HOME記事キャラクターモデル『シン・ウルトラマン』ガボラとの戦いをディオラマに!【CCP 1/8スケールコレクタブルシリーズ使用】

『シン・ウルトラマン』ガボラとの戦いをディオラマに!【CCP 1/8スケールコレクタブルシリーズ使用】

2022.09.10

禍威獣第8号「ガボラ」【CCP 1/8】 月刊ホビージャパン2022年10月号(8月25日発売)

CCP 1/8コレクタブルシリーズで、第2の事件をディオラマ化!

 大ヒット映画『シン・ウルトラマン』より、CCP 1/8コレクタブルシリーズのウルトラマン、ガボラを使用したディオラマ作品をお届けする。禍威獣第8号「ガボラ」が山中に出現。地下核廃棄物貯蔵庫施設を目指し、山間部の地底を進撃、ついに施設の目の前に姿を現す。そこに現れた銀色の巨人ウルトラマンが、ガボラが口から発した光線を身を挺して受け止め施設を守る。そんな物語前半のシーンを情景王・山田卓司が、商品を活かしながら見事にディオラマ化。ウルトラマンのLED発光ギミックに加え、ガボラの光線にも電飾を仕込み、迫力ある戦闘シーンを演出している。

▲ベースは木製の板にスタイロイフォームとスチレンボードを貼り合わせて製作。「コルッキー」と100円ショップのソフト粘土を混合して地表を造形。掘り返された地表は赤玉土を接着して表現し、鉄道模型用の樹木で森林を再現した。ディオラマサイズは横長で横80.5cm×縦36.6cm×高さ24cmほどとなっている
▲地下核廃棄物貯蔵庫施設の外壁は、劇中を参考にスタイロフォームと市販パーツなどで造形した
▲ウルトラマンにあたっている光線は、ウルトラマンに接する部分に1mm径の光ファイバーを放射状に埋め込み、ガイアカラーの蛍光ブルーをエアブラシ塗装して仕上げた
▲劇中で確認されたブルドーザーやホイールローダー、パレットはプラ材から自作、手摺は市販の真鍮製のものを利用した
▲ガボラは光線を吐かせるため、口を大きく開けて口内ディテールをエポパテで追加。四肢の継ぎ目はエポパテで埋めている。光線は光ファイバー用PowerLED光源と3Mライトストリングを使用。木板と木工用エポキシパテでガボラの頭部内に固定して発熱の影響を最小限に抑え、表面には薄く綿を貼り付けた

▲ウルトラマンは、ウルトラマン(シン・ウルトラマン)LED発光ギミック付きを使用。素立ちポーズなので、左右の腕をいったん切り離し、両手を広げたポージングに変更。隙間はエポパテで塞いで整形している。頭部の発光ギミックは商品のものをそのまま活かしている。塗装はVカラーで調色したレッドを下地として塗ったあと、マスキングしてMr.カラー201番・スーパーファインシルバー2を吹き付けている

 1966年放映の初代『ウルトラマン』を夢中で楽しんだ、私たち第一次怪獣ブーム世代にとって『シン・ウルトラマン』は待望の新作でした。美術監督でウルトラマンや怪獣のデザインを手掛けた成田亨さんの当初のスタイルへのこだわりに唸ります。実は『シン・ウルトラマン』デザイン発表当時、カラータイマーが無いのに少し違和感がありました。ついでに言えば、それまで眼の下部にあった覗き穴や背中のヒレもセットで「ウルトラマン」という認識だったのです。しかし製作発表からコロナ禍の時期を挟んで公開まで待たされている間、リリースされた数々のフィギュアを手にするうちにすっかり慣れてしまい、現在ではこのデザインでないと落ち着かなくなってしまいました。
 そして迎えた劇場公開。庵野脚本らしいテンポが良く印象的、かつSFマインド溢れる台詞。『シン・ゴジラ』で見られた現実感のある雰囲気を引き継ぎながら『ウルトラマン』らしい、明るい未来を志向した世界観。オリジナル版の宮内國郎さんの音楽と融合した、鷺巣詩郎さんによる新しい音楽。美しくてカッコイイ、新しいウルトラマンの姿に惚れ惚れします。
 今回は完成品フィギュアを最大限尊重して、ガボラとの戦いの一場面を作ってみることにします。これには「CCP 1/8コレクタブルシリーズ」よりウルトラマンとガボラを使用しています。同社のウルトラマンは3種類リリースされていますが、その中から素立ちポーズの製品をチョイス。両腕を広げ、ガボラの激ヤバ光線を受け止めながら歩いて行くポーズに改造します。製品はインジェクション成型のPVC製なので各部を切り取り、アルミ線で接続。ポーズを付けたら隙間をエポパテで埋め、表面を整えます。ウルトラマンはボディ色の大部分がシルバーのため、表面処理は念入りにする必要があります。加えてPVCという材質は表面が柔らかくて、パテ埋めした所との硬度差により継ぎ目が残りやすく、難易度は高いです。
 シルバーもソフビ用塗料だと選択肢も少なく、またプラモデル用塗料の中でもメッキに近い高い輝度のものを使う必要があります。作例ではMr.カラー201番「スーパーファインシルバー2」を使用しています。順番は前後しますが、下地はソフビ用塗料Vカラーのレッドにブラックを少量混ぜて、少しくすんだレッドを調色して塗装しています。
 ガボラは製品をほぼストレートに使い、口を大きく開けて口内ディテールをエポパテで追加しました。また、胴体と四肢の継ぎ目はエポパテで埋めています。
 ガボラの光線はディオラマの大きなポイントなので、ライン状に光らせるのに何か良いものはないかとインターネットで検索して、「LED PARADISE」というショップの光ファイバー用PowerLED光源と3Mライトストリングを試してみました。
 発光部がパワーLEDを使っているため、発熱する点だけが難点ですが、木板と木工用エポキシパテでガボラの頭部内に固定して発熱の影響を最小限に抑えています。
 ライトストリングには発光を遮らないように薄く綿を貼り付け、ウルトラマンに接する部分は1mm径の光ファイバーを放射状に埋め込み、ガイアカラーの蛍光ブルーをエアブラシ塗装して仕上げました。製品のガボラは美しい塗装仕上げが施されていますが、より劇中の姿に似せるよう、プラモデル用の水性アクリル塗料で少しリペイントしています。
 舞台となる地下核廃棄物貯蔵施設はダムのような構造物があるので、何回も劇場に行ってチェックして、スタイロフォームにスチレンボードを貼り合わせて製作しています。ここではウルトラマンとガボラが大立ち回りして地面は大荒れしていますので、スタイロフォームをベースに「コルッキー」と100円ショップのソフト粘土を混合して地表を造形。掘り返された地表は赤玉土を接着して表現しました。樹木は鉄道模型用の製品を使用。造成工事中なのか、建設車両がいくつかあるので既製品から寸法取りして、ホイールローダーとブルドーザーをプラ材から自作して配置しています。

CCP 1/8スケール PVCモデル “コレクタブルシリーズ” ウルトラマン(シン・ウルトラマン)LED発光ギミック付き+ガボラ(シン・ウルトラマン)使用

禍威獣第8号「ガボラ」

ディオラマ製作・文/山田卓司

CCP 1/8コレクタブルシリーズ ウルトラマン(シン・ウルトラマン)LED発光ギミック付き
●発売元/CCP●4988円、発売中●1/8、約16cm●PVC彩色済み完成品

CCP 1/8コレクタブルシリーズ ガボラ(シン・ウルトラマン)
●発売元/CCP●9888円、発売中●1/8、約17cm(全長約28cm)●PVC彩色済み完成品

©2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 ©円谷プロ

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山田卓司(ヤマダタクジ)

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