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「RGガオガイガー」を使用した「スターガオガイガー」作例!スクラッチモデラーの絶技をご覧あれ

2023.02.19

スターガオガイガー【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2023年3月号(1月25日発売)

「RGガオガイガー」を使用した「スターガオガイガー」作例!スクラッチモデラーの絶技をご覧あれ

 今回の作例は、BANDAI SPIRITS製「RGガオガイガー」をベースとした「スターガオガイガー」。ウルテクエンジンを搭載したステルスガオーIIと合体した宇宙仕様のガオガイガーである。工作のメインとなるのはもちろんステルスガオーからステルスガオーIIへの改造で、ブロウクンファントムやプロテクトウォール用パーツも製作。さらに同じく宇宙空間用装備であるガトリングドライバーも再現し、隙のない仕上がりになっている。月刊ホビージャパンを代表するスクラッチモデラー、田中康貴の絶技をとくとご覧いただきたい。

▲宇宙での戦闘に合わせてステルスガオーにウルテクエンジンを搭載したステルスガオーIIを含む3機のガオーマシンとファイナルフュージョンした「スターガオガイガー」。大幅な出力アップだけでなく、両端のポッドに装備されたファントムリングによって、ブロウクンマグナムやプロテクトシェードといったガオガイガーの基本攻撃もパワーアップしている

▲ヘルメットがやや浮いている印象だったので、ヘルメット内部、ガイガーのトサカを削りつつ、ヘルメット内のガイガーのトサカが収納される部分にプラ棒を貼ってやや前傾してかぶるようにすることで、ヘルメットを目深にかぶっているように見せている

▲頭部飾りとギャレオンのタテガミは先端にランナータグを貼り足してから削り込み、シャープ化した

▲腹部は下側にプラ板を貼って2mm延長。フロントアーマーは接続ピンをボールジョイントに交換し可動範囲を拡大。上側の赤いパーツは1mmプラ板を貼って大型化し、目立つようにしている
▲ライナーガオー内部の空間を埋めるパーツをプラ板と市販パーツの組み合わせで製作。ヒジ関節がやや寂しい印象だったので、設定画を参考にプラ板とジャンクパーツでボリュームアップした
▲ライナーガオー先頭車両下部はキットでは車輪部を引き出す仕様だが、今回は合体・変形をオミットして製作しているので、設定画に合わせたカバーパーツをプラ板で製作。両サイドの隙間からカバーが降りてきて、ハッチのように閉じて車輪部を覆い隠すというイメージ
▲ステルスガオーIIと合体すると横幅が大きくなることで、上下方向に縮んだように見えてしまうので、ヒザ関節のロックパーツを裏返して取り付けることで若干脚を長く見せている。ロックパーツはそのままでは取り付けられないので、干渉部を削り落として使用した。ドリルガオー用の内側の接続ピンは削り落としてフラットに整形している
▲靴裏の空間はプラ板でカバーパーツを製作してふさいだ
▲作例は変形・合体はオミットしているが、ステルスガオーIIのみ再現できるように製作している

▲本体はキットベースで、胴体上部の形状が異なる部分を削り落としてからプラ板で形状を再現。機首下側はエポパテを盛って整形している

▲ウルテクエンジンは通常時と稼働時の2種を製作。磁石接続にすることで差し替え可能としている
▲ウルテクエンジンの製作は、軽量化のためにまずは直径30mmのアクリル棒に0.5mmのプラ板を巻き付けて円柱を作り、上からエポパテを盛ってアールが付くように整形。0.3mmのプラ板を貼ってさらに細かなディテールを再現。ある程度表面を整えてからアクリル棒を抜くと空洞に仕上がっている。ファントムリングは同様のことを塗料ビンのフタを芯にして行っている
▲側面にある六角形の凹モールドはプラ板の箱組みで作ったものをレジンで複製して埋め込んでいる。スラスターはプラ板とプラパイプ、エポパテで作ったものを複製して再現した
▲ウイングとの接続部はボールジョイントを仕込んで箱組みしたプラ板を埋め込んで作っている
▲エンジンポッド後端中心部の形状は、ミニ四駆のギアを複製して利用している
▲エンジンポッド内部はプラ板とプラ棒、市販パーツの組み合わせでそれらしく製作。先端部の歯車形状は1mm幅のプラ棒を貼ったものを複製して左右をそろえている
▲エンジンポッドカバーパーツは円錐部分をエポパテで空洞に作り、側面をプラ板の箱組みで製作。これをレジンと透明エポキシ樹脂で複製して通常状態と稼働状態を再現した
▲ブロウクンファントムのエフェクトパーツは、クリアーピンクの下敷きをコンロで炙って曲げたあと、削り込みや切り欠きでそれらしい形状にしている。回転時のファントムリングはアクリル製の小皿をくりぬいたものを使用
▲プロテクトウォールのエフェクトパーツは丸く切り出した透明プラ板を蛍光オレンジで塗装したもの。ファントムリングはプロテクトウォール用に複製したものを使用

▲ガトリングドライバーは、ディバイディングドライバーを芯にヘッド部分をエポパテとプラ板の箱組みで製作。基部は3mmのプラパイプを使用し、ブレードは1mmのアルミ線接続で可動式にしている

■迫力がスゴイ!
 RGガオガイガーを使用してスターガオガイガーを製作させていただきました。資料として設定イラストや超合金魂の画像を参考にしましたが、とにかく左右のウルテクエンジンが圧倒的な存在感を放っていてカッコいいです! RGキットとの違いはステルスガオーIIとガトリングドライバーですが本体にも少し手を加えてみました。

■ガオガイガー
 頭部はヘルメットの庇からガイガーの額が見えてしまうので、削り込みや装着角度の変更で目立たなくしています。腕部はヒジ関節が少し寂しい感じがしたので設定画を参考にプラ板とジャンクパーツでボリュームアップし、ライナーガオー内部の空洞を埋めるパーツも製作しました。また設定画の雰囲気に近づけるため、車輪を隠すカバーも追加しました。キット自体のプロポーションとして腹部〜ヒザあたりが少し窮屈に思えたのと、ウルテクエンジンでかなり横幅が出るため、腹部下側のパーツにプラ板を貼って2mm高くし、ヒザ関節のロックパーツも裏返して取り付けることで脚が長く見えるようにしてバランスを調整しました。

■ステルスガオーII
 胴体はステルスガオーの上部を削り落としプラ板で作り直しています。ウルテクエンジンは軽量化のため、まずアクリル棒に0.5mmのプラ板を巻き付け、上からエポパテを盛って整形。さらにスジ彫りしやすいよう細かく切った0.3mmのプラ板を全体に貼っています。ある程度表面を整えてからアクリル棒を抜くと中空の形状ができ上がるので、そこから細部を詰めていきます。ファントムリングは同様のことを塗料ビンのフタを芯に行いました。スラスターはプラ板とプラパイプ、エポパテで作ったもので、中心形状はミニ四駆のギアを利用して複製しました。下部カバーパーツは交換式で、円錐部分をエポパテで空洞に作り、側面はプラ板の箱組みで作っています。これを原型としてそれぞれレジンと透明エポキシ樹脂で複製して組み合わせています。内部はプラ板とプラ棒、市販パーツの組み合わせでクリアーパーツ側に接着してあります。

■塗装
白=クールホワイト+イエロー+ブラック
黒=ブラック+ニュートラルグレー+ブルー
赤=レッド
金(明)=GXメタルイエロー+クリアーイエロー
金(暗)=金(明)+GXブルーゴールド+クリアーレッド+クールホワイト
ライトブルー=RLM76ライトブルー+ブルー+クールホワイト
関節グレー=サーフェイサー1500(ブラック+ホワイト)+ブルー
ウルテクエンジンカバー=クリアーグリーン+クリアーブルー
 塗装後、エナメル塗料でスミ入れとキット付属のマーキングシールを貼り、金色とクリアーパーツ以外の部分にややツヤ消し気味に調整したクリアーを吹いて完成です。

動画はこちら

BANDAI SPIRITS ノンスケール プラスチックキット “リアルグレード”ガオガイガー 改造

スターガオガイガー

製作・文/田中康貴

RGガオガイガー
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●6600円、2022年9月発売●約16cm●プラキット

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ⓒサンライズ

田中康貴(タナカヤスタカ)

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