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【魔神英雄伝ワタル2】HG龍星丸を重厚感のある金属色、懐かしいプロポーションに調整する

2023.04.24

龍星丸【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

プロポーションの小調整で懐かしの低頭身に!

 TVアニメ『魔神英雄伝ワタル2』(1990)の後半主役魔神・龍星丸がHGブランドから新規プラキット化! 最大の特徴である飛龍形態への変形を盛り込んでいるほか、引き出し関節により「おもしろかっこいい」アクションもバッチリキマるなど、最新キットらしいプレイバリューを備えているぞ。作例は『ワタル』直撃世代の朱凰@カワグチが製作。重厚な輝きを放つ金塗装の質感にこだわり抜くとともに、変形や可動などのギミックはそのままに、股関節の位置などを微調整し、より懐かしいプロポーションにしてみた。

▲龍星丸は、伝説の剣・光龍剣を手にした龍神丸がパワーアップした形態。のちに真の姿「飛龍」への変形を会得した
▲肩の龍の紋様はパーツ成型色で色分け。シャープかつ隙間なくピタッと合わさるのは高度なパーツ成型技術のたまものだ。作例は紋様の部分をスターブライトシャンパンゴールドでギラッと輝くように塗装
▲工作途中状態。後述する股関節の軸位置を上げる調整や、ギュッと握ったハンドパーツの自作により、できるだけアニメのスタイルに近づくように志向している
▲肩アーマーの合わせ目を消すため、アーマー側の軸受け部をC字に切り欠き、肩アーマーと肩とを後ハメ加工。また爪(肩と腕)は削り込みでシャープ化。肩関節付け根は軸が目立つので、ウェーブのU・バーニアの底面を開口したものを被せ、瞬間クリアパテで斜めにならしている。握った拳はパテで自作した
▲かかとの裏の肉抜きをプラ材で埋めた
▲素組み(左)と比較。全高が下がり、よりちんまりとしたカンジになった。各部の爪や頭部のエッジなどは削り込みでシャープに加工している
▲光龍剣はグリップパーツを一部切り欠き、刀身部に後ハメできるようにしている
▲股関節はモデラーの好みで設定画の印象に近づけるべく、足の付け根軸をいったん切り離し、約3mm斜め上後方に再接続。しかし、飛龍形態時に太モモの上部と肩の後ろが干渉するようになってしまうので、肩アーマー側の縁を裏打ちしつつ、現物合わせで削り込んだ
▲股関節の位置を調整したことで、脚部が肩付け根のすぐ下に来るようにしているのが作例のポイント
▲頭部は角の先端や肉厚に見える箇所を削り込みシャープに。アゴも削り込んで若干小顔化している。太モモとふくらはぎの真ん中に出る合わせ目は、ヒザ関節の軸受けをC字に切り欠き、後ハメ加工を施せば合わせ目処理と塗装がしやすい
▲肩幅が広く、腕が短い独特の体形ながら、肩の引き出し式の可動関節の恩恵により付属の光龍剣を両手で構えることができる。「必殺、光龍剣!」
▲胴体部は、内部パーツと腰を後ハメできるよう加工してから合わせ目処理。胸の赤いパーツは後ハメが困難だったのでマスキングで塗り分けた。首の関節や背部スイングアームなどの肉抜きもプラ材で埋めている
▲飛龍形態時に尾となる背部パーツは、裏側のディテールがあっさりしているのでプラ板を貼ってフタをした
▲背部パーツの推進器状のディテールは、ジャンクパーツでディテールアップした
▲「変化飛龍!」のかけ声で龍星丸が変化した飛龍形態も、爪などをパーツ差し替えで再現可能。飛龍の瞳もクリアーパーツで色分けされているのがうれしい

■はじめに
『魔神英雄伝ワタル2』の後半主役機・龍星丸が令和の時代にHGキット化される…。個人的には完全の想定の外からの発表でして、まさに晴天の霹靂でした。そんなおもしろかっこいいキット作例を今回担当したワケですが、製品は可動域がとても広く、肩の引き出し関節により光龍剣の両手持ちも可能。加えてヒザ関節が曲がるだけでなく、ヒザアーマーの独立可動も新たに考案され、飛龍形態へ可変した際のバランスにも一役買っています。首も2重関節化に加えて可変時に胴体内へ納められるように根本がスライド機構となっていたりと、考え抜かれた設計でした。
 また色分けも徹底再現されており、特に目の周りの黒いクマドリもマスクとの隙間の空間を使いつつ、カラフルに表現されています。肩の龍マークはもとより、可変時に見える飛龍の首根本内側までしっかり別パーツ化されており、そのまま組んだだけでも充分満足度の高い好キットでした。

■製作
 個人的に『ワタル』という作品が好きすぎることもあり、設定画に寄せるべく全体がギュっと詰まるように好みで調整させていただきました。
 大きく手を入れたところとしては、足の付け根軸をいったん切り離して上後方に再接続しています。これだけで全体のバランスがガラッと変わります! あとは全体にメリハリを付けるべく、エッジを立てる箇所と落とす箇所で調整。首や尻尾の可動軸にある肉抜き穴も埋め、尻尾裏側もプラ板で塞いでいます。肩や胴体、スネ裏側等の合わせ目も後ハメ加工をしてから埋めました。

■塗装
 金色は4層重ねで暗く沈まないような色味に。赤も金色の上からGXクリアルージュを重ねて鮮やかさを出しました。ツヤ感は設定画やアニメ作画を踏襲し、金色、赤、角や爪を光沢に、その他頭部、腕部、脚部の白を半ツヤにしています。
金1層目=黒サフ
金2層目=イエロー+Ex-ホワイト+プレミアムガラスパール+ムーンストーンパール+トパーズゴールド
金3層目=イエロー+キャラクターイエロー+GXクリアゴールド+スターブライトゴールド+トパーズゴールド
金4層目=GXクリアゴールド+パールゴールド
赤=金の上からGXクリアルージュ
黒=ミッドナイトブルー
白=Ex-ホワイト+ニュートラルグレー1+プレミアムガラスパール
肩の紋章=下地立ち上げなし→スターブライトシャンパンゴールド
 以上です。正直、そのままストレートに作っても良かったなぁと思える良キットだったので、『ワタル』ファンはぜひ作ってみてくださいね。

BANDAI SPIRITS プラスチックキット “ハイグレード”

龍星丸

製作・文/朱凰@カワグチ

HG 龍星丸
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4400円、2次受注中、4月〜発送予定●約12cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

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ⓒ サンライズ・R

朱凰@カワグチ(スオウ@カワグチ)

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