エアブラシ塗装「マスキング」にチャレンジ! 基本を覚えてレベルをアップしよう。「MG ウイングガンダム Ver.Ka」を製作!
2023.04.16
「マスキング」でエアブラシ塗装の表現が格段にアップする!!/XXXG-01W ウイングガンダム Ver.Ka【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)
超傑作キット「MG ウイングガンダム Ver.Ka」で覚えるマスキングの基本
エアブラシ特集でいきなりマスキング!? って思われた方も多いと思いますが、これができるだけで、エアブラシ塗装の可能性は格段にアップします。昨今のガンプラは、ほぼパーツ単位でカラーリングが分かれていますが、自分好みのカラーリングにしたい時、ディテールに沿って細部をさらに色分けしたい時などにマスキングはとても力になってくれます。そこで傑作キットである「MG ウイングガンダム Ver.Ka」の翼でさまざまなマスキングにチャレンジしていきましょう。塗装方法は、全体を均一に塗るベタ塗りで行きます。
製作・解説/ふりつく
\ 教えてくれる人 /
ふりつく
▲月刊ホビージャパンでは筆塗り作例で活躍しているふりつくですが、エアブラシ塗装も得意。ラッカー、水性なんでもござれのハイスペックペインターだ。最近ではメーカーのデコマス塗装もやってます
・マスキングテープを使用したマスキングの仕方を覚えよう
・マスキングテープ以外のマテリアルを使ってみよう
・色の発色を良くするために下地の色を工夫しよう
塗装準備
翼をピックアップしますが、ふりつくによる、きれいなエアブラシの仕上がりも見てほしいので、全身塗っていきます! まずは塗装前の準備です
▲各所の合わせ目消しと、ゲート処理、面出しをします。その後にグレーのサーフェイサーを吹いて、傷チェック&細かな傷埋めを実行します。また成型色に近い色味を塗っていくので、グレーにしておくと塗料が発色している様子も見えやすいです
▲使用する塗料はこちら。関節/サーフェイサーエヴォ+マホガニー、赤/ダグラムカラー CB-02 レッド、青/NAZCAカラー コバルトバイオレット、黄色/橙黄色、白/キャラクターフレッシュ+クールホワイト
メインカラーの「白」を塗ろう!
パーツが外せるところは
外します
▲黄色に塗るパーツは外せるので、外して別で塗ります
サーフェイサーエヴォ ホワイト
を使います
▲メインカラーの白の下地をより濁りのない白にしたいので、「サーフェイサーエヴォ ホワイト」を塗ります。隠蔽力が高く、しっかりと発色してくれます
濃度は塗料1:うすめ液2
▲サーフェイサーエヴォ ホワイトは少し薄めに希釈します。下地から塗膜が厚くならないようにするためです。1:2の希釈率なら2回くらい塗れば下地として問題なく効果を発揮してくれます
奥まったところから
塗装しよう!
▲翼のディテールが重なっている部分や、影になっている箇所を重点的に塗ります。「エア圧」は、0.1Mpa。塗料が乗りにくそうなところを先に塗っておけば、色ムラも防げます
2回、もしくは3回で
発色させましょう!
▲エアブラシ塗装は、2回〜3回吹き重ねて色が発色するようにしましょう
キャラクターフレッシュを
使ってみます
▲下地が塗り終わったら、白の本塗りに入ります。ここではキャラクターフレッシュを活用してみます
説明書内のイラストを参考に!
▲説明書に描かれているウイングガンダムVer.Kaのイラスト。このイラストのアイボリーのような白を目指します。クールホワイトに、キャラクターフレッシュを数滴入れるだけで良いです
キャラクターフレッシュ+クールホワイト
▲イラストのアイボリーに近くなりました。この色で、本体の白を基本塗装していきましょう!
マスキング開始!! パーツを塗り分けろ!!
▲ふりつくが、マスキングでよく使うのがこれらの道具。青いマスキングテープが入ったホルダーは、好きな分だけ出せて、ワンタッチでテープカットできます。そのほかマスキングガム、マスキングゾルなども使用します。曲線マスキングテープも一応準備
マスパーはとっても便利
▲ゴッドハンドが出しているマスキングテープをカットするためのニッパー。パーツに貼った時にはみ出した余分なマスキングテープをスパッとカット。角が立った状態にカットできるのでより精度が出ます
爪楊枝でテープを密着させます
▲マスキングテープを爪楊枝でしっかりと押さえつけて、密着させます
貼ってから切る方法
▲モールドを活かして貼ってから切る方法。これはガンプラのマスキングではよく使われる手段。下のパーツを傷つけないように気をつけてカットしましょう
テープを小さく切って
貼っていく方法
▲もっとも無難で、しっかりとマスキングできる方法が、小さくカットしたテープを貼り重ねていく方法。地味な作業ですが、パーツを傷つけることも無いので、より確実なマスキングができます
マスキングガムを使う方法
▲パーツに粘着感が残らない、練り消しのようなマスキングガムというものがあります。凹んだ部分などのマスキングにはこれを詰め込むだけで良いので便利。剥がす時は、使ってないマスキングガムをペタリと貼って引っ張るときれいに剥がれます
マスキングゾルを使う方法
▲液状のマスキング剤で、テープとテープの隙間などに補填して、マスキングの精度を高めることができます。1本持っておくととても便利ですよ
塗ったら乾くまで
触らないように
▲マスキングゾルは20〜30分で乾燥します。写真のように少量塗って放置しておきましょう
細かい箇所は
爪楊枝で塗りましょう
▲マスキングゾルをさらにピンポイントで塗りたい場合は、爪楊枝を使ってチョンチョンと塗ってやりましょう
時には大胆さも必要!
▲広い面積で色分けの必要がない箇所は、粘着力を落としたテープや、大きくカットしたコピー用紙を貼ってマスキングしてもOK
赤の塗装
▲マスキング漏れがないかを確認したら、赤を塗ります。塗り分けの際、マスキングテープは時間経過によって浮いてきたり捲れてきたりするので、マスキングしたら手早く塗っていきます
青を塗るためのマスキング
▲先ほどと同じ工程を繰り返して、青を塗るためのマスキングをします
数回に分けてしっかりと
発色させます
▲マスキングの塗り分けの塗装も、一度で発色させるのではなく、2〜3回に分けて発色するように塗りましょう
ピンセットで優しく
テープを剥がします
▲完全乾燥一歩手前でテープを剥がしていきます。ピンセットで丁寧に剥がしていきましょう
マスキングの塗り分け
完了です!!
▲お見事! マスキングで各色塗り分けることができました。後ハメ加工などの方法もありますが、工作によっては耐久性が落ちたりするので、こうやって地道にマスキングをするのもとても良い方法です
美しい黄色が塗れる下地!
▲ガイアノーツのサーフェイサー エヴォには「レモンイエロー」という色があります。これを下地に使えば、発色の難しい黄色塗装も怖くありません
塗料1:薄め液2の濃度で
薄く塗ります
▲全体に薄く塗料を纏わせる感じで塗ります。それでも下地として充分に効果を発揮します
しっかりと発色!
▲レモンイエローのおかげで、橙黄色がきれいに発色していきます。こちらも2〜3回に分けて塗り重ねるようにしましょう
翼の塗り分け完了
▲マスキングによるきれいな塗り分けができました。各部の塗装も2〜3回に分けて丁寧に塗っているので、とてもきれいな仕上がりとなっています!!
▲翼で使用した色と同じものを本体各部でも塗装。スミ入れもブラウンや紫などを使用してVer.Kaらしさを出しました
▲ウイングガンダムの命である翼がきれいに塗られていると、バードモードも美しく決まります!
▲武装関係も丁寧に塗り分け。各マーキングはキットのテトロンシールとドライデカールを丁寧に貼り込んでいます
\ まとめ /
MGウイングガンダム Ver.Kaの翼の塗り分けで、エアブラシ塗装のマスキングのさまざまな方法をご紹介しました。実はマスキングの塗り分けは、細かい場所を数回に分けて発色させるという工程を何度も行います。これによって1体塗り終わると知らず知らずのうちにエアブラシのコントロールまで覚えて、一気に塗装が上達します。地味な作業ですが、確実にあなたの塗装レベルをアップさせてくれるので、楽しんでやってみてください!
動画はこちら
BANDAI SPIRITS 1/100スケールプラスチックキット“マスターグレード”
XXXG-01W ウイングガンダム Ver.Ka
製作/ふりつく
©創通・サンライズ
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