ノモ研 「テープ、フィルム材の活用」【野本憲一モデリング研究所】
2021.11.03今回は輝きや独自の質感を表現できる“テープやフィルム”素材を取り上げる。パーツ表面に貼るので原理は単純だが、素材が活きるような使い方や、貼り込みには注意すべき点がある。用途としては表面に広く使うことは少なく、限られたポイントに塗装やデカールとも違った表現が加わる、といった活かし方になるだろう。
製作・解説/野本憲一
極薄な貼り付け素材
特徴的な質感を持ちつつ、薄いことでパーツ間や表面に取り入れやすい素材。手軽なテープ類と、凝った使い方ができる粘着フィルムなどがある。
ノリ付きアルミ箔
これもメッキや金属感を表現する素材として古くからあるが、今や店頭では入手難。「MSS-04 GSRクロームマスター」は同社オンラインショップから購入可能(執筆時点)で「在庫がなくなり次第販売終了」とのこと
多彩なフィニッシュシリーズ
種類が豊富なので、質感や効果別に主なラインナップを紹介。サイズはいずれも90×200mm。価格は660〜1540円。
“フィニッシュ”フィルムの特徴
フィニッシュシリーズ共通の特性と、貼る前の注意点。
水貼りの準備
一時的に粘着力を弱めたり、気泡が入るのを防ぐための“水”を用意する。そこには中性洗剤を極少量足しておく。フィルムを指で摘まんだり、ピンセットで掴む際にもこれで濡らしておくと付きすぎが防げる
平面的な貼り付け
貼り方の基本も兼ねて、パネル面で質感を変える例で手順を追っていこう。
凸モールドへの貼り付け
フィルムの伸びる特性を活かして、立体的な箇所に貼ってみる。
伸ばしすぎると…
伸ばすのは“張り気味する”程度で、極端にすると表面が曇ったり、色味が薄くなってしまうこともある。そして限度を超えると切れてしまう
カーボンパターンの貼り込み
凹凸のある面での手順と模様を揃え、効率良く素材を使う方法。例はカーモデルのボディパーツ。
その他の効果
クリアーカラーや偏光など透けるフィルムの効果を見てみよう。
マスキングにも便利
フィニッシュシリーズの表面に密着する特性は、塗り分けのマスク材としても有効だ。例は細切りしたものを緩いカーブに利用。整った境界となっている
野本憲一(ノモトケンイチ)
小社にて「NOMOKEN」シリーズを多数執筆。キャラクター、スケールモデルなどジャンルを問わず数多くの作例とHow toを発表している。