宇宙を感じる水性塗料。見る角度で色が変わる「ファレホ 偏光カラー」を解説!【工具&マテリアルガイドPick up 】
2023.02.23
「ファレホ 偏光カラー」 模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド(2月21日発売)
見る角度で色が変わる!輝き煌めく魔法の塗料
見る角度や光の当たり方により色が変わって見える魔法のような色彩を水性塗料で実現したファレホの“偏光カラー”。調色も重ね塗りもせずに複数の輝きを表現する塗料の実力を見ていきましょう。
エアブラシ塗装をチェック!
How to use
▲ ファレホ偏光カラーは薄めず直接ハンドピースに注いで使用できます。粒子が多く含まれているのでボトルをよく振り、しっかり撹拌しておきましょう
▲ 光沢の黒の上に塗装します。色にもよりますが隠蔽力はしっかりあるので、一度吹き付けるだけでもよいですが、数回に分けて重ね吹きしたほうがきれいに塗装できます
▲ 同じ塗料で塗っているのに、角度の違いで2色に発色しているのが分かります。あとはしっかり乾燥を待ちます
▲ 使用したハンドピースには粒子が残るので、作業を終えたら塗料が固まらないうちにしっかり洗浄しましょう。水性なので水やエアブラシクリーナーを使ってきれいにします
各偏光カラーセットの内容をチェック!
Impression
各色グロスブラックを下地にして塗装しています。基本的な色の見え方は塗料名のイメージ通りで、名前の後半にある色が偏光側になります。オレンジ バイオレットやエレクトリックブルー インテンスバイオレット、グリーンゴールド コールドブルーなどは偏光先も似た系列の色なので、深みのある色を表現したいときにも使えるでしょう。ボトルを外から見たときに、中身が乳白色だった場合こうした傾向が見られます。オールドゴールド グレーバイオレットやダークグリーン ティンなど、中身の色がはっきりしているものは隠蔽力が高く、深い光 のある色になります。淡い色なら煌びやかに、濃い色なら深みのある、というのが全体の傾向です。
さまざまな状況での偏光カラーの見え方を検証
Impression
▲ まずはターコイズ バイオレットを使って下地の違いによる見え方の変化をチェック。左から黒下地(しっかり厚めに塗布)、黒下地(軽く薄めに塗布)、白下地、青下地の4種。黒下地の場合はどちらも2つの偏光色が現れますが、しっかり厚めに黒を塗った方がラベルにあるような金属色になります。白下地と青下地の場合は、上塗りしても下地の色からあまり色の変化は起こらず、パールコートのようになりつつ2つの偏光色が出ています
▲ 透明のプラ板にうっすらと色を付けて塗装しました。偏光色のどちらも出現させながら、さらに向こう側を透けさせる手法です。吹き付けた瞬間はプラ板が乳白色になりますが、乾燥すると半透明ぐらいになりしっかり偏光しています
▲ ボークス「プリムラ・ビクトリア」の髪にパーツと同型色のゴールドイエロー バーン トオレンジを吹き付けるとつややかな雰囲気になります。毛先や影になる部分に多めに吹くことでグラデーションを施しながら偏光色に仕上げてみました
▲ 次は赤いパーツに色味の違うエレクトリックブルー インテンスバイオレットを使用。下地の赤が強く、発色では分かりにくいものの反射はしっかり2色になります
▲ 面が複雑なもの、特にカーモデルのホイールはスポークの角度など面がたくさんあるので、塗料の性能を一番実感できます。特徴的な4つの色(ターコイズ バイオレット、オレンジ バイオレット、ゴールドイエロー バーントオレンジ、グリーン シルバーブルー)を吹いてみました
▲ これら4つの色を1パーツに吹き付け重ねてみました。塗り重ねるとメインの色の性質が出たり、メインの色と偏光側の色味が合わさった色味になったりと、複雑に偏光する結果となりました。さらに塗り重ねると星雲写真のような、妙に麗しい感じの光り方にも……。組み合わせを開拓することでもっと表現が増えるかもしれません
表面を磨いて反射を強化!
How to use
▲ カーモデルのボディは曲面が多い分、面の反射が変化しやすく偏光との相性は抜群です。グロスブラック下地にクールな色合いのターコイズバイオレットを使用。吹きっぱなしの状態だと表面に粒子感が出るため、ここから磨いて光沢を出してみます
▲ 今回は研ぎ出しをしない簡易的な方法で光沢を出します。まず、一度光沢クリアーで表面にクリアーの層を追加します。このクリアーは磨き作業で塗料を削り落としてしまわない保険として塗布しておきます。今回は行いませんが、クリアーの後に1000番以上のヤスリで研ぎ出しをすると、鏡面仕上げになります
▲ クリアーが乾燥した後、コンパウンドの細目、仕上げ目の順番で全体を磨きます。表面の光沢が整うまで磨き終わったら水で軽く洗浄して完成です
▲ 偏光カラーとピカピカの光沢を合わせ持ったボディができ上がりました。ボディの曲面で偏光具合がとてもきれいに見えつつピカピカの光沢感がさらに見映えを高めてくれています。曲面の多いキットであればこのような仕上げはより効果的になるでしょう
まとめ
ファレホの偏光カラーは主張がかなり強く、キット全体でもワンポイントでも上手に使えば完成品の見映えを大きく向上させてくれます。透け感をうまく利用したり、下地の色と上塗りする偏光カラーをうまく組み合わせたりすることで多くの色の演出が可能になります。また、エアブラシで使いやすい濃度に調整されているので、塗料の濃度調整など難しいことを考えなくても、しっかり偏光カラーの塗装ができてしまうのです。
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