HOME記事キャラクターモデル『THE ビッグオー』水性塗料の筆塗りで鋳造表現!主役の“黒いメガデウス”を重量感のある仕上がりに!【MODEROID】

『THE ビッグオー』水性塗料の筆塗りで鋳造表現!主役の“黒いメガデウス”を重量感のある仕上がりに!【MODEROID】

2023.04.28

ビッグオー【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

“黒いメガデウス”を鋳造表現で魅せる!

「ビッグオー、ショータイム!」
 1999年放送のアニメ『THEビッグオー』より、主役の「黒いメガデウス」ことビッグオーが満を持してMODEROID化。末端肥大な特徴あるボディを忠実に再現しているほか、豊富なオプションパーツや発光ユニットの搭載で「遊べる」プラキットとなっている。作例は溶きパテによる鋳造表現+筆塗り仕上げで、重量感のある質感に仕上げている。

▲記憶を失った街パラダイム・シティを守るメガデウスの一体で、凄腕ネゴシエイターのロジャー・スミスを操縦者とする謎多きロボット。強力無比な戦闘能力を有しており、全身に銃火器と光学兵器を内蔵。格闘戦でも重い一撃で敵を圧倒する。今回のMODEROID版の全長は23cmとなかなかのボリューム。設定全高は約30mなので、乱暴に計算するとおよそ1/130縮小のようだ
▲塗装済みのフェイスパーツは非常に精悍で設定画に激似。頭部クリスタルもエッジの立った造形かつシャープと申し分のないクオリティだ
▲襟パーツがスライド。内部のコクピットを覗くことができる

サドン・インパクト

▲腕のシリンダー(ストライク・パイル)を打ち込み、強力な衝撃波で敵を粉砕する主兵装。キットはヒジのシリンダーが伸縮。股関節も引き出せるので、ダイナミックなポーズで発動シークエンスを再現することができる

アーク・ライン

▲両目から放つビームで、放つ際は独特の構えを取ることが多かった。製品は目の部分がクリアーパーツ製となっており、付属の発光ユニット(別売のLR41電池x3が必要)を首に埋め込むことで実際に目を光らせることができる

キャノン・パーティ/ミサイル・パーティ

▲両胸に内蔵された強力な火砲「キャノン・パーティ」と、腹部に格納されている多連装ミサイル「ミサイル・パーティ」。キャノン~は肩周りの装甲を跳ね上げることで砲身基部が露出、そこに差し替えの砲身パーツを被せる方式で、ミサイル~は腹部前面パネルごと差し替えで再現。腹部はミサイルハッチ展開時/非展開時のどちらも塗装済で、複雑なカラーリングが丁寧に再現されているのがうれしい

クロム・バスター

▲頭部クリスタルから照射される強力なビーム兵器。両拳を突き合わせるポーズを取ってから放つのがポピュラーなスタイル
▲ギュッと握った拳と、平手パーツが左右ぶん付属。ゴツく荒々しい指の造形を的確に捉えている
▲つま先のハッチが開閉、ロジャーの愛車・グリフォンを収納することができる。グリフォンは非常に小粒ながら小気味いい造形をしているので、丁寧に塗り分けてあげるとより引き立つだろう
▲胸と首の間に隙間ができるので、胸部側に約1.5mmプラ板を貼り足して隙間埋め。また、金色の胸パーツ中央部の内側にメッシュを貼ってディテールアップ。首周りのリベットは大型化するためにすべて削り落として市販パーツに交換。首元の凹んだディテールの位置もドリルで調整した
▲肩装甲は好みで大きく手を入れた部分。肩のボリュームを出すためにプラ板貼り足しで約5mm延長、フチのリブはウェーブの半円プラ棒で再生した
▲前腕の装甲のフチに隙間ができるので、エポパテを詰めて厚みを出した
▲キットの拳はよくできているが、成型の都合で省略されている部分もあるので一度指の間を開口し、エポパテで整形した
▲筆による溶きパテの叩きつけで、荒々しい鋳造肌を表現した
▲スネパーツの裾にエポパテを盛り、厚みをつけた
▲足甲のボルト状ディテールは一体成型の都合でやや歪んだ形状になっていたので、市販パーツに置き換えた
▲腰のリベットを大型化するためすべて削り落とし、市販パーツに置換した
▲素組みと並べて。シルバーやジャーマングレー/グラウなど数色をランダムなタッチで塗り重ね、古めかしい鉄のような重厚感を表現している

塗装でこだわるビッグオーの質感表現

Text/清水圭

1/下地にファレホ ダークグレーを筆で塗り、上から調色した水性ホビーカラーを塗り重ねる
2/下地のみと塗り重ねの比較。左が重ね塗り後。ジャーマングレー/グラウ主体の混色した暗い灰青を重ねることで色に深みが出た
3/次は全体にファレホ シルバーでタッチを入れていく。シリンダー以外にもアクセントで全身に入れた
4/シルバー有/無の比較。右がシルバーを入れた後
5/全体を馴染ませるためにMr.ウェザリングカラー シェードリキッド、同シェードブルーでウォッシング
6/ウォッシング前後の比較。右がウォッシング後。シルバーのツヤが一段階落ち着き、適度にくすんだ
7/全体にタミヤエナメル ダークグレイでスポンジチッピング。装甲のフチやエッジなどをメインに入れていく
8/チッピング前後の比較

 MODEROIDから登場のビッグオー、期待通り迫力のプラキットです。アークライン再現用LEDユニットも付属という心憎い配慮もあり、説明書を読む段階から気分が盛り上がります。

■工作
 ビッグオーの立体物はいくつか発売されていますが、中でも個人的にカッコよかったのがMAX合金のビッグオー。こちらのイカしたポイントを取り込みつつ、さらにカッコいいビッグオーを目指します。
 まず、上半身のラインがキットでは割とスマートなので、肩幅を増して少しマッシブに調整します。また、胸正面パーツとクリアーパーツの間に隙間ができるようなので、胸パーツ上部をプラ板で1.5mmほど延長して解消しています。前腕装甲はよりぶ厚い装甲感を出すため、パーツのフチをエポパテで埋めました。同様の理由でスネパーツの裾もエポパテで厚みを出しています。
 MAX合金はパーツ表面に施された鋳造表現が非常にかっこよかったので、リスペクトで溶きパテで再現しました。パーツごとに、またモビーディックアンカー部分を避けるなど、全体のメリハリを意識して入れていきます。
 ほか、一部リベットの置き換え、足甲ボルトの別パーツ化、胸パーツ内部のメッシュ置き換え、拳パーツ一体成型部分の開口、整形などを行っています。

■塗装
「黒いメガデウス」と言われるくらいですから基本は黒。そこに色味を重ねていきました。基本、筆塗りです。流れとしては、基本色1→基本色2→金属表現→ウォッシング1→チッピング→ウォッシング2 という流れで作業を行いました。各パートでの使用色は以下のようになります。
基本色1
・黒=ファレホ ダークグレー
・赤=ファレホ ダークバーミリオン
・金=ファレホ ブラス
・銀=ファレホメカ ダークスチール
基本色2
・黒=水性ホビーカラー ジャーマングレー/グラウ50%+パープル30%+ホワイト20%
・赤=水性ホビーカラー サーモンピンク
・金=ファレホ ゴールド
・銀=ファレホ シルバー
金属表現
・黒=ファレホメカ スチール
ウォッシング1
・黒=Mr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッド シェードブルー
チッピング
・タミヤエナメル ダークグレイ
ウォッシング2
・タミヤスミ入れ塗料 ダークブラウン
 最後にウォッシングを拭き取って完成です。クリアーパーツは裏からMr.カラー クリアゴールドを吹いてアクセントとしました。

グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット “MODEROID”

ビッグオー

製作・文/清水圭

MODEROID ビッグオー
●発売元/グッドスマイルカンパニー●8900円、発売中●約23cm●プラキット

ⓒサンライズ

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清水圭(シミズケイ)

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