「防じん」と「防毒」エアブラシ塗装のマスクどう選ぶ? 呼吸用保護具の専門メーカー「重松製作所」に、模型塗装におけるマスク選びの考え方を聞いてみた!【エアブラシ特集】
2026.05.05エアブラシ塗装のマスクはどう選ぶ? 重松製作所インタビュー 月刊ホビージャパン2026年6月号(4月24日発売)
エアブラシ塗装のマスクどう選ぶ?
エアブラシ塗装で気になるのは、吹き返したミストと溶剤のにおいだろう。だが、ひと口に「マスクをしておけば安心」と言えるほど単純でもない。大切なのは、いま自分が何を吸い込みたくないのかを整理することだ。ミストなのか、溶剤なのか、あるいはその両方なのか。今回は呼吸用保護具の専門メーカー・重松製作所に、模型塗装におけるマスク選びの考え方を聞いた。
取材・文/ホビージャパン編集部
TW01SC
●発売元/重松製作所●オープン価格、発売中●S、M、L●全7色
※吸収缶・フィルタは別売
この記事のポイント
●不織布マスクは塗装用の保護具としては心もとない
●防じん用と防毒用のマスクは役割が違う
●まずは換気、そのうえで必要な保護具を選ぶ
この人に聞きました!
ー本日はエアブラシ塗装時のマスクについてお伺いします。
よろしくお願いします。模型用に限った話ではありませんが、呼吸用保護具の基本も含めてお話しできればと思います。
重松製作所とは
1917年創業。防じんマスク、防毒マスクをはじめとする呼吸用保護具の分野で長年製品開発を続けてきた、国内を代表する老舗メーカーである。
スプレー塗装では必ずマスクが必要?
ー模型ユーザーのなかには、スプレー塗装では必ずマスクが必要だと考えている人も多いと思います。一方で、最近は高性能な塗装ブースも増えていて、においがほとんど気にならない環境もあります。このあたりはどう考えればよいのでしょうか。
まず前提として、一番大事なのは換気です。模型ユーザーさんのなかにはさまざまなタイプの塗装ブースを使っている方がいらっしゃると思いますが、そのなかには、飛散防止の囲いに近い簡易的なものもあれば、しっかり排気できるものもあります。もしミストがきちんと外へ排出されず、室内に少しずつ溜まっていくような環境だと、有機溶剤の濃度も徐々に上がっていきます。イメージとしては、水槽に少しずつ水を入れていくような感じで想像してもらえれば、理解しやすいと思います。家庭用に調整された比較的少量の有機溶剤であっても、長時間の作業になると、飛散したミストや揮発成分が少しずつ蓄積していきます。そういった場合には、マスクを付けたほうが安心です。
ーなるほど。まずは換気ありき、ということですね。
そうですね。逆に、飛散せず、部屋に滞留しない環境がきちんと整っていて、体調にも異変が出ないのであれば、室内の有機溶剤濃度がそこまで高くならず、マスクを付けなくても問題ないケースはあります。というのも、一般家庭で使う模型用塗料や溶剤は、産業用途に比べて扱う量も少なく、濃度も低いことが多いからです。とはいえ、量が少ないから安全というより、飛散しないかどうか、室内に滞留しないかどうかのほうが重要です。
ーでは、もし換気が十分ではない環境だったとして、よくある不織布マスクを付けて塗装するのは有効なのでしょうか。
コンビニなどでも手に入る、いわゆる“サージカルマスク”ですね。こちらは、塗装時の保護具としては有効とは言いにくいです。感染症対策の際にその機能を知った方も多いかと思いますが、サージカルマスクは、感染者側からの飛沫を拡散しないことを主な目的としています。顔とマスクの間にかなり隙間ができるので、外の空気をそのまま吸い込んでしまいやすい。なので、塗装時のミストやガスを防ぐためのものとは役割が違うんです。
ーやはり、塗装では別の考え方が必要なんですね。
そうですね。模型の塗装で問題になるのは、有機溶剤のようなガス状のものとミストのような粒子状のものです。このふたつは、対策の考え方が少し違います。
ー具体的にはどう違うのでしょうか。
有機溶剤のガスや蒸気に対応するのは吸収缶です。ミストや削り粉のような粒子も発生している場合は、防じん機能付き吸収缶です。模型の塗装では、この両方を意識しておくと理解しやすいと思います。
まず整理したい3つのこと
●部屋にミストが漂っていないか
●溶剤のにおいがこもっていないか
●自分が気持ち悪さや頭痛を感じていないか
塗装時のマスク選びは、この3つを切り分けるところから始まる。何となく付けるのではなく、自分の環境に何が起きているかを把握したうえでマスクを選びたい。














