【ビルダーズノート】プロモデラーが選ぶ!ユーザー投稿作品レビュー!~木村直貴、オトカワ編~【ガンプラ】
2023.12.27ホビージャパンでも活躍のプロモデラーが、ビルダーズノートの投稿作品をレビュー!
公式ガンプラコミュニティーサイト「ビルダーズノート」に投稿された作品の中から、ホビージャパンで現役で活躍するプロモデラーが作品をいくつかピックアップし、その作品にコメントをしていく本連載。今回も、現在開催中のイベント「SEEDガンプラミッション in ビルダーズノート」からピックアップしてレビューいたします!
今回コメントをしてくれるのは木村直貴氏とオトカワ氏の2名です!モデラー歴には差がありますが、おふたりはどちらもオラザク選手権の入賞からモデラーデビューし、さらに精緻でキレイな作例を作るという点でも共通点がある、ホビージャパンが誇るプロモデラーです。
「ビルダーズノート」とは?
「ビルダーズノート」はバンダイナムコエンターテインメントが運営する公式ガンプラコミュニティです。 ガンプラのファンが集まり、日夜さまざまな作品が投稿されています。
▶サイトはこちら!
木村直貴 氏ってどんなモデラー?
毎年月刊ホビージャパン誌上で開催される全日本オラザク選手権。木村直貴氏は2000年に開催された第3回目の大会で入賞したのをきっかけにライターデビューし、今でも現役でハイクオリティな作例を作り続けている超ベテランモデラーです。
ガンプラから各種スケールモデル、城郭模型に至るまであらゆるジャンルの模型をその超絶テクニックで仕上げる、現代の“マイスター”とも称される木村直貴氏の手にかかればプロポーション、面出し、スジ彫り、マーキングまで非常に精緻な技術で仕上げられ、その完成品のどこを取っても破綻が無い作例に仕上がります。
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\木村直貴氏の作例が表紙の月刊誌もあわせてチェック!/
月刊ホビージャパン2023年2月号
1,100円(税込)
オトカワ 氏ってどんなモデラー?
2022年の全日本オラザク選手権のガンダムAGE部門で金賞を受賞し、その後同じ年の4月号で電撃モデラーデビューを果たしたオトカワ氏。非常に丁寧で精度の高い基礎工作によって完成度が底上げされ、そこにオトカワ氏の繊細できめ細やかな塗装が施されると、清潔感に溢れ、雑味を一切感じないキット本来の魅力が最大限に引き立った作例が完成します。
オトカワ氏の作例はビルダーズノートにも公開されているため、気になった人はこちらもチェックしてみてください!
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「MGケンプファー・シュヴェーア」キットレビュー作例! プロポーション変更と金属パーツ使用のディテールアップでさらに重厚感を出す
\オラザク選手権で金賞も受賞しています!/
ピックアップ&レビュー!
現在投稿されているユーザーの中から5作品をピックアップ! 月刊ホビージャパン編集部スタッフのコメントとともにご覧ください!
ピックアップ! No.1
RE/100 ガンダムリンドヴルム(ロービジカラー)
製作/カササギ 様
■木村直貴
ロービジ仕様機、渋くてカッコいいです。ゼータ系メカとしてはよくあるパターンですが、それでもこの作品はイメージにとてもマッチしています。腹部の青い縦ラインが目立ちますが、これは全体を引き締めてよりスマートに見せるプラスの視覚効果がありますね。細かく見ても、パーツ整形から塗装までとても丁寧に仕上げられていて全くスキが無い! 相当な上級者です。
なかでもシャープにスミ入れされたパネルラインが清潔で破綻なく、航空機らしさを高めています。マーキングのセンスもよく、メタリック色もいいアクセントで、全体的にスケール感あふれる、見ていて気持ちの良い作品です。
■オトカワ
改造等は一切行わずカラーリング変更だけ、とのことですが塗膜は平滑でスミ入れもシャープですし、ひと目で「あ、上手だな」と感じた作品です。
ロービジというのはその特性上「ガンプラ作品」として見たときに、ともすれば地味になりすぎたり他に埋もれてしまったりするものですが、本作品では頭部・胸部・腰部を結ぶ中央の縦のライン上にブルーを配したことで、ロービジでありながらも作品として華やかで魅力あるものに仕上げられています。
■ホビージャパン編集部
「ロービジ」とは、現実の軍用機に見られるグレーのカラーリングのことを言います。本来は敵に見つからないよう地味な塗装となりますが、本作品には頭部や胸部といった人の視線が集まりやすい部分に青を配置することで、模型としてしっかり目を惹くものとなっています。ガンプラというフィクションの世界にロービジという現実の設定を上手く盛り込み、模型として破綻の無い形に仕上がった美しい作品となっています。ふたりのモデラーさんも大絶賛ですね!
ピックアップ! No.2
HGCE GAT-04 ウィンダム(ネオ・ロアノーク専用機)
製作/玖弐零式改(type920r) 様
■木村直貴
鮮やかなネオ専用ウィンダムです。高度な仕上げ技術&塗装技術が感じられ、それが功を奏して、まるで工業製品のカタログのような清楚で気品のある写真に仕上がっています。
細かく拝見してみると、特に、ミサイルの弾頭やスラスター内部の塗り分けが大変美しいことに気づきます。これは簡単にはマネのできない、スケールを疑わせるようなシャープな塗り分けです。翼端のシャープ化など手を加えずとも、基本工作だけでここまでスケール感を上げることができるという素晴らしい好例です。
■オトカワ
単色成型されているミサイル等は細かく塗り分けされてあり、私なんかは面倒でつい手抜きしてしまいたくなるようなバーニアも底面・内部側面・外側としっかりと3色で塗装してあって、その色分けの境界は非常にシャープです。おそらく大きな改修等はされていないと思うのですが、丁寧な仕上げに製作スキルの高さを感じました。
HGならではのハンドパーツの「穴」をプラ材で塞いであるのも、手軽な手法ながら非常に効果的ですね。
■ホビージャパン編集部
展示会などでは目を惹くこと間違いなしのビビッドなカラーリングのネオ専用ウィンダムですね。ふたりのモデラーさんもおっしゃる通り、脚部やシールド、バックパックのミサイル部分まで塗り分けが徹底されていて、さらに脚部を中心にスジ彫りも深く彫り直されているので、全体が引き締まって見えます。丁寧な仕上がりがとても好印象です。
ピックアップ! No.3
GAT-03X2 プロトタイプウィンダム/ストライク次世代量産試験機
製作/ユースケ 様
■木村直貴
センスの良いミキシングビルド作品です。ストライクの手脚を流用することで武骨感が残り、いかにも”洗練される前のウィンダム”という感じがしてリアルです。オリジナル配色も往年のファン心をくすぐる、とても”プロトタイプ”したカラーだし(笑)、なぜか言いえぬ魅力に満ちた作品で惹かれてしまいました。
仕上げも塗装も上手だし、なによりとても楽しんで作られているのがよくわかる一作です。
■オトカワ
あまりに自然なシルエットなので設定上存在する機体なのかと思ったのですが、オリジナルMSということでよろしいでしょうか(笑)。メインカラーのブルーグレーに差し色の赤が効いていて、落ち着いていながら退屈さを感じないカラーリングです。シルエットのまとまり具合と相まって、非常に説得力のあるミキシングビルド作品だと感じます。
細部までは分からなかったのですが、塗装かデカールによる表現でしょうか、フロントアーマーのラインマーキングも大変効果的だと思います。
■ホビージャパン編集部
ミキシング作品は設定を盛り込めば盛り込むほど、「なぜそこにそのパーツが付いたのか」ということを考えることになります。その結果、なんだかよくわからないものができたりするのですが、本作品は、そういったミキシングと設定のバランスが非常に上手く、作品自体のクオリティも申し分ないものになっています。「設定を考える」という、ミキシングのひとつの楽しみ方が詰まった魅力的な作品です。
ピックアップ! No.4
デスティニーガンダム・エンプティ
製作/神宮寺玲那 様
■木村直貴
神宮寺玲那さんはエアブラシ初心者ということで、コメントとは少し違いますが、ぜひステップアップしてほしいので今回は私が行っているエアブラシ塗装のヒントを少し伝授させてください!
ズバリ、美しく仕上げるキモは塗料の濃度です。エアブラシ用うすめ液で、垂れないギリギリをねらって薄めて何度も吹くのです。サーフェーサーはあくまでも表面の傷チェックと塗料の乗りを良くする目的で使うものなので、できる限り吹く回数を抑えておくと塗料の膜が厚くならないので、スッキリした見た目に仕上がりますよ。もし、サフを吹きすぎてザラついてしまったら800番以上のペーパーで磨くときれいに仕上がります。
作品のカラーセンスには目を見張るものがあるので、ぜひ薄く塗るコツをつかんで素晴らしい作品をいっぱい作ってほしいです。
■オトカワ
初めてのエアブラシ作品とのことで、細かな塗り分け等から塗装を楽しんでいる様子が伝わってくる素敵な作品だと感じました。
ふわふわとした印象になりがちな色を多く使用していますが、そこに暗いパープルを効果的に加えることで作品全体が引き締まって見えます。一見、奇抜なようでいて実はなかなかに計算されたカラーリングなのではないでしょうか。
■ホビージャパン編集部
パステル調のカラーリングが鮮やかで目を惹く作品です。みずいろ、ターコイズブルー、ミントグリーンといった3種類の青色を各部に上手く配色し、ところどころに黒や紫を忍ばせ、最後には赤やゴールドをピンポイントで飾ったカラーリングはセンス抜群ですね!
ピックアップ! No.5
デスティニーアルヴィスガンダム
製作/ワッツ高木 様
■木村直貴
オリジナル解釈のデスティニーインパルスですね。しかも、本物の設定とは真逆のシックなカラーリングは、どこか悪の組織が作ったニセモノ感(?)があって、それが逆にリアルでとてもいいところを突いています。気に入ってしまいました。これはぜひ本物と対決するカットが見たいですね~。二刀流のポーズも、光の翼を展開して対艦刀を構えたポーズも実にカッコよく決まっています。
■オトカワ
デスティニーインパルスをイメージした作品ということでバックパックに特徴的なパーツが使用されていますが、プラ材を用いた工作で取り付けに工夫がされていたり、また頭部・胸部は独自のデザインにアレンジされていて、荒削り感はあるものの自身が思い描くイメージをしっかりと形にした意欲作であると伝わってきます。
落ち着いたライトグレーベースのカラーリングの中に、キラッと光る胸のグリーンが効果的なアイキャッチとなっているのもポイントです。
■ ホビージャパン編集部
さまざまなパーツが用いられて外見が変更されているうえに、カラーリングもモノクロ調になっているのですが、それでもデスティニーインパルスが持つマッシブな印象が崩れておらず、バックパックが付いた状態のシルエットもしっかり決まっていてカッコいい作品に仕上がっています。また、工作力が問われるバックパック周りのミキシングも、可動することをしっかりと考慮した作りになっていて非常にポイントが高いです!
いかがでしたか?今回は木村直貴氏とオトカワ氏による5作品へのコメントでした。
本記事「プロモデラーが選ぶ!」はこれからも隔週でHJWEBにて連載する予定となっておりますので、次回以降のホビージャパン現役モデラー陣によるレビューにもご期待ください!
ぜひ皆さんもビルダーズノートにてトピック「#SEEDガンプラミッション 」をつけて、ガンプラの写真をご投稿ください!
第1弾の林哲平氏、第2弾のurahana3氏の作品レビューも公開しておりますので、ぜひぜひ合わせてご覧ください!
第1弾! 林哲平 編もぜひお楽しみください!
第2弾! urahana3 編もあわせてご覧ください!