チッピング液で簡単ウェザリング! HGグフ・カスタム&ザクIIF2型をシブく魅せるには
2024.02.21“情景王”が魅せる砂漠ウェザリング/撤退【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)
“情景王”が魅せる砂漠ウェザリング
チッピング液でチッピング表現はもう怖くない!
砂漠での運用を想定した汚し方は王道なウェザリングテクニックとして古くから確立されており、ガンプラウェザリングを語る上で避けては通れません。ということで、砂漠をテーマとしたディオラマもご用意しました。ディオラマの第一人者である山田卓司が製作を担当し、こちらはチャレンジしやすいコンパクトな“ヴィネット仕上げ”。モビルスーツ2機と地形のみで情景を演出。使用キットは渋い仕上げと相性抜群のグフ・カスタムとザクIIF2型をチョイス。難しいと思われがちなチッピング表現は、2023年11月にタミヤから新たに発売されたチッピング液を活用することで簡単にできますので、ここではそのやり方をお教えします! また、グフは控えめ、ザクは濃いめにウェザリングを施しているので、その対比にもご注目ください。
ディオラマ製作・解説/山田卓司
山田卓司(ヤマダタクジ)
今回はこの“チッピング液”がキーアイテム!
チッピング液
●発売元/タミヤ●495円、発売中●40ml
❶チッピング液を使用する前にラッカー塗料で下地色を作る
❷チッピング液塗布後はアクリル塗料で上塗り
❸ヴィネット仕上げでも物語性を持たせよう
①ベース塗装
②チッピング液投入!
③ザクの場合
④グフの場合
⑤土汚れ表現
撤退
渋〜い仕上げとなったグフとザクを配置し、風紋がある砂丘地帯のイメージで地形を形成させてヴィネットとして完成させました。グフ・カスタムが先の戦闘で脚部を破損したザクIIF2型を回収するものの、運悪く地球連邦軍に見つかってしまい、ザクを引き連れて撤退しつつガトリング・シールドで応戦する…というシチュエーションを想定しています。チッピングはウェザリングの定番テクニックであり、描き込む手法でも再現できます。しかし、今回お届けしたチッピング液を活用する手法では実際に塗料を剥がすことになり、描き込むよりも簡単にリアルに見せることができます。“チッピング液を塗る前の下地はラッカー塗料、塗布後の上塗りはアクリル塗料”というポイントを忘れず、気軽にチャレンジしてみてください!
■砂漠
今回の特集で私の担当は「砂漠」とのこと。強烈な陽射し。日中は高温、夜半は低温という激しい気温差。水気がなく極端に乾燥した過酷な地域で運用されるモビルスーツとはどんなものでしょうか? 私は実際に砂漠地域に行ったことはありませんので、大戦中や戦後の軍用車両の画像からイメージをふくらませました。今回、最初に編集部より渡されたのはグフ・カスタムのみ。1体だけだとドラマが作りにくいと感じたので、F2ザクを1体だけ追加させていただきました。今回はコンパクトなヴィネット仕上げで情報量も限られており、2体並んで静かに行軍中とかの構成で砂漠が舞台だと殺風景(それはそれで面白そうではあるのですけど(笑))な印象になりそうなので、戦闘中の場面を構想。モビルスーツは人型なので、人間同様のドラマが作りやすい。今回互いに助け合う兵士たちのイメージで作ることにしました。現実の戦争では装輪車両を運用することから比較的平坦な地域で行われていることが多いのですが、モビルスーツならさまざまな地域での運用も可能なはずで、より起伏の激しい地形でも問題ないはずです。今回は誰もがイメージするであろう風紋がある砂丘地帯を舞台にしました。
■グフとザク
グフは高い荷重に耐えるヒート・ロッドを備えているので、機体を運ぶのなら理屈上ではザクに巻き付けたほうがそれらしいのかも知れませんが、緊縛しているみたいになって作品としての焦点がぼやけると感じました。人間らしさの演出もしたかったので、ザクを引き連れている風にしました。基本的にはどちらのキットもそのままのストレート組みですが、ザクのみ破損した右脚の表現を加えてあります。ジオン系モビルスーツの命とも言えるモノアイは、蛍光ピンクで塗装しています。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”グフカスタム+ザクII F2型(ジオン軍仕様) 使用
撤退
ディオラマ製作・解説/山田卓司
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