「アクリル絵の具塗装」4つの塗装ポイントがすぐわかる! ARTPLA エヴァ2号機でアクリルガッシュの性能を試してみる【水性塗料の教科書】
2023.10.09
アクリルガッシュの「エアブラシ塗装」&「筆塗り」で肉とメカの質感を極める!/ ARTPLA エヴァンゲリオン2号機 獣化第2形態ザ・ビースト「ジオフロント血戦」【海洋堂】 月刊ホビージャパン2023年11月号(9月25日発売)
アクリルガッシュの「エアブラシ塗装」&「筆塗り」で肉とメカの質感を極める!!
プラキットが塗れる「アクリル絵の具」? その力、お見せします!!
この記事ではプラキット塗装にも転用できて、モデラーでも愛用者がいるターナーのアクリルガッシュの塗装をお届けします。ここではツヤ感や質感、メカがカッコよくなる使い方をご紹介。この方法をマスターすれば、この「海洋堂 ARTPLA エヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト「ジオフロント血戦」」のような肉とメカのディテールが融合した模型も、カッコよく仕上げられますよ。匂いが少なく、水や水性ホビーカラーうすめ液で希釈して塗装が楽しめる「アクリルガッシュ」でプラキットを塗装する楽しさを、ぜひ味わってください。
塗る人/むっちょ
月刊ホビージャパンのアクリルガッシュ連載「ターナーアクリル通信」において、毎月アクリルガッシュで模型を塗っているペインター。まさに今回の作例はこれまでの連載の集大成ともいえる完成度になっていますね!!

使用キットはこちら!
ARTPLA エヴァンゲリオン2号機
獣化第2形態ザ・ビースト「ジオフロント血戦」
アクリルガッシュで下地色を塗装
▲こちらは塗装準備として、各パーツの色に合わせた下地色を塗装した状態。このように各ブロックで組んで最終的に接着する構成なので、塗装してから各パーツ組み合わせることができます。こちらは練りゴムで仮組みした状態です
プラキットのアクリルガッシュ塗装のポイントはこの「4つ」だけ!!
1 2種類のアクリル絵の具を知ろう!
アクリルガッシュ
▲ターナーを代表するアクリル絵の具。水だけで希釈可能で、プラにも定着。隠蔽力も強いので、重ね塗りする際も非常に楽。薄めればエアブラシ塗装も可能です
U-35 アクリリックス
▲ぜひアクリルガッシュと併用したい絵の具。透明度が高い塗料なので、下地の色を活かしたグラデーション塗装が可能となります。アクリルガッシュと混色することも可能です
2 筆塗りの準備はお水だけでOK!
▲筆塗りの準備はあっという間。お水とパレットを用意します。チューブタイプなので、塗料を出すのがとっても楽です
▲筆に水を含ませてアクリルガッシュを溶きます。自分の塗りたい濃度になるまで水を加えましょう
▲筆塗り準備完了! パレットの白が若干透けるくらいが模型塗装にはピッタリ。一度で発色させようとせずに、2〜3回塗り重ねて塗面が整うように塗ると、きれいに仕上がります
3 エアブラシ塗装の裏技
▲適性濃度は、紙コップのフチから塗料がさ〜っとスムーズに流れ落ちるくらい。このくらいの濃度でエアブラシ塗装をしましょう
▲実際に吹いてみます。細かいディテール部分にもしっかりと塗料が定着します。今回のキットのように、ディテールが非常に細かいキットの塗装も全く問題なしです
4 エアブラシ塗装時における塗面のクセを覚えておこう!
▲アクリルガッシュをエアブラシで塗装すると、このように濡れ、周りより一段暗くなります。この状態から乾燥することで本来の色が発色し出します
▲こちらが乾燥して完全に発色した状態。ですので、いきなりプラモに塗る前に、プラ板やジャンクパーツなどにテスト塗装をし、色味を確認してから塗ることをオススメします
エアブラシでの塗装
今作は大部分をエアブラシでざっくりと塗り分け、そのあと細部を筆で塗っていくノンマスキング仕上げ。まずはエアブラシ塗装からいきます。
エアブラシで塗った状態!
▲ここからは、この写真までの塗り分けの過程をご紹介します。またここまで塗り上がったら、ラッカー系のトップコートスプレーで保護しておくと、このあとの筆塗り時ではみ出した時に「台所用合成洗剤」で簡単に拭き取れます。ラッカー系でのトップコートは、メーカー推奨ではないですが、ビシャビシャになるように塗装しなければ、塗膜に目立ったダメージはありません
赤の塗装
▲まずはパーマネントレッドを吹き付けます。下地の黒を完全に隠蔽しないように注意。この色が最も暗い赤の部分になります
▲次にクリムソンを塗装。かなり赤みが強くなってきました。影部分にはあまり塗料を塗らないようにしましょう
▲この段階ですでに、黒→パーマネントレッド→クリムソンと3色でグラデーション塗装がなされています。アクリルガッシュは非常にマットに仕上がるので、ツヤがほとんどありません
▲次にU-35のキナクリドンマゼンタを塗装。透けるU-35を全体に塗り、赤のグラデーションを整えます。フィルタリングのような効果を狙います
▲U-35の透明感は、グラデーションを整えるのにも活用できます。少し薄めに溶いた塗料で塗装すると良いです
▲最後にハイライトとして、U-35のカドミウムレッドライトを各装甲の面の中央やディテールが出っぱっているところに塗装して完了です
肉の紫の塗装
▲胴体の赤とともに塗装の肝となる紫。ここは下地の黒を思いっきり活かすために、透明度の高いU-35をメインで塗っていきます。U-35 キナクリドンマゼンタを塗装します
▲黒が透けた暗い紫の上に、次はキナクリドンマゼンタとU-35 チタニウムホワイトを混色したものを塗っていきます
▲ディテールの奥まった部分の暗色を塗り潰さないように、混色した明るい紫を塗っていきます
▲塗り上がり。U-35特有の透明感が、見事に肉の質感を表現してくれます
海洋堂 ノンスケール プラスチックキット “ARTPLA”
エヴァンゲリオン2号機 獣化第2形態ザ・ビースト「ジオフロント血戦」
製作・文/むっちょ
ARTPLA エヴァンゲリオン2号機 獣化第2形態ザ・ビースト「ジオフロント血戦」
●発売元/海洋堂●7150円、発売中●約17cm●プラキット●原型製作/吉良かずや
前半はここまで!
後半では、エアブラシ塗装の後編と細部の筆塗りをご紹介。お楽しみに!
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