HOME記事スケールモデルヤマハRZ350ナナハンキラーと呼ばれた「ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)」キットの素性を活かしつつ、チェーンを3Dプリントで別パーツ化などディテールアップして製作!

ヤマハRZ350ナナハンキラーと呼ばれた「ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)」キットの素性を活かしつつ、チェーンを3Dプリントで別パーツ化などディテールアップして製作!

2026.06.16

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)【ハセガワ 1/12】●畠中浩(ももふく模形舎)

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
サムネ

YAMAHA RZ350 (4U0)(1981)

 国産バイク史にその名を刻む名車の数々を、徹底したリサーチで再現するハセガワのバイクモデル。今回はその魅力的なラインナップから畠中浩が子供時代の憧れの1台だったというヤマハ RZ350をピックアップ。キットの素性を活かしつつ、現在の技術を駆使してディテールアップを行った。

解説


 1980年にデビューするやいなや絶大な人気を博したヤマハの2スト・スポーツの傑作、RZ250。その翌年に登場したRZ350は排気量が247ccから347ccに拡大された、欧州向けのRD350LCの国内向けモデルである。最高出力は45PS。パワーウェイトレシオもRZ250の3.97kg/PSから3.17kg/PSに向上し、400ccはもちろん、さらに上の大排気量マシンとも渡り合えたことから別名「ナナハンキラー」とも呼ばれた。

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
横(左側)
ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
横(右側)

徹底工作で甦る思い出の1台

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
全体
フロントフォーク
そのまま接着すると強度不足になりそうだったので0.5mmの真鍮線を仕込んで補強している
▲フロントフォークは画像のように分割。そのまま接着すると強度不足になりそうだったので0.5mmの真鍮線を仕込んで補強している
前輪 アップ
フロントブレーキのディスクに貼るステンレステープを切り出しているところ。

▲フロントブレーキのディスクに貼るステンレステープを切り出しているところ。黄色のカッターはオルファのサークルカッター。グレーの円盤はディスクをリューターに固定するための自作治具

メーターは最近作者が他作例でもやっている奥行きを表現する構成。
ガラスは0.2mmのポリカ板を切り抜いたもの

▲メーターは最近作者が他作例でもやっている奥行きを表現する構成。ガラスは0.2mmのポリカ板を切り抜いたものである

エンジンは抜き勾配を修正しつつ製作。隙間ができないように丁寧に調整しながら組み立てを行った
▲エンジンは抜き勾配を修正しつつ製作。隙間ができないように丁寧に調整しながら組み立てを行った
ホース類はキット付属のものに加え、アドラーズネストの0.4mmと0.65mmのチューブを部位によって使い分けている
▲ホース類はキット付属のものに加え、アドラーズネストの0.4mmと0.65mmのチューブを部位によって使い分けている
ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
前
作者が以前からやってみたかったという隙間の開いたチェーン
3Dプリントで製作したチェーン
立体感や塗装のしやすさを考えてチェーンとスプロケットは別パーツとした

▲作者が以前からやってみたかったという隙間の開いたチェーン。こちらはデータを作り、3Dプリントで製作。立体感や塗装のしやすさを考えてチェーンとスプロケットは別パーツとした

メイン、サイド両スタンドの製作途中
メイン側中央、半透明のC型パーツが肝となっており、これがないといい位置で止まらず位置関係を出すのに苦労したとのこと

▲メイン、サイド両スタンドの製作途中。メイン側中央、半透明のC型パーツが肝となっており、これがないといい位置で止まらず位置関係を出すのに苦労したとのこと

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
後ろ

 小学5〜6年、車やバイクの本を読み漁っていた頃、子供に人気のナナハンには興味がなかった時に登場したRZサンパン。街中で実車を見かけた時に聴いた2ストのエンジン音に痺れ、早々から呼ばれていたナナハンキラーというコピーにも子供心をがっちり掴まれました、ホワイトボディにブルーの爽やかなラインが印象的な今でもヤマハで一番大好きなバイクなんですよ。ただ、振り返ってみると、あれ? 作ったことないじゃねーか! と。模型好きとしてはやっぱり手元にミニチュアが欲しいですからね。ここはチャンス! ということで再販に合わせて作ってみましたよ。
■カウルとフレームの製作
 限られた製作期間なので接着部の乾燥時間をしっかり取るため一番最初の作業としてタンクやフェンダーなどの接着から始めます。タンクは給油口の部分が別パーツになっていますが、合いが良いのでプラ用接着剤(タミヤの白)を多めに塗ってむにゅっとはみ出すくらい強く押し付け接着。1週間ほどかけて完全乾燥後、合わせ目を処理しました。乾燥が不完全だと削っても時間経過で合わせ目が凹むので可能な限り乾燥時間を取りたいところ。フロントフェンダーは成型の都合上パーツの厚みが目立ってしまうので先端と後端のみ薄く削って仕上げています。メインとサイドのスタンドはどちらかを選択して接着することになるので、ここは可動式に改造しました。メインスタンドは可動域を固定するC型のパーツが必要で、強度を考え0.5mmの塩ビ板から切り出し、ウェーブのスプリングを使って装着しています。
■エンジンの製作
 エンジン関係のパーツも合いがいいのですが、シリンダーブロックなどは成型の都合上、抜き勾配がついているので仮組みをしつつ各パーツが隙間なく組めるようすり合わせをしました。説明書ではエンジン部をフレームではさむ構成ですが、フレームをしっかり接着したいということでエンジンをあとから組み込む形に組み手順を変えて進めたのですが、キャブの組み込みが大変すぎたのでここは説明書の指示に従いましょう。
■足周り
 フロントブレーキディスクはそのままシルバー塗装するのも味気ないなぁと思い、久しぶりに薄手のステンレステープを使用。ディスクを両面削って薄くしてからテープを貼り付け、リューターでグルグル回しながら400番の紙ヤスリを当ててブレーキディスク特有の傷を入れました。フロントフォークは塗装後にC15をC14へ接着するようになっていますが、事前にがっちりC14と接着。E4とE5は途中でカットし、真鍮線を通して上下から差し込む形に変更しました。フォーク部のパイプはハセガワのミラーフィニッシュを貼っていますが、時間の経過とともに白く曇る可能性があるのでメッキ系の塗装をするのが正解かもしれません。
■ディテールアップ
 キットには柔らかめのチューブが付属していますが少々太め。太くてもいいところは付属のチューブ、その他はアドラーズネストの0.4mmと0.65mmに交換しました。そのためキットの極細な接続部が使えなくなるので穴を開けられるところは差し込み式とし、取り付け部が細すぎる場所は0.3mmの穴をあけ真鍮線を取り付け、そこに中の芯材を抜いた線材を差し込む形にしました。
■塗装関係
 ボディカラーはガイアカラーのホワイトに少量のブルーと黒を混ぜて彩度を落とした白で塗装。デカール貼り付け後、研ぎ出しの楽なラッカー系、ガイアカラーのクリアーでコートしました。エンジン関係はブラックが多く単調になりやすいということで、誌面で伝わるか分かりませんが、色味とツヤを変えた4種類ほどのブラックというより濃いグレーを調色して塗り分けています。シートカウルに付くメッキのバーは、パーティングラインは目立たないものの真後ろにゲート跡が……。ミラーフィニッシュでタッチアップするのがお手軽ですが、今回は愛用しているガイアカラーのGP08プレミアムミラークロームを使って全塗装。そのままだと触る度に塗膜が剥がれていくのでGSIクレオスのH30水性クリアーでコートしました。若干メッキ感が落ちますが許容範囲、いつでもすぐに手に入るのでこのセットで愛用中。そしてこのRZ350で大変な作業といえばホイールの塗り分けでしょうか。今回はまずホイール全体をシルバーで塗装し、マスキングを剥がす際に粒子を持っていかれないよう1回だけクリアーコートし、しっかり乾燥したらリム部分をマスキングしてスポークとハブを黒で塗装。GSIクレオスの8番シルバーをスポークのエッジに筆塗りしました。黒をエナメル塗料などにして拭き取るパターンもありますが、この程度なら逆に筆塗りしたほうが早かったです。
■最後に
 幼少の頃から大好きなRZ350。今見てもかっこいいバイクです。精密で精度の高いパーツぎっしりの素晴らしいキット。作ったことがない人はぜひ手に取ってみてください!

ハセガワ 1/12スケール プラスチックキット

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)

製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)

ヤマハ RZ350 (4U0)(1981)
●発売元/ハセガワ●3740円、発売中●1/12、約17.4cm●プラキット

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畠中浩(ハタナカヒロシ)

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