ムーンガンダムに登場したイリア・パゾムの「指揮官用ザクⅣ」をパテやプラ板でフルスクラッチ!「プリンセス装備」も製作
2022.09.18
AMX-116S 指揮官用ザクIV(イリア・パゾム機)[プリンセス]装備【スクラッチビルド 1/144】 月刊ホビージャパン2022年10月号(8月25日発売)
正統なるジオンの血統
「月刊ガンダムエース」(KADOKAWA刊)にて連載中の『機動戦士ムーンガンダム』にてネオ・ジオン軍リュース少佐麾下のイリア・パゾム大尉が搭乗する「AMX-116S 指揮官用ザクIV」。本機はザクI、ザクII、ザクIIIのコンセプトを受け継ぐ機体で、特にイリア機には「プリンセス」と呼ばれる空間高機動用スカートユニットが装備されている。この重MSを仲井望がスクラッチビルドで製作。ジオンの血統を持つ重汎用機体を各武装ギミックも含めて精度高く再現している。
▲肩関節はプラ板の箱組みを組み合わせて製作。肩アーマーはスパイクをエポパテと市販パーツから製作し、シールドはプラ板の箱組みで製作した。シールドの可動部はプラ板とレジンブロックから製作し、強度を考慮して1軸可動を減らしている。シールド裏の予備マガジンは複製パーツを5個連結して製作し、シールド下部は設定通り、大型ヒート・アックスを懸架できるようにした
▲脚部は軽量化のために簡易的なフレームをプラ板で製作し、エポパテで製作した外装を取り付ける形にしている。スラスターノズルは市販パーツの組み合わせで製作し、プリンセス装備と兼用で複製して使用した。靴部はエポパテの自作で見えない箇所にドリルで穴を開けて軽量化。裏面はディテールを追加している
▲製作途中状態。ほぼ全身をエポパテとプラ材からの作り起こしで再現しているのが確認できる。腕部や脚部など左右対称の部分は複製してそろえている
▲ビーム・マシンガンはプラ板から、ビーム・ナックルダスターはエポパテから製作。どちらも複製して左右分をそろえた。ビーム・ナックルダスターのビーム刃は0.5mm塩ビ板から切り出して製作している
■正統性を物語る重汎用機
ザクIVはザクIIIの上位機であり、劇中ではリュースの親衛隊として運用されている機体です。中でもイリア機は[プリンセス]という高機動ユニットを装備しているため、そのシルエットは過去に製作してきた『ムーンガンダム』作例の中でもかなりのヘビー級。苦戦を強いられることは覚悟の上で製作に挑戦しました。結果、完成はしたものの自立と可動のバランスが大変難しい作例となってしまい、撮影する担当殿には苦労をかけたと思います(汗)。スミマセン(苦笑)。製作はいつも通り、エポパテとプラ材を使用したスクラッチビルドで、左右対称パーツは複製して対応しています。
■塗装
主にMr.カラー、ガンダムカラー、ガイアカラーを使用。ほぼ設定画に準じています。
グレー=ニュートラルグレーIV+ウイノーブラック+色ノ源マゼンタ
黒=ネイビーブルー+ウイノーブラック+色ノ源シアン
赤=ブライトレッド+オレンジ+クールホワイト
武器=ミッドナイトブルー
黄=MSイエロー+色ノ源マゼンタ
右肩のマーキングはマスキングで塗り分けました。仕上げにフラットクリアーでツヤを整えて完成です。次回はペズン計画からあぶれた月面決戦機の予定です。お楽しみに!!
1/144スケール スクラッチビルド
AMX-116S 指揮官用ザクIV(イリア・パゾム機)[プリンセス]装備
製作・文/仲井望
ⓒ創通・サンライズ
仲井望(ナカイノゾム)
月刊ホビージャパンを代表するスクラッチモデラーのひとり。現在デビュー14年目。その造形テクニックは現在も進化を続けている。