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素材は箱の中身だけ!『水星の魔女』HG ガンダムエアリアルをセイラマスオが理想のプロポーションに変更!

2023.02.24

『水星の魔女』プラモデルを楽しもう① 素材は箱の中身だけ! プロポーション変更&ハイディテール化 月刊ホビージャパン2023年3月号(1月25日発売)

素材は箱の中身だけ!『水星の魔女』HG ガンダムエアリアルをセイラマスオが理想のプロポーションに変更!

 作例によくあるプロポーション調整やディテール追加。プラ板やパテ類、市販パーツなどを駆使することが大半ですが、そういったものを買ってまで行うのは敷居が高いな…、と感じる人も多いかと思います。ここでは(工具は別として)素材を「箱の中身だけ」にして、HGガンダムエアリアルをセイラマスオがさまざまなテクニックで改修します。自分の理想を追求してキットに手を入れられるのも模型の魅力。ぜひ参考にしてみてください。

▲素組みが左、加工後が右です。パーツカットによる短縮、ランナーを素材にしたディテールアップなどにより、逆三角形体型のキットからセイラ氏好みのがっしりした体型に変更。情報量も大幅に増えています。別売りの素材をまったく使わずともここまでイメージを変えることができるのです。またパーツと同じ色のランナーが素材なので、パテなどを使用した場合に必須の塗装も不要です


パーツの切り欠きで肩幅調整

▲上半身全体を引き締めて小さく見せます。まず肩幅から詰めてみましょう。肩基部パーツの丸で囲んだ箇所を切り欠きます。これで基部パーツの位置が変わり、腕の位置も変わります

▲素組みと比べると、腕が付く穴の位置が上がり、前に出ているのが分かります

▲腕を取り付けて比べると、加工後(左)のほうが首と肩の幅が狭まっています。切り欠くだけでもプロポーション変更はできますが、作例は基部パーツ下と後ろにランナーから切ったプラ板を貼り補強。若干可動範囲が狭まりますがしっかり固定されます

ほか上半身の調整

▲胸部全体の小型化のため脇の下あたりをプラの肉厚の範囲内で削り込みます。万が一、穴が空いたら同色ランナーのプラ板でフタをしましょう

▲首を短縮します。外装の段差部分からフレームごと切断し、切断面を削り込んで短くしてから再接着します。補強にグレーランナーのプラ板を貼り足すとよいです

▲胴体の加工が終わった状態。頭部、腕部がぎゅっと集まり、肩もいかり肩となって、力を込めているような印象になりました

▲目つきを鋭くするため、目自体は触れずにマスクのクマドリ(画像の〇部分)にランナーから切り出したプラ板を貼り、見える部分を少なくしました

脚部のボリュームアップ

▲スネを大型化したいのですが外装を加工するのは大変なので、フレームを幅増しします。同色ランナーから切り出したプラ板を貼り付け、そのまま外装を装着するだけです

▲同じ色のランナーで太らせているので、外装の隙間から見えてもフレームのディテールに見えるのでお手軽です。ふくらはぎの外装の隙間はプラ板で後から塞ぎました

マスオディテール追加

▲ランナーを板状に削り、キットパーツと同色のプラ板を作ります。これを切り出して凸ディテールを追加していくのです。削りを調整して複数の厚みを用意するとさらにメリハリが出ます
▲スジ彫りはマイナスドライバーを削ったノミで彫ります。真っすぐな刃をグッと押し付けることで簡単に直線が彫れます。これも刃幅を複数種用意しています

▲鉛筆でモールドを下書きしてからプラ板貼りとスジ彫りを行います。ランナーやノミの幅に合わせた下書きをするのがコツ。自然とカクカクしたモールドになりメカニカルなイメージに仕上がります

▲腰部フロントアーマーはフチにプラ板を貼り足してシルエットを変えてみました。また肩アーマーなどの曲面部分も、ノミを押し付けて彫ればしっかり直線が出せます

▲靴裏は靴全体の大型化のためグレーのプラ板を貼り足しています。面積の広い太モモはディテールアップの要所ですね。ノミだけでなくピンバイスで穴も彫っています

完成!

▲加工にパーツと同色の素材を使っているので塗装せずとも体裁は充分取れていますが、作例はさらに赤と青部分を塗装し、デカールを貼って仕上げています。塗り分けも追加することでより情報量を追加。別売りの素材を使わずともここまでイメージを変えられるのです
▲肩基部を固定していますが、ポージングに大きく支障は出ていません。昨今のガンプラは色分けや可動のために分割箇所も多く、切削やランナープラ板の貼り足しなどで細かくプロポーション調整が可能です
▲本体だけでなく武器類もディテールアップ。ビームライフルは基本成型色ですが、グレーを2色部分的に塗り足して精密感を加えています
▲素組み(左)との比較。変化が一目瞭然かと思います。自分の好みのプロポーションやディテールはどんなものか、それをどうしたら実現できるか、などは場数を踏む必要がありますが、キットを組んで「ちょっと気になるな」と思った箇所から手を入れてみてはいかがでしょうか

■最初はやっぱり主役から!
 やっと『機動戦士ガンダム 水星の魔女』作例デビューとなりました、セイラマスオです。今回は主人公機のガンダム・エアリアル! 下手なアレンジはなしで、エアリアルと真正面から向き合ってみたいと思います。

■そんなに手は入れてません!
 後発の作例となるので、わりと思い切って自分好みのプロポーションに改修していきたいと思います。
 まずは独特なバランスの上半身をシェイプ。胴体の肩基部パーツをあちこち切り欠いて強引に位置変更し、肩幅を狭めていかり肩なシルエットに変更。脇下を削り込み、首も少し短縮しました。
 あとはスネの内部フレームにランナーを貼り足し、お手軽に太く変更してガッシリした脚部に。さらに首を短縮したつじつま合わせに、靴裏にプラ板を貼って底上げ&大型化しました。
 プロポーション変更後、プラ板とスジ彫りでディテールを追加して完了です。

■人気キットには理由がある!
 今回は製作の期間がかなりタイトだったこともあり(笑)、色も含めてあまり手は入れませんでした。白とグレー、黄色は成型色です。しかし精度の高いキットの素性のおかげで、お手軽ながらカッコよく仕上がったと思います。さすがは最新の人気キットですね!

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード” ガンダムエアリアル 使用

XVX-016 ガンダム・エアリアル

製作・解説/セイラマスオ

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Ⓒ創通・サンライズ・MBS

セイラマスオ

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