アジア最大級の竜脚類「シンジャンティタン」を復元!! 福井県立恐竜博物館の特別展「竜脚類 ~大地を揺るがした地上最大の生き物~」の目玉展示を「プラノサウルス ブラキオサウルス」を改造して再現!【プラノサウルス復元プロジェクト】
2026.08.20
プラノサウルス復元プロジェクト/シンジャンティタン【BANDAI SPIRITS】●ウラベヒロト(アーミック)、G.Masukawa(GET AWAY TRIKE!) 月刊ホビージャパン2026年9月号(7月24日発売)
▲マメンチサウルス科のシンジャンティタンは、首の長さで知られたマメンチサウルス科のなかでもひときわ首が長い。ホロタイプの首の長さは優に13mを超え、頸椎の下に連なるほっそりした頚肋骨は長いもので4.5mにもなる。恐竜、ひいてはあらゆる動物のなかでも屈指の首の長さを誇るシンジャンティタンだが、肩より後ろの骨格は驚くほどコンパクトだ。全長の半分以上が首で占められている
プラノサウルス復元プロジェクト
第十六回 シンジャンティタン
実際の化石や骨格図を基に、BANDAI SPIRITS「プラノサウルス」の骨格ビルドをよりリアルに“復元”する連載企画「プラノサウルス復元プロジェクト」。
第16回は、2026年7月10日からスタートした福井県立恐竜博物館の特別展「竜脚類 ~大地を揺るがした地上最大の生き物~」の目玉展示、シンジャンティタンに挑戦する。恐竜史上屈指の長大な首で知られるアジア最大級の竜脚類を目に焼き付けよう。
G. Masukawa
模型大好きサイエンスイラストレーター・ライター。恐竜の骨格図は国際的に高く評価されており、世界各地の博物館やイベント、論文を飾っている。主な著書に「恐竜のきほん」、「ディノペディア」(誠文堂新光社)、「新・恐竜骨格図集」(イースト・プレス)。執筆に「学研の図鑑LIVE エクストリーム ティラノサウルス」(Gakken)など。
プラノサウルス ブラキオサウルス
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●1870円、発売中●約27cm●プラキット
古生物ガチ勢の北谷テトリと、アイドル志望の中里カンナ、そして正体不明のディノ君が繰り広げる古生物コメディ! テレ東系6局ネット毎週日曜あさ7時から「アニもり!」内にて放送中!
■使用ツール
▲・ニッパー ・デザインナイフ ・エッチングソー ・彫刻刀 ・各種ヤスリ ・ピンバイス
▲竜脚類の頸椎の形態は非常に多様で、グループごとにはっきり異なっている。シンジャンティタンをはじめとするマメンチサウルス科の頸椎はブラキオサウルスよりもずっと前後に長く、ほっそりした形態である。頚肋骨は竜脚類のなかでも群を抜いて長く、首の可動範囲と引き換えに姿勢の維持を助けているようだ。それでも長い首のおかげで、10mを超える高さにたやすく口が届くようになっている
▲首の極端に長い竜脚類の例にもれず、シンジャンティタンの頭骨は巨体のわりにごく小さい。口先(未発見)の左右幅は狭かったとみられ、植物をえり好みしていたことが考えられる
▲竜脚類の頭骨は非常に華奢で、体のわりに小さいこともあって保存されにくい。シンジャンティタンのホロタイプでも頭骨はほとんど残っていなかったが、第2標本(福井県立恐竜博物館の特別展で展示中)では後頭部が一連の頸椎とつながった状態で発見された。“マメンチサウルス”・ヤンギとよく似た、左右幅の狭いコンパクトな頭骨だ
▲竜脚類の尾は、腰から付け根が跳ね上がるようにして生えるものがいくつも知られている。シンジャンティタンをはじめ、マメンチサウルス科でもこうした特徴がしばしば見られる
骨格ビルド(素組み)
骨格ビルド(改造後)
▲これほど首が長いと、プラノサウルスサイズの骨格模型では自立が難しい。生きている時のシンジャンティタンは胴体が重い内臓を抱えている上、尾椎と比べて頸椎が著しい含気化*を遂げていることもあり、極端にフロントヘビーでもなかったはずだ。ブラキオサウルスをはじめとするブラキオサウルス科とシンジャンティタンをはじめとするマメンチサウルス科の骨格は、プロポーションから細部のつくりに至るまで大きく異なっており、キットの骨格ビルドの原形はほとんど残っていない。作例では肩から後ろに大量の鉛玉を埋め込んでおり、4本の足で辛うじて自立する
*含気化:骨髄腔とは別に、骨の内部が空洞化すること。竜脚類や獣脚類では骨格の含気化がよく進んでおり、頸椎や胴椎の含気腔(空洞)には鳥類と同様、肺からつながる気嚢が収まっていたと考えられている
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