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独特の透明感とリアルな造形が魅力の「山本翔」製作、鬼がモチーフの「雪二鬼」

2023.02.22

H.M.S. 雪ニ鬼●山本翔 月刊ホビージャパン2023年3月号(1月25日発売)

雪二鬼特写

 醜くも美しい生命の生きる力を、独特の透明感とリアルな造形で表現する造形作家・山本翔が再びH.M.S.に登場。鬼をモチーフに、肉体的な強さと精神的な脆さとの表裏一体を雪山で佇む異形の姿として表現した。

雪二鬼顔アップ
雪二鬼後ろ姿
雪二鬼手足アップ
雪二鬼

 鬼をモチーフに作らせていただきました。鬼と言えば豪快さや凶暴なイメージがあります。しかし、語源は「隠(おぬ)」に由来するという説や、能楽の世界では人の怨霊であったりと、孤独感や陰湿さをも感じることができます。
 肉体的な強さと精神的な脆さとの、表裏一体を表現できればと製作しました。何かやりきれないような、悔しさ、後悔など、強そうなのに無力感のある、複雑な心象が出ていれば幸いです。
 鬼の姿は人型で金棒を持つ従来のイメージではなく、大型の猛獣のように存在していそうな生物に見えるデザインを目指しました。風水でいうところの「鬼門」を指す丑寅の方角からウシとトラの要素、そして日本において、二足で立つ恐しい猛獣であるヒグマの要素を取り入れています。さらに雪の中に佇む孤独感をベースを加えて表現してみました。

■製作工程
・鬼
 ZBrushで造形後3Dプリンターで出力し、「シタデルカラー」で筆塗りしました。控えめにしましたが、体に積もった雪はタミヤの「情景テクスチャーペイント 粉雪」を使用しました。
・ベース部分
 土台部分は流木を組み合わせて作りました。積もった雪は、主に「重曹」を使い、雪が解けて泥が混じった表現にはGSIクレオスの「Mr.ウェザリングペースト ウェットクリアー」と「マッドブラウン」を重曹に染み込ませました。
 泥汚れが多めのほうがリアルではあったので、非常に悩みましたが、コンセプトとズレそうだったので最低限に控えました。

スクラッチビルド

雪二鬼

製作・文/山本 翔

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山本 翔

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