「当時ものキットのガンダム」を筆塗りで仕上げる【週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編】
2022.05.12週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)
休日の空いた時間、誰でもできる簡単なテクニックで、お手軽にカッコいいガンプラを楽しんで作ってみよう! がモットーの連載企画「ガンプラ凄技テクニック」。懐かしのキット編第3回は「当時ものキットのガンダムの筆塗り」。ラッカー、アクリル、エナメル、3種の塗料を使い分け、真っ白なガンダムを筆塗りで仕上げる方法を解説します。
講師/林哲平
溶剤を用意しよう
ガンダムのフェイスを塗ろう
胴体を塗り分けよう
シールドを塗ろう
ガンダム塗装完了
私が初めてこのガンダムを塗ったのは9歳のときです。当時もののガンプラにはカタログを兼任したパンフレットがよく入っており、その中で成型色を活かして赤・青・黄だけで塗られた1/144ガンダムが紹介されていたのです。「これならできるかも!」と近所の文房具屋(当時はいろんなお店にキットが売ってました)の片隅にあったガンダムと塗料を買ってきて、塗ってみたのですが…。全然ダメでした! 顔は色がはみ出してぐちゃぐちゃ、胸とシールドはムラがすごくてペンキをぶっかけた現代アート状態。「連邦のMSは化け物か!」と苦手意識だけが胸に残りましたね(苦笑)。大人になっていろんなモデラーさんと話をしてみると、実に多くの人がこのガンダムで私と同じ経験をしていたのです! 今回は見ての通りすべて筆塗りで、ムラもアラも残っています。でも、あえてツヤ消しのスプレーは吹かず、ありのままです。変にツヤ消ししてカッコをつけるより、ありのままのほうが「より当時のガンプラらしい」と強く感じたからです。不思議と、合わせ目も剥き出しでアラだらけなのに、全塗装でガッツリ作ったガンプラよりも愛おしく感じるのです。現代は優れた塗料が数多く出揃い、技法も、そして我々モデラーも大いに成長しました。今こそ、幼い頃に敗れた、あの真っ白いガンダムとの戦いに決着をつけるときではないでしょうか♪
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット
ガンダム
製作・文/林哲平
© 創通・サンライズ
林哲平(ハヤシテッペイ)
モデラーとしても一流の腕前を持つホビージャパン編集スタッフ。How toページを主に担当し、あらゆるジャンルの模型に精通している。