HOME記事キャラクターモデル発見・命名から160年を経た「ドリプトサウルス」の最新復元を「ティラノサウルス1915」をベースに製作!骨格図・解説担当のG. Masukawaがピンチヒッターとして作例に挑戦【プラノサウルス復元プロジェクト】

発見・命名から160年を経た「ドリプトサウルス」の最新復元を「ティラノサウルス1915」をベースに製作!骨格図・解説担当のG. Masukawaがピンチヒッターとして作例に挑戦【プラノサウルス復元プロジェクト】

2026.09.19

プラノサウルス復元プロジェクト/ドリプトサウルス 【BANDAI SPIRITS】●ウラベヒロト(アーミック)、 G.Masukawa(GET AWAY TRIKE!) 月刊ホビージャパン2026年10月号(8月25日発売)

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■改造

骨格図

ドリプトサウルスの骨格図の画像

 この20年あまりでティラノサウルス上科に関する研究は飛躍的に進んだ。そうした中にあって、ティラノサウルス上科でも特に古い時期に命名されながら、今なお謎が多いのがドリプトサウルスである。
 恐竜研究の黎明期に当たる1866年に発見されたドリプトサウルスのホロタイプは四肢の大部分が保存されており、大型肉食恐竜がクマとワニのハイブリッドのような体型ではなく、カンガルーと走鳥類のハイブリッドのような体型であることをはっきりと示していた。しかしホロタイプ以外の標本は知られておらず、黄鉄鉱病*によってホロタイプの損傷が進んだこともあり、2000年代になるまで系統関係はよくわかっていなかったのである。近年の研究でドリプトサウルスがティラノサウルス上科、それもティラノサウルス科にかなり近い系統のものであることが明らかになっている。
 ドリプトサウルスの四肢は7m級のティラノサウルス上科にしてはかなり太く、サイズの割にはがっしりした体型だったようだ。とはいえティラノサウルスと比べるとかなり異なる体型のため、プロポーションの変更を中心に改造していく。

ドリプトサウルスの製作の画像その1
▲ まずは頭骨から。そもそもドリプトサウルスの頭骨はアゴの断片くらいしか見つかっていないが、頭骨全体のバランスはティラノサウルスとはかなり異なるはず。カンクウルウやゴルゴサウルスの亜成体を参考とした頭骨図と比較して、工作のアプローチを探っていく
ドリプトサウルスの製作の画像その2
▲ 基キットの形状をできるだけ活かすため、キットパーツを各部で切断・加工してから貼り合わせることにした。頭骨の長さはそのまま、高さが低くなるように調整する。歯の本数はそのまま、ティラノサウルスより細く見えるように削り込んでおこう
ドリプトサウルスの製作の画像その3
▲ 頭骨のインナーパーツ(A14)を削り込み、後頭部の左右幅がティラノサウルスよりも狭くなるように調整して全体を再接着する。下アゴの幅は手で曲げて調整しよう(模型はパワーだぜ)。こうした頭骨は進化型のティラノサウルス上科に加え、ティラノサウルス科の幼体・亜成体で一般的だ
ドリプトサウルスの製作の画像その4
▲ 全体にUVパテを盛り、形状を追い込んでいく。下アゴの後半部は恐竜ビルドの関係で大きく抉れているうえにボリューム不足なので、しっかりと補ってやろう。涙骨(眼窩の前縁をなすL字型の骨)の角状の突起は、カンクウルウと同様の、水平方向に張り出したカマボコ型にしてみた
ドリプトサウルスの製作の画像その5
▲ 続いて頸椎・胴椎・仙椎(と第1尾椎)の加工に移る。胴椎・仙椎・尾椎の長さはちょうどよいが、頸椎がドリプトサウルス(の近縁種から想定される様子)と比べてずっと短く、がっしりしている。頸椎をひとつずつ切り離して加工するには作者の工作力が追い付かないので、楽な手を考える
ドリプトサウルスの製作の画像その6
▲ キットパーツの構造を活かし、頭部と胴体のボールジョイントの受け部分をずらして再接着することにした。当然強度は低下するので、隙間にUVパテなどを詰めて補強しておこう
ドリプトサウルスの製作の画像その7
▲ ボールジョイントの受けをずらしたぶん、首が長くなった。そのままだと棘突起部分のパーツがうまくはまらなくなるので、干渉する部分を削り取って接着する。軸椎(第2頸椎)の棘突起がやや足りなくなるので、パテで補おう
ドリプトサウルスの製作の画像その8
▲ 骨盤は全体的に大きいので、腸骨・恥骨・座骨でカット後、各部を切り詰めて再接着する。各部の凹凸も削り込み、キットパーツよりも骨盤がすらりとして見えるようにする。骨盤の裏側にある接合部分も削り取っておこう
ドリプトサウルスの製作の画像その9
▲ 胴椎と仙椎のパーツから肋骨・骨盤の接合部を削り取り、そこへ骨盤を接着する。キットの骨格ビルドよりも骨盤の左右幅が狭くなるよう、恥骨と座骨は手で曲げて調整しよう(模型はパワーだぜ)
ドリプトサウルスの製作の画像その10
▲ 骨盤を接着したら、そこを基準に肋骨を作り込んでいこう。一体成型された肋骨をエッチングソーなどで1本ずつ切り分け、角度・長さを調整しながら胴椎に接着していく。棘突起はもう少し高さが欲しかったので、パテで延長した
ドリプトサウルスの製作の画像その11
▲ 尾椎(キット付属の現代的な復元バージョンを使用)はティラノサウルスらしくボリューミーなので、血道弓と尾の先端の棘突起・横突起を削り込み、全体的にスリムに見えるようにする。フレキシブルに可動させたいので、前半部の尾椎と血道弓をひとつずつ切り分け、金属線を通しておく
ドリプトサウルスの製作の画像その12
▲ 肩甲骨はブレード部(肩関節より後方のほっそりした板状の部分)を切断し、左右で入れ替えてやると肋骨とのフィッティング性が向上する。肩関節の周辺やブレード部の端はパテを盛ってボリュームを出してやろう
ドリプトサウルスの製作の画像その13
▲ 前肢はドリプトサウルスの命(作者調べ)。しっかりと作り込んでやりたいところだ。キットの前肢を肘と手首のところで切り分け、橈骨・尺骨は左右を入れ替えて再接着する。手はテリジノサウルスのものを切り出し、第III指・中手骨を取り除く。末節骨もテリジノサウルスのものをそのまま削り込んで使おう。上腕骨の三角筋稜(筋肉の付着する突起)など足りない部分はパテで造形する
ドリプトサウルスの製作の画像その14
▲ 後肢は骨格図に合わせて長さ・太さを調整する。趾は各部でカットし、金属線を通して接地性を向上させる
ドリプトサウルスのプラモデルの全体画像その5
▲ 首が伸び、骨盤が小さくなったぶん、改造前の骨格ビルドよりもずっとスマートになった。趾を可動化したため、しっかりと二足で自立する。金属線を通した分骨格図よりも尾と趾がやや長くなったが、全体のバランスは良好だ。バランスの確認が済んだら塗装に移ろう

次ページ──塗装詳細

© BANDAI SPIRITS

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