HOME記事ガールズプラモ7月23日(木)発売『ヴァルキリーチューン:機械仕掛けのアイ』プロデューサー 石原章弘氏 特別インタビュー。完全オリジナルの美少女プラキット企画から展開されるハードな物語とは?【VALKYRIE TUNE】

7月23日(木)発売『ヴァルキリーチューン:機械仕掛けのアイ』プロデューサー 石原章弘氏 特別インタビュー。完全オリジナルの美少女プラキット企画から展開されるハードな物語とは?【VALKYRIE TUNE】

2026.07.25

プロデューサー/原案/シナリオを手がける石原章弘氏にインタビュー

 グッドスマイルカンパニーが展開するオリジナル美少女プラモデルプロジェクト『ヴァルキリーチューン』。美少女型アンドロイドたちが、武装楽器“ハーモニックウェポン”を使って戦う姿を、プラキット、ゲームなど、さまざまな媒体で描いている。HJWEBでも公式コミック『ヴァルキリーチューン・ヒューマナイズドアカデミー!』が連載中。また、PCゲームプラットフォーム・Steamでは、ノベルゲーム『ヴァルキリーチューン:機械仕掛けのアイ』製品版がリリース。体験版も無料配信中であり、誰でも手軽にゲーム体験が出来るようになっている。

 ここではプロデューサー/原案/シナリオを手がけるグッドスマイルカンパニーの石原章弘氏に、プロジェクト成立の経緯やノベルゲーム制作の裏側、今後の展望などをうかがった。

(聞き手/黒峰澄一)

▲グッドスマイルカンパニー 石原章弘氏
ヴァルキリーチューン:機械仕掛けのアイのイラスト

ヴァルキリーチューン:機械仕掛けのアイ
●発売元/グッドスマイルカンパニー、開発元/フロントウイング
●価格未定、2026年7月23日予定
●ジャンル/ノベルゲーム
●対象年齢/全年齢/対応言語/日本語・英語・中国語(簡体字、繁体字)・韓国語


――まずはゲームクリエイターの石原さんが、フィギュアメーカーであるグッドスマイルカンパニーに在籍することになった経緯から教えていただけますか?

石原:僕はナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)でゲーム制作に携わる中で、『アイドルマスター』を企画し、以降10年ほど『アイマス』シリーズのディレクションをしてきました。『アイマス』が幅広くメディアミックス展開をしていく中で、シリーズ初の本格的なスケールフィギュアを作ってくれたのがグッドスマイルカンパニーでした。当時としては高価な商品で2万円以上したのですが、これがとてもよく売れまして、現グッスマ会長の安藝貴範さんとは、その頃からの長いお付き合いです。

 僕はフィギュアを、現在で言う推し活(ファン活動)における“ご本尊”だと考えています。コンテンツとファン活動の関係には宗教に近いところがあると思っていて、その信仰心―ファン心理―の象徴となるのがフィギュアやプラキットといった立体物です。それは人間が求める根源的なものなのかなと、ずっと面白さを感じていたので、グッスマから声をかけてもらったのは渡りに船でした。

 ただ、その時期がちょっと悪かった。ちょうどコロナ禍の真っ最中で、なかなか企画を動かすことは出来ませんでした。その後2024年初頭に社長が安藝さんから岩佐厳太郎さんに代わり、「完全オリジナルの美少女プラキットを発売する」という当企画が本格的に動き出すことになりました。

――あくまでプラキット先行の企画なんですね。

石原:そうです。最初は美少女プラキットを発売すること以外は何も決まっておらず、『アイドルマスター シャイニーカラーズ』で交流があった今井翔太くんに、コンセプトデザインとなる絵を描いてもらったところから少しずつ世界観を構築していきました。

 組み立て式で、なおかつ可動するプラキットには、フィギュアにはない制約がたくさんあります。それをデザイン段階で考慮しておく必要があったので、最初は奇抜すぎないわかりやすいキャラクターデザインにしてもらいました。ただ、それだとどうしても既視感が漂うものになってしまうので、武装に“変形”を盛り込んだ。

 僕は『アイマス』の印象が強いからか、社内でも「石原さんがやるなら、歌も作るんでしょ?」って言われていて。僕自身は“歌”をキーワードにしようとは考えていなかったんですが、テーマソングがあるとキャラクター性が伝わりやすいというメリットも確かにある。それで少女たちが変形する武装楽器・ハーモニックウェポンを使って闘技場で戦うという基本設定にたどり着きました。

――ゲーム化はいつごろ決定したのですか?

石原:2024年末くらいですかね。プラキットの原型試作が出てきた頃からかな。絵と設定がどんどんできていく中で、、ユーザーさんの想像力を刺激する為にも、世界観がわかりやすく伝わる機会も必要だなと思い初めて。そんな時に、フロントウイングさんとお話することがあって、今回、本作のゲームディレクターをしてくださった石森さんが僕の大好きな長谷川裕一さんのSF漫画「マップス」のファンだったので、SF観が同じ人なら大丈夫だろう!と思い、一緒に製作をすることになりました。

 さらに言えば、僕は永野護さんの『ファイブスター物語』の大ファンなので、ゲームをきっかけに似たことができるんじゃないか、という個人的な思惑もありました。

――もしかして、壮大な歴史を紡いでいこうと?

石原:はい。だから『ヴァルキリーチューン』ではプロジェクト全体の詳細な世界観年表を作ってあり、現在発表されている各コンテンツは、そのうちの一時代をピックアップして、みなさんにお見せするという形をとっています。……これが年表です。

――(年表を見て)うおっ、遠大ですね……!!

石原:これは僕のクセなんですが、コンテンツを作る時には後から何でも追加できるように、あえて隙間を多く残しておくんです。ギチギチに設定を詰め込みすぎるようなことはしない。今回はそれを、キャラクターやストーリーではなく世界観の段階からやりました。

 メインキャラクターをアンドロイドにしたのは、『ファイブスター物語』のファティマはもちろん、先程も名前を出した『マップス』の影響も大きいです。ビメイダー(合成人間)の人ならざる存在であるがゆえの悲哀が好きで。これまで、なかなかマップスのことを語れる人で出会えてこなったので、フロントウイングのディレクターさんと『マップス』について色々と語れたことには、運命すら感じました(笑)。

 話が少し横にそれましたが、年表とキャラクターがアンドロイドであることを活かせば、時代ごとにテイストが異なる物語を、同じキャラクターで展開できるだろうなという思惑があります。実際に今も、ゲーム、コミカライズ、PVのそれぞれで、少しずつ違う時代のできごとを描いているんです。

――本作はゲーム本編のリリースに先駆け、体験版がリリースされています。反響はいかがでしたか?

石原:プレイしてくださった方からは、意外な展開について概ねご好評をいただいています。メインキャラクターがアンドロイドだということは、体験版の段階で明かすかどうか悩みどころだったのですが、わかっていたほうがプラキットを買いやすいかなと。手脚のパーツを換装するような、プラキット的なカスタマイズにも抵抗が少なくなる気がしたんです。また海外にはSF好きの方も多いので、本作の設定も柔軟に受け入れていただけているようです。

――体験版のストーリーと、先行して公開されていたポップなアニメPVとの温度差はかなり激しいですね。

石原:そこはかなり意識して作っています。ただ、描かれている時代設定が違うだけでどちらも同じ世界のできごとです。さまざまな世界観を内包しうるコンテンツだということは、なるべく初期の段階で示しておきたいなと考えました。

 ゲーム本編では、後半にややシリアスなストーリーが展開します。グッスマは社名からも、可愛らしいイメージがある企業だと思うのですが、そこを逆手に取ったハードな物語です。ただ「ハッピーエンドです」ということだけは言っておきたいですね。

 ちなみに、ゲーム本編には分岐がありません。これは『ヴァルキリーチューン』というコンテンツ自体が、長い歴史の一時代を切りとったものなので、そこに“if”展開の必要を感じなかったもあります。各キャラルートのある、恋愛シミュレーションを作ろうとも思っていなかったですしね。プレイヤーのみなさんには、歴史の1ページの目撃者になっていただければ幸いです。

© GOOD SMILE COMPANY

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