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Mr.ウェザリングカラーとドライブラシで「イングラム リアクティブアーマー」をお手軽汚し!

2023.03.04

Mr.ウェザリングカラーとドライブラシで成型色の良さを引き出す!!/AV-98 イングラム リアクティブアーマー【青島文化教材社 1/43】 月刊ホビージャパン2023年4月号(2月25日発売)

Mr.ウェザリングカラーとドライブラシで「イングラム リアクティブアーマー」をお手軽汚し!

成型色に思いっきり甘えよう! 存分に汚すべし!

 昨今のプラキットの成型色による色分けは非常にハイレベルで、かつ成型色の色味自体も劇中イメージ通りのことが多い。これを活かすかたちで、最小の手数でリアルな雰囲気を出せる仕上げ方が、今回アオシマの1/43イングラム リアクティブアーマーに施した塗装法だ。成型色の上から表面にホコリや汚れを手軽に纏わせることができる塗料「Mr.ウェザリングカラー」と、エナメル塗料によるドライブラシで施す「お手軽汚し」の相乗効果はさまざまなロボットプラモに似合うので、ぜひ記事を参考に楽しんでみてほしい。

製作・解説/斉藤仁孝

◎Mr.ウェザリングカラーでパーツ表面に汚しを加える!
◎成型色よりも明るめに調色したエナメル塗料でドライブラシ!
◎シールの余白を活用したメタリック表現!
◎フィギュアもちょい塗りでOK!


①使用する塗料と塗装前の組み立て

▲今回ウェザリングに使用した塗料。ツヤ消しスプレー、Mr.ウェザリングカラー グレイッシュブラウン/グランドブラウン、タミヤ エナメル塗料フィールドブルー/デッキタン/暗緑色2(IJN)、武器関係を塗るMr.メタルカラー ダークアイアンを準備した
▲成型色を活かすので、パーツのゲートカットはよく切れるニッパーで丁寧に行う
▲ゲート跡をさらに目立たなくするために、400番から600番のヤスリスティックで丁寧に磨いてやろう
▲腕部や太モモのシーリングカバー部は一部合わせ目が存在。今回のキットの場合、合わせ目がシーリングの縫い目に添っているので神経質に消さなくてもよいが、作例では流し込み接着剤を流し込んで接着して合わせ目を消している
▲接着剤をパーツの間に流し込んだら、しっかりとパーツ同士を貼り合わせる。少しだけはみ出した接着剤がパテの代わりになって合わせ目を埋めてくれる
▲最低でも半日は乾燥させて流し込み接着剤が硬化したら、デザインナイフではみ出した接着剤を削る
▲最後の仕上げに、紙ヤスリやスポンジヤスリで合わせ目部分をきれいに磨いた。これで見た目が少しアップした

②Mr.ウェザリングカラーでの汚し塗装

▲次はデカールを貼ってから、ツヤ消しスプレーを吹き付け。プラスチックの光沢感が抑えられて見映えが良くなるのと、このあと塗るMr.ウェザリングカラーが定着しやすくなる効果がある。また白い装甲部分はプラの光沢を活かしたいので、ツヤ消しスプレーは吹いていない
▲ここからが本当に楽しい汚しの始まり! 使用するのはMr.ウェザリングカラーの中でも特筆して万能な「グランドブラウン」。これを塗るだけで本当に良い雰囲気になる
▲筆に塗料を取り、リアクティブアーマー部のディテールの奥まったところにスミ入れと同じ要領でそっと流し込む。全体にバシャバシャと塗り込むと茶色の塊になり麗しくないので、あくまでモールド周辺にのみ塗るようにした
▲逆に腕部シーリングの部分など、ハードに汚したい箇所は全体にグランドブラウンをまんべんなく塗布。アーマー部とそれ以外とで汚す量を変えると、質感の差が生まれてリアルさが増す
▲Mr.ウェザリングカラー専用うすめ液を含ませたガイアノーツのフィニッシュマスターで、余計なグランドブラウンを丁寧に拭っていく
▲奥まった部分の拭き取りや、ぼかしの塩梅をコントロールしたい時は、面相筆を使って撫でるようにするとうまくいきやすい
▲もちろん綿棒で拭き取ってもOK。Mr.ウェザリングカラーは何度も足したり拭き取ったりが繰り返せるので、お好みの雰囲気になるまで何度もチャレンジしよう
▲グランドブラウンはスミ入れにも大活躍。黒でスミ入れするとメリハリが強すぎて若干玩具っぽくなりがちだが、暗い茶色でスミ入れすると自然な雰囲気になる
▲Mr.ウェザリングカラー専用うすめ液を含ませた綿棒できれいに拭き取る
▲足元は他の部位よりも汚れるだろうと考え、ディテール部分から汚れが垂れている表現を追加。グランドブラウンをディテールに流して、綿棒で下方向に伸ばすだけでできるのでお手軽だ
▲裾周りは、ちょんちょんと置いたグランドブラウンを綿棒で叩くようにしてぼかす。こうすることでホコリ汚れをかぶった雰囲気にすることができる
▲ソールはもっとも汚れそうなので、Mr.ウェザリングカラーのグレイッシュブラウンを筆でまんべんなく塗り、泥汚れが垂れている様子を表現した

③エナメル塗料でドライブラシ!

▲リアクティブアーマーとシーリングカバーに、筆で塗料を擦り付ける方法…ドライブラシをしていく。ポイントは成型色より一段明るい色に調色すること!
▲まずはシーリングカバー部。フィールドブルーとデッキタンを混ぜたものを使用する。筆に塗料を含ませたら、筆がカサカサになるまでティッシュで拭う
▲パーツの凸部分に狙いを定めて筆を擦り付けていく。カサカサの筆で塗料を少しずつ擦り付けるので「ドライブラシ」と呼ばれている技法だ
▲さらに先ほどの色に白を足す。こうすることでもう一段明るいハイライトを足すことができる
▲シワの部分の“山”に白い塗料が乗り、明るくなったのがわかる。成型色の色味をベースに、だんだん明るい色をドライブラシすることによって、自然なグラデーションをお手軽に加えることができる
▲ドライブラシをやりすぎたと思ったら、エナメル溶剤を含ませた綿棒で拭き取れば簡単に修正できる
▲リアクティブアーマーには、暗緑色2(IJN)をベースに少量のデッキタンを加えた塗料でドライブラシする
▲後は先ほどのシーリングカバー部とやり方は同じ。凸のディテールやパーツの角を筆で擦ってやろう!

④シールの余白のメタリックを活かそう!

▲キットには細部のカラー表現用にシールが付属している。この余白部分が銀のシールになっており、これを切り出して使うとお手軽にディテールアップできる
▲首元のシリンダー。こちらは最高のディテールアップポイント。シールを適当な長さにカットして、巻きつけよう
▲銀シールは傷が目立つので、貼り込む時は先の丸い綿棒などで優しく密着させる。とてもお手軽にシリンダーの金属色を表現できた
▲ライトの内側に銀シールを貼っておくと、クリアーパーツがよりキラリと輝くのでオススメだ

⑤フィギュアもちょい塗りでOK!!

▲首元からチラリと見えるパイロットが塗装されているとより雰囲気が出る。ただ、1/43のサイズともなるとしっかり塗らずともそれなりに良い雰囲気になるので、気軽にチャレンジしよう。タミヤのアクリル塗料で筆塗りしていく
▲タミヤのアクリル塗料は伸びが良く隠蔽力も強いので筆塗りにピッタリ! 白い部分は成型色のままだ。まずは明るいオレンジや肌を塗る
▲その後フィールドブルーやNATOブラックなど暗い色を塗っていく。白い部分に塗料がはみ出したら、デザインナイフで削ろう
▲最後の仕上げに、全体をMr.ウェザリングカラーのグランドブラウンでスミ入れ。これで一気に雰囲気が良くなる

アオシマ文化教材社 1/43 スケール プラスチックキット“ACKS”

AV-98 イングラム リアクティブアーマー

製作/斉藤仁孝


 前半はここまで!
 後半は完成編! 素組みとの比較や細かなポイントをお届けします!

\続きはコチラ/

 公開は本日(2023年3月4日)の20時から!

 成型色の良さが引き立つ「お手軽汚し」の完成編!! 

少ない手間で「イングラム リアクティブアーマー」完成! 成型色の良さを活かしたお手軽ウェザリング

前回は詳しい製作方法を解説! 成型色に思いっきり甘えよう! 存分に汚すべし! 昨今のプラキットの成型色による色分けは非常にハイレベルで、かつ成型色の色味自体も[…]

ⒸHEADGEAR

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斎藤仁孝

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