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【ROAD to RALLY JAPAN】introduction 8 ラリージャパン 2010【小池徹弥】

2021.11.04

ROAD to RALLY JAPAN 月刊ホビージャパン2021年12月号(10月25日発売)

ラリーロゴ

 一年近く続いたこのROAD to RALLY JAPANもついに最終回。シーンの選択は、LAST RALLY JAPAN。今のところ最後のラリージャパンとなる「ラリージャパン 2010」です。このラリーで優勝したのはセバスチャン・オジェ。この年ワークスデビューした彼も2021年に引退を表明、そんな彼を日本の景色上に再現してみました。(小池徹弥)

ラリーメインカット

RALLY JAPAN 2010

ラリージャパン 2010でのリエゾン中の風景をイメージしたディオラマ
▲連載のラストを飾るのは、小池徹弥によるラリージャパン 2010でのリエゾン中の風景をイメージしたディオラマ。ラリーカーが一般車に交じって公道を走る、非日常的な風景を日本らしさを感じさせる小物を駆使して表現した
セバスチャン・オジェのシトロエンC4
▲2010年のラリージャパンを制したセバスチャン・オジェのシトロエンC4はエレールの1/24スケールキットを使用
リエゾン中は競技車といえどもその国の交通法規を守らなければいけない
▲リエゾン中は競技車といえどもその国の交通法規を守らなければいけないため、もちろんラリーカーも踏切では一時停止
標識類はカプセルトイ
遮断機はカプセルトイ
電話ボックスや自販機はフジミ模型

▲沿道を飾る標識類や遮断機はカプセルトイ。電話ボックスや自販機はフジミ模型の「歩道・電話ボックスセット」と「アクセサリーパーツ」を使用している

遮断機越しのシトロエンC4
ディオラマ全景
▲ディオラマ全景。ベースサイズは縦約30cm×横約40cm×高さ約25cm
過去のボックスディオラマ
▲メインカットに登場した過去のボックスディオラマ。左はこの2010年のラリージャパンを盛り上げたもうひとりのドライバー、キミ・ライコネンのボックスディオラマ。当時リエゾン中の沿道に女性がたくさん集まったのは彼の功績ですね。右は「セブ4」と題した4のセバスチャン(日本語読み)。レッドブルのドライバーなのでレッドブルの缶(パドック品)を中心に展開してみました

■『僕と彼女とラリーと』 
 月刊ホビージャパン2021年12月号が発売されてる頃にはもう上映は終わってると思いますが、この原稿を書いてる時点ではロードショー中。タイトル通り、「ラリー」を縦軸に紡ぐ人間模様。でもここではラリー部分にだけ触れます。主人公の父はWRCで活躍したメカニック(モンテカルロで2回優勝)。世界を飛び回り、家族と疎遠に、その父の突然の死により、ラリーの世界に足を踏み入れる主人公。愛知県豊田市、岐阜県恵那市全面協力によるロケーション。トヨタ・ガズー・レーシング・ラリーチャレンジも協力しているので、ラリー好きにとってもさまざまな見所があると思います。
 そして、本作の設定年が、前回のラリージャパンから10年後、WRCが日本に来るはずだった2020年。残念ながらラリージャパンは2年続けて中止。機会があればこの映画を観て溜飲を下げて、ラリージャパンまでの雰囲気だけでも味わってみてはどうでしょう。
 ちなみに、現在話題の勝田貴元の父、愛知出身ラリードライバーの勝田範彦氏がスタンドインしています。

■2010 LAST RALLY JAPAN
 で、今回は、映画でも触れられていた、10年前、最後のラリージャパンからセレクトです。この年、シトロエンワークスからデビューしたルーキー。セバスチャン・オジェ。このラリーでは、やはりシトロエンからの出場のペター・ソルベルグ(日本一の人気者)との首位争いを制して、自身2勝目をあげています。この時点では、日本ではまだ知名度の低い彼。まさかこの2年後、2013〜2018年まで連続ワールドチャンピオン、優勝53回(21、10月初旬現在)の名ドライバーになるとは想像していませんでした。ただ、この時プレスルームで流れて来る彼の話は、明るく、楽しい人間性でした。

■キッカケ
 そして、今回のアイテム選択は、オジェ+ラリージャパン。日本の道を再現したく、北海道のどこかのリエゾンとしてみました。
 ホビージャパンMOOK「ホビージャパンエクストラ 特集:模型用小物の世界」でも触れたこと。そのディオラマを作るきっかけ。今回はカプセルトイで販売中の消火栓の標識です。これ新井選手が語った一言、「ラリージャパンで最初に教えたこと、踏切では一時停止」この言葉がおもしろく、以前にも使用した踏切のカプセルトイ、ここにフジミ模型より発売中の標識、電話ボックス、自販機等を組み合せています。1/24での小物の使用例ですね。
 メインのシトロエンC4はエレールのキットをストレート組み。ちなみに今回、ドライバーおよびコ・ドライバーはリエゾン区間の為、ヘッドセットとしています。

ラリージャパン 2010

エレール 1/24スケール プラスチックキット シトロエン C4ほか使用

ラリージャパン 2010

ディオラマ製作・文/小池徹弥

シトロエン C4 WRC ’10
●発売元/エレール●4400円、発売中●1/24、約18cm●プラキット


ラリーロゴ

Commentary on the RALLY
Vol. 008

文/加藤雅彦

復活祈願! 思い出のラリージャパン2004-2010

 前回お伝えしたとおり21年のラリージャパンは中止になってしまいましたがWRCは熱戦が続いています。第10戦のフィンランド終了時点でドライバーズタイトル獲得の権利があるのはトヨタの2人、セバスチャン・オジェとエルフィン・エバンスだけになりました。フルタイムでのWRC参戦最終年となるオジェの8度目のタイトル獲得か、エバンスの初戴冠か、両方とも応援したくなってしまいます。それにしても最終戦が日本で開催されないのが本当に残念。もし開催されていたら表彰式も盛り上がったでしょうね。
 思い返してみると、当然だけどこれまでに行われたラリージャパンもいつも見所がありました。初開催となった2004年は帯広市中心部でのセレモニアルスタートから大いに盛り上がり、スバルのペター・ソルベルグが優勝しての表彰式は華やかでした。新井敏弘選手もグループNで優勝し、スバルファンにとっては忘れられないラリーになったことと思います。手前味噌ですがラリー・ヘッドクオーターにホビージャパンのラリーカーの作例も展示させていただきましたねぇ。

優勝を決めて多くのファンに見送られながらポディウムに向かうソルベルグのインプレッサ
▲2004年、優勝を決めて多くのファンに見送られながらポディウムに向かうソルベルグのインプレッサ。またこんな光景が見られる日が早く来てほしい

 2005年は前戦グレートブリテンの事故でプジョー・チームのコ・ドライバー、マイケル・パークを失った悲しみが残る中、プジョーのチームメイト、マーカス・グロンホルムが優勝。また車体にカタカナで「シュコダ」の文字を大きく表記したファビアWRCを走らせたシュコダ・チームも注目されました。
 2006年はセバスチャン・ローブがラリージャパン初優勝。それまでカルロス・サインツが持っていたWRC最多勝利数を更新する27勝目でした。ローブは79勝まで記録を延ばすことになるわけですがラリージャパンではこの1勝しかしていないのが意外ではあります。

優勝を決めて最後のサービスに戻ってきたローブのクサラWRC
▲こちらは優勝を決めて最後のサービスに戻ってきたローブのクサラWRC。2006年はシトロエンがワークス活動を休止し、クロノスチームからの参戦だったが、終盤怪我で欠場したにもかかわらずローブが強さを見せチャンピオンを獲得している

 逆に2007年、2008年と連勝したのがミッコ・ヒルボネン。今のところラリージャパンで複数回勝利しているのは彼だけです。2008年からは札幌市を中心とした道央での開催になっていますので、同じラリーを勝ったという印象は本人にとっては薄いかもしれませんね。でも日本が良い思い出の地になっているかな。

前年に続いてラリージャパンを制したミッコ・ヒルボネン
▲2008年、前年に続いてラリージャパンを制したミッコ・ヒルボネン。最終サービスに入る手前で写真撮影に応じてくれ、とても良い表情を見せてくれた

 2010年も道央での開催で、結果的にこれが一番最近行われたラリージャパンということになってしまっています。優勝したのはセバスチャン・オジェ。2009年からWRCに本格参戦を開始したオジェの通算2勝目でした。ちなみにラリージャパンはシトロエン・ワークスチームからの参戦でしたが、正式にワークスチームからWRCにフル参戦となるのは翌2011年から。すでに決まっていたことかもしれませんが、このラリージャパンでの勝利は大きな意味があったと思います。
 2位には自身のチームから参戦したペター・ソルベルグが入っています。2004年以来のラリージャパン優勝とはいきませんでしたが良いラリーを見せてくれました。マシンは2009年スペックのシトロエンC4 WRCでしたから大健闘と言えるでしょう。
 3位はフォード・フォーカスRS WRCのヤリ=マティ・ラトバラ、現トヨタ・ガズー・レーシング・ワールド・ラリー・チームの代表です。当時25歳だったのでまだ現役で走っていてほしかったくらいなんですが、21年のトヨタ・チームの雰囲気がすごく良い感じに見えるので、チーム代表に就任してくれて良かったんじゃないですかね。
 前にこのコラムでも触れましたがこの年は2007年のF1チャンピオン、キミ・ライコネンの参戦も注目を集めました。結果はリタイアに終わりましたが観客動員数にはかなり貢献したはず。ついに今シーズンでF1からの引退が発表され、その去就が注目されていますけど、まずはゆっくり休んで気が向いたらラリーカーもドライブしてもらいたいです。
 簡単にこれまでのラリージャパンを振り返ってみましたが、個人的には2010年がついこの間のような気もするし、だいぶ前のような気もする不思議な感覚です。北海道でのラリージャパンは一人で取材することも多くて、レンタカーであちこち走り回ったなぁとか、よくセイコーマート(北海道と茨城県の人にはお馴染みのコンビニエンスストアです)にお世話になったなぁとかが思い出されます。

札幌ドームでのスーパーSSではローブとの対戦も見られた
▲2010年ラリージャパンの勝者はセバスチャン・オジェ。札幌ドームでのスーパーSSではローブとの対戦も見られた。WRCフル参戦は21年限りとなるオジェだが、できれば22年のラリージャパンに参戦してもらいたいものだ

 2022年、今度こそラリージャパンに復活してもらって、愛知県、岐阜県でWRCを楽しめることを願っています。マシンもRally1規定となり全く新しいクルマがどんな走りを見せてくれるのかも興味深いですね。トヨタとヒュンダイの争いにフォードが割って入ってくれるとますます面白いんですが。
 それから21年11月12日から14日にかけてラリージャパンで予定していたコースの一部を使い、「FORUM 8 セントラルラリー2021」が開催されるそうです。新型コロナウイルスの感染状況によって観戦が可能かどうか確認の必要がありますが、ラリージャパンの予習にもぴったりなイベントですね。こちらも無事開催されることを祈っています。
 それでは22年こそラリージャパンが開催されますように。そしてできれば新しいラリーカーのキットが発売されますように。

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小池徹弥(コイケテツヤ)

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