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【オラザク審査員】MAX渡辺×木村編集長のオラザク審査ぶっちゃけ対談!作品応募のヒントを聞いてみた!!

2026.10.29

オラザク選手権への道[令和版]●MAX渡辺、木村学 月刊ホビージャパン2026年11月号(9月25日発売)

MAX渡辺×木村学オラザク選手権対談サムネイル画像

オラザク選手権への道[令和版]
-審査員はこんなことを考えている-

 いよいよ来年、記念すべき30回目を迎える「全日本オラザク選手権」。募集開始はまだまだ先ですが、すでにオラザク参加に向けて構想を練っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんな未来のオラザク参加者に向けて、長年審査員として応募作を見続けてきたMAX渡辺さんと木村編集長のおふたりに、気になる審査のポイントや作品をよりよく見せるためのヒント等を伺ってみました!

MAX渡辺

MAX渡辺

 株式会社マックスファクトリー、株式会社ウェーブ代表取締役社長にして本誌のレジェンドモデラー。「オラザク選手権」では審査員として第1回からすべての大会に参加している。

木村学

木村学

 元本誌のモデラーであり、現本誌編集長。第1回大会ではガンプラマスター名義で審査に参加。第21回以降は編集長として一次審査から全応募作に目を通している。


●オラザク選手権の審査員は作品のここを見ている!

MAX渡辺(以下MAX):一作毎にアピールポイントが違いますから、まずはそれを見極めます。工作が得意な方の作品であるならば、整形の精度、特に逆エッジ面とそれに伴うディテールの仕上がりに注目します。その辺りの難しさを知っている作者なら、そこをしっかり見てほしいはずですので。同じように塗装を見せたいと感じた作品に関しては、カラーリング設定、美しさ、タッチや汚しの塩梅などを重点的に見ます。

MAX:はい、そんななかで(塗装と工作の)両方が素晴らしい作品が出てくると「これは賞にからんでくるぞ」とこちらも緊張感が上がります。そういう作品はオーラが違うので瞬時にわかります。
──送られてくるコメントは参考にされますか?

MAX:そういったものは読まないでまずは作品画像を見ます。文章と作品の印象が違うことがあるので、ファーストインプレッションを大事にします。文章を読むのはそのあとです。

木村学(以下木村):僕もMAXさんに近いですね。最初は作者のお名前も文章も読まないで一気に見ていきます。その時に一番大事にしているのがインパクト。目を惹く作品がどうかですね。次に技術を見ます。技術はある意味粗さがしに近くなってしまうので、一次審査の際はインパクト重視で上手いと感じた作品をどんどん通します。最終審査では今度は技術をメインに減点方式で見ています。「ここ粗いな」とか。ただ、インパクトがそれに勝る作品の場合はあえて目をつぶっても評価します。オラザクは技術大会というよりも、作品のインパクトを重視しています。もし同じくらいインパクトのある作品が並んでいたら、そこで初めて技術のあるほうを選びます。文章ももちろん全部読みますが、それはMAXさんと同じで審査の最終段階ですね。

木村:繰り返しになりますがオラザクは技術大会ではないと思っていますので、重視するのはインパクトと情熱ですね。情熱=技術という部分もあるので、これが絶対というわけではないですが。

MAX:オラザクや展示会ですごい数の作品を見せてもらってきたから、作品に対する思いに触れる機会はすごく増えました。おかげで今のトレンドについては追いかけられている自負はあるのですが、自分の知らない表現に出会った時のインパクトは大きくなったと思います。

●最新キットと古いキット、オラザクに有利なのは?

MAX:開発年度の古いキットは工作による変化が相対的に大きくなるので、努力をアピールしやすいし、見る側にとってもわかりやすいとはあると思います。「アレをこんなに!?」というインパクトによって一定の評価は得られますからね。対してその必要があまり無い昨今のキットは、さらに工作の精度上げ、細密ディテールを施す。またその上で魅力的な塗装パターンを考えて塗り仕上げるというところまでやろうと思ったら、比較するとハードルは高いかもしれません。もちろんどちらを選ぶのも自由ですが、審査員の評価軸が変わってくるのは意識したほうがいいでしょう。

MAX:もともとカッコいいものをさらに良くしようというのはよりマニアックな視点が必要ですよね。
 この場合、時間の使い方も大事だと思います。そのままでも充分完成度の高いキットならどこに製作時間を使うか。これは例だけど、もし自分が今のキットで勝負するなら塗装一本に絞ります。塗装にはそれだけで人の心を動かす力があるからです。そのためにあえて工作に手間のかからない最新キットで勝負するというのも、ある意味潔くていいんじゃないかとも思います。

木村:キットの出来が良いと見るポイントも変わってきますね。最新キットに徹底的に手を入れたすごい作品もやっぱりファーストインプレッションという点では不利になると思います。そういった作品はあとからすごく手が入っていることが分かって驚くということが多い気がします。

MAX:最新キットは塗装と工作の両方ができる人じゃないと難しいかもしれない。なぜなら、もともと出来の良いキットを審査するときは、さっき編集長も言っていた減点法で見てしまうんですよ。細かいミスに目がいってしまう。人間って本能的に粗を探してしまうから、これはしょうがない。申しわけないですけど。

MAX渡辺オラザク選手権対談

●製作時間はかければかけるほど良い?

MAX:製作時間の長さは作品の出来不出来は直接関係は無いと思います。それより何よりどこを目指すかが大事でしょう。これを僕がコラムで書いているトライアスロンのトレーニングに例えてみると、日々のトレーニングというのは試合当日に最高のパフォーマンスを出すためのもの。そのパフォーマンスで欲しいのは優勝なのか自己ベスト更新なのか、それとも完走なのか。どこを目指すかによって努力の仕方はまるで変わってくるでしょう。全員が大賞(優勝)を目指す必要なんてなくて、参加してみて自分のレベルを知って、そのちょっと上を目指すにはどうすればいいかを考える。「一次審査通過がベストだったけど、今回は銅賞を狙って、いつもの製作時間より多めに時間を確保してみよう」とか。そうやって自分のレベルアップのためにオラザク選手権を利用するのもとても有意義だと思います。

木村:製作時間は考え方によって変わってきますね。プランを練るのに時間をかける人、手を動かすのに時間をかける人で変わってきますし、2年かけましたという人ののべ時間と2日間みっちり製作しましたという人ののべ時間が一緒だったりすることもあるわけですから、単純に製作期間で評価するのは難しいですね。

MAX:そう考えると先月号(2026年10月号)の特集は実際の製作時間に言及してるのがすごく良かった。決められた期間で実際に製作に使った時間はこれくらいで、どんなコンセプトでどこに注力して作って、その結果どうなるかを考える。これは定期的にやるべき記事だと思います。製作に関わるコンセプトの練り方や時間の効率的な使い方が身体に染みついてくるでしょう。コレがモデラーの「上達」ではないかと思います。

●オラザク選手権の写真の重要性

MAX:これもまた例え話ですが、作品が納品されるときに、その箱の状態で中身の出来がおおよそ想像できます。きれいな梱包がしてあったら「これほど丁寧な梱包なら、中身もしっかりした出来に違いない」と感じるし、実際ほとんどそうです。たま〜に例外はあるけどそれは本当にレアケース(笑)。それと撮影は一緒です。バック(背景)には気を使って欲しい。一見良さそうでしっかり作ってあるように見えてもバックがカーテンだったりするのは心構えとして良くないと思うし、実際作品はアラがあることが多い。照明なんかはある程度経験が必要だけど、今はスマホで十分撮れるんだから。

木村:審査で作品を判断するのは写真しかないですから、写真のクオリティは大変重要ですね。なかでもまずはカッコいい立ちポーズの写真を撮ること。カッコ悪いとそれだけで「この作品うまくないのかな」と思ってしまいます。

MAX:そうだね。どんな画が撮りたくてどんなコンセプトで作って、どう塗ったかみたいなことは全部写真に出ますからね。

木村:「こういうポーズがとりたい」と思って作った作品ならそのポーズはぜひ見たいので、必ず応募写真に加えてほしいですね。そういう写真は必ず審査員の目に留まります。

MAX:すごく乱暴な言い方をすれば、その1枚さえあれば他はいらないくらい大事ですね。逆にそれがないと審査のテンションも上がらない。

木村学オラザク選手権対談

●SNSで作品を公開することについて

MAX:僕はどちらでもいいかな。SNSで見たことのある作品であっても、それで評価は変わりません。公開することで製作のモチベーションが維持できたり上がったりするのなら、SNSを使うのは個人的にはいいことだと思います。

木村:SNSは基本的に見ないので「SNSで見たな」という体験自体ないですね。仮に知っていたとしても、MAXさんと同じようにそれで評価が変わることはないです。私が古い人間だからかもしれないけど、SNS上の評価と一般の評価は決してイコールではないと考えています。

MAX:バズるっていうのは要するに何らかの理由でウケたというだけのことですよね。ソレは必ずしも作品の良し悪しや作者の熱量が反映されているわけではないから見誤ることはありません。

●これからオラザクに参加する皆さんへ

木村:コンテストや展示会のいいところは締め切りが設定されているところです。もうひとつはいろんな人に見てもらえるし、時にはアドバイスももらえる。これも大きなメリットだと思います。オラザクはそのなかでも、作品を見てもらえる母数が圧倒的に大きいんですよ。作品を何万人に見てもらえます。しかも参加したら必ず誌面に載る。これはオラザクの醍醐味だと思っています。手前味噌ですが、このコンテストを考えて作品全掲載を英断した、諸先輩の判断は素晴らしかったと思います。

MAX:先ほど言ったことと重複するんですけど、トレーニング(模型製作)のきっかけになるし、レース(コンテスト)があれば必ず完成へたどり着けるんですよ。それによって完成品が増えるのもメリットだし、何より模型はうまくなったほうが楽しいし、模型を作るモチベーションをキープするためにもオラザクは積極的に利用して欲しいと思います。

(2026年8月ホビージャパンにて)

MAX渡辺×木村学オラザク選手権対談

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