタケは現状を冷静に分析していた。
クーヌスは時空を操る力を持つ〈デスドライヴズ〉。2つ目の塔が爆発した原因は不明だが、内部から転移の力を使った際なんらかの影響を及ぼしたのかもしれない。あるいははじめから塔を放棄するつもりだったという可能性もある。
「クーヌス型は現在、マスラオ1と交戦中か?」
『いえ、ブルズアイより方位1-9-0、距離7マイル、高度1000フィート、対地速度0、空中で静止しています』
「了解。状況が動き次第、すぐに報告してくれ」
『了解!』
ホノカとの通信を終えると、サタケはすぐに各所の状況を確認し、TS部隊へ指示を出していく。
〈オニオウ〉には引き続き打ち上げ施設の防衛を、〈カタンナーバ〉には打ち上げ施設と艦隊の間に防衛ラインを形成し迎撃準備を命じた。あとは新たに現れたクーヌス型の〈デスドライヴズ〉への対処だけだ。
まだクーヌスが動き出していないとはいえ、いくらスペルビアといえど2体の〈デスドライヴズ〉を同時に相手にすることは難しいだろう。ならば、1体はELCOの戦力で対応する必要がある。 現状を打破する方法は恐らく一つだけ。しかも確実とは言えないものだ。
サタケは許可を得るために司令官であるキングへと通信を繋ぐ――240mm電磁加速砲〈ブレイブカノン〉の実戦投入を具申するために。
―― 日本:種子島:竹崎海岸南東端より南2km地点――
塔の残骸が浮かぶ海上から20mほど上空でヴァニタスを模した〈デスドライヴズ〉とスペルビアは相対していた。
「このデスドライヴズ、ブレイバーンがやっつけたやつ!」
『そうだ。奴はヴァニタスと同じ姿をしておる。彼奴を模しているならば遠間からの攻撃に長けているはず。しかし距離を詰めれば敵ではあるまい』
「だったら、全速力!」
『ふむ、心得ているな。一気に駆けるぞ!』
ルルとスペルビアの意志が重なり、スペルビアはヴァニタスに向かい急加速していく
それに反応するように、ヴァニタスの巨体はゆっくりと宙へと浮かび上がっていった。
『――――ァ――――』
ヴァニタスから放たれた呻くような重低音が空気を震わせる。
次の瞬間、準備は終わったとばかりにヴァニタスは複数の遠隔ユニットから同時に光線を放った。 その光線は網状に拡散し、スペルビアへ光の雨となって降り注ぐ。これはスペルビアに当てることを目的とした攻撃だ。前回までの攻撃方法が線なら、今回は面。たとえ威力が小さくても、回避は難しくなる。
『おのれ姑息な! 紛い物の分際で彼奴の煌めきを真似ようというか!』
「スペルビア、ヴァニタスに詳しい」
光線に紛れて飛行するヴァニタスの遠隔ユニットから放たれた追撃を避けながら、スペルビアは距離を詰めていく。
『――ァ――――ァ――』
「ヴァニタス、なに言ってる!?」
『紛い物の言葉など、我にもわからぬ!!』
スペルビアは遠距離から〈デスドライヴズ〉を一撃で倒せる威力のある攻撃を持たない。ゆえに、確実に当てられる距離まで接近する必要があるのだ。
『ぬ!』
スペルビアの進行方向に、ヴァニタスの遠隔ユニットが数機、展開されたまま静止していた。引き続き光線を放ってくるユニットもあるが、明らかに不自然な挙動を見せている。
「スペルビア! ヴァニタス、逃げる!」
『待て、ルルよ。あれは……』
ヴァニタスの思惑を思案するスペルビアをよそに、ルルはスペルビアをより加速させていく。
接近することで光線による攻撃は確かに少なくなっていく。だが――
『これは!?』
つづきは「月刊ホビージャパン 2024年9月号」にてお楽しみください
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