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いまさら聞けない傑作汎用ヘリUH-1のこと!ハセガワの「UH-1 H イロコイ」を組みながら知ってみよう【いまさら聞けないすごいヤツ】

2026.07.16

いまさら聞けないすごいヤツ!!/UH-1 H/J ヘリコプター●宮永忠将、大森記詩 月刊ホビージャパン2026年8月号(6月25日発売)

UH-1 H/J ヘリコプター

イラスト/大森記詩

 「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもはずかしいなぁ……」なんて思ってしまう有名な飛行機や戦車、車などのモチーフをサクッと読める解説とイラスト、オススメのプラモとともにご紹介する本連載。今回は史上もっとも成功したヘリとも言える「UH-1」をご紹介。陸上自衛隊でもUH-1 Jが活躍中です。


UH-1J

全幅/3.97m
全長/17.44m

巡航速度/216km/h
航続距離/約370km


UH-1 H 霞ヶ浦航空学校

UH-1 H 霞ヶ浦航空学校 側面
UH-1 H 霞ヶ浦航空学校 メインローター
UH-1 H 霞ヶ浦航空学校 上面
UH-1 H 霞ヶ浦航空学校 比較

ローレンス・ベル(1894-1956)


 スタントパイロットだった兄グローバーのメカニックとして、十代のうちから航空業界に携わったローレンス・ベルは、なんと20歳で現場の技術だけでなく、営業および管理能力まで認められて、グレン・L・マーチン社の工場長に抜擢された。そして1935年に41歳でベル・エアクラフトを創業。最初は戦闘機開発が社業であったが、第二次大戦中にヘリコプターの将来性を見抜き、天才技術者アーサー・ヤングを招聘して開発を本格化させた。朝鮮戦争には自社開発の「ベル47」を陸軍に大量供給して、負傷兵後送に貢献した。この成果がUH-1イロコイの開発と導入に繋がったのである。しかし、ローレンスは1956年に死去したために、UH-1の成功を見届けられなかった。


UH-1J 汎用ヘリコプター

解説/宮永忠将

UH-1 J 北部方面隊 第7師団 第7飛行隊 北海道 丘珠駐屯地

UH-1 J 北部方面隊 第7師団 第7飛行隊 北海道 丘珠駐屯地 乗員イメージ

 傑作汎用ヘリUH-1誕生 

 ヘリコプターの開発は、第二次世界大戦中から各国が着手していたが、アメリカで本格化したのは朝鮮戦争直後の1950年代半ば。戦場から負傷兵を迅速に運び出し、かつ前線での酷使に耐え、垂直離着陸が可能な軽輸送機という役割に期待したのである。当時、ヘリコプター開発ではベル、シコルスキー、パイアセッキの3社が先行していたが、1955年にベル・ヘリコプター社の「モデル204」がUH-1として選定されると、1959年から量産と配備が始まった。公式ニックネームはネイティブ・アメリカンの部族名に由来する「イロコイ」であるが、「ヒューイ」の愛称のほうがよく使われた。
 UH-1の最大の特徴は、米軍最初の実用的なターボシャフト・エンジン「ライカミングT53」で、小型軽量ながら高出力を実現できた。また負傷兵の担架や兵員を効率的に収容できる無駄のない箱型キャビンを採用。左右のスライドドアは迅速な乗降だけでなく、機銃を設置して、簡単に「ガンシップ」に改造できた。また、構造がシンプルで整備性に極めて優れていたことから、「頑丈で実用的な万能機」という軍の要求を完璧に満たしていた。まさにUH-1は、最初期の軍用ヘリにして、完成形でもあった傑作機であった。

 陸上自衛隊のワーキングホース 

派生型含め、総生産数1万6000機を超えるUH-1は史上もっとも成功した軍用ヘリである。陸上自衛隊でも1960年代に、各種合計223機のUH-1を導入していた。そして老朽化が進んだ1990年代に、後継機の次期多用途ヘリコプター(UH-X)の選定に着手した。だが、候補機がいずれも要求に対してオーバースペックで、価格も高騰したため、当時運用中だったUH-1Hをベースに日本独自の近代化改修を施した発展型を、低コストで導入する方針とした。これがUH-1Jである。
 原機のUH-1Hは、エンジンを強化した後期の主力生産型であり、1967年の米軍配備以降、ベトナム戦争で大活躍をした機体である。
 UH-1Jの開発主体となったのは富士重工であり、山岳が多い日本の環境に適応させるために、エンジンは川崎重工がライセンス生産を担当した、一段と強力なT53-K-703を採用した。また暗視ゴーグル対応のコックピットを導入して、夜間戦闘や災害派遣能力も向上している。1993年から配備が始まり、2007年までに計130機が生産されている。
 UH-1Jは、まさに陸自の「足」として、災害派遣を含むあらゆる任務で働き続けた。東日本大震災では、民間ビルの屋上で、周囲の電線や障害物をかわしながら、超低空での超精密ホバリングを維持して救難に当たっていた姿が印象的であった。
 2026年5月時点でも多数が現役であるが、初期の導入機は退役が進んでいる。そこで2022年からSUBARUとベルが共同開発したUH-2の導入が始まり、順次更新されている。それでも、2030年代中盤までは、UH-1Jの運用は続けられる。


 ハセガワから発売されているキット。発売からかなりの時間が経っているベテランプラモですが、メリハリある凸リベットやくっきりとしたディテールで組み上がるととてもかっこいいです! まだまだ楽しめること間違いなしのハセガワの「UH-1H イロコイ」、ぜひこの機会に作ってください!!

ハセガワ「UH-1H イロコイ」箱絵
ハセガワ「UH-1H イロコイ」ランナー
▲ランナーは3枚。価格も880円と初めてのヘリコプタープラモにも最適! 
ハセガワ「UH-1H イロコイ」リベット再現 拡大写真
▲メリハリのある凸リベットが模型的でとてもかっこいい 
ハセガワ「UH-1H イロコイ」デカール
▲デカールは米軍と陸上自衛隊のものがセットされる 
ハセガワ「UH-1H イロコイ」コクピット
▲ コクピットから後部のキャビンまで、人が乗車するところはおおよそ再現されていて、これらの内部パーツも味わい深い。パイロットは2人着座姿勢 
ハセガワ「UH-1H イロコイ」仮組み
▲ 完成すると20cmオーバー。ボリューム感も満足できる

ベル UH-1 H イロコイ

●発売元/ハセガワ●880円、発売中●1/72、約24.2cm●プラキット


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