ガンプラのスタンダードサイズである1/144スケールから、量産型ズゴックをお届けしよう。TVアニメ『機動戦士ガンダム』第28話「大西洋、血に染めて」の戦闘シーンをモチーフに水上ビネットを、まつおーじが製作。海面から浮上し腕部メガ粒子砲でホワイト・ベースを狙う様を、激しい水柱とともに臨場感あふれるビネットに仕上げている。

■懐かしい
　ガンプラブーム直撃世代のまつおーじです。
　さて、今回私が担当したのは量産型ズゴックです。ズゴックは人型を外しているからか当時のキットの中ではかなり優秀な造形をしていると思います。依頼はサクッと水上ビネットで楽しんでとのこと。量産型ズゴックで水上といえば、第28話「大西洋、血に染めて」での印象が強いので、そのイメージでビネット仕立てで作っていきましょう。

■ズゴック
　ズゴック本体は出来はいいですし、今回はビネットでポーズ固定なので、ディテールの調整と後ハメ工作ぐらいです。モノアイが凸モールドで表現されているのでタガネで削り取りフラットに。頭部ミサイルの穴を開け直してO・ボルトを埋め込み。胸のダクトを深く彫り直し、六角形のコクピットハッチを調整しています。アイアン・ネイルの付け根を一段深く彫り込み。アイアン・ネイルと股関節は真鍮線で差し込めるようにして後ハメ。前腕は関節の挟み込み部をカットして塗装後に接着しています。背中のハイドロ・ジェットが少し浮いた感じになるので、背中を削り密着させています。

■洋上ベース
　海はMDFの板の上に100円ショップのフワフワ粘土でベースの海を作り塗装後、透明粘土でうねりや波を追加しつつ海の透明感を出しています。その上にジェルメディウム、ブレンデッドファイバーに、Mr.SSPの粉を混ぜて波や泡を表現しました。SSPの粉の粒度や色合いがよく、うまく泡の感じが出た気がします。海の上にズゴックだけでは寂しいので、水柱を付けて高低差を付けてみました。
　洋上といえば深い青のイメージですが、戦闘で爆発したりしていると泡で真っ白になるんですね。ただ真っ白にしてしまうと海って分からなくなりそうだし、面白くなさそうなので、そこは模型的表現ということでご勘弁を。ある程度できたところで奥様に見せたところ「何？　氷？」って言われたので、慌ててレンジフィルターを使って水しぶきを追加。さらにMr.ウェザリングカラーフィルタ・リキッド マルチホワイトでドライブラシをして、ツヤやコントラストを調整しました。ズゴック本体の塗装など凝ったことした割に、メディウムを塗り付けたらほぼ分からなくなっちゃいましたが、なかなか勢いのあるビネットができて満足満足。これだけ楽しめるなんて当時ものキットのコスパ最強ですね。皆さんもぜひ挑戦してくださいね！

©創通・サンライズ