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【1/48 ミリタリーミニチュア作例】No.100は雪景色で。1/48 ナースホルン【フミテシ】

2021.12.03

ドイツ 重対戦車自走砲 ナースホルン【タミヤ 1/48】 月刊ホビージャパン2022年1月号(11月25日発売)

ナースホルン

1/48MMの100番記念の祝砲を雪景色にぶっ放せ!!

 1/48MMのNo.100の扉を開けた「ドイツ 重対戦車自走砲 ナースホルン」。連合軍車両のほとんどを遠距離から容易に撃破可能とする必殺の長砲身「71口径88mm Pak43/1」の迫力がすごい車両で、キットもこの主砲の精密さと組みやすさを両立した素晴らしいキットになっています。全体のシャープさも素晴らしく、手のひらサイズに収まっているのが不思議なくらいの立体感、眺めていると目が勝手に喜んでしまうほどです。そんなキットを、パッケージイラストにもある冬季迷彩と雪の情景で仕上げてみました。雪は専用マテリアルがしっかりしていて、実はとってもお手軽にかっこよくなりますので、チャレンジしてみてください。


コレクションサイズを極めたナースホルンのメリハリ!

組み立てやすい脚周り!

ホイール関係
▲ホイール関係は2枚を貼り合わせるだけ。さらにサスペンションの基部を車体側面に一体化しているので、ここにホイールを取り付けるだけでサクサク組み上がっていきます

部分連結履帯の組み立てが初めてでも怖くない! バチピタ履帯

部分連結履帯
▲プラ製の部分連結履帯の精度が1/48MMでも最高クラス。説明書の順番で接着していくだけで、微調整も必要なくきれいに履帯を巻くことができます

88mm砲は1/48スケールとは思えない精度

ナースホルンのチャームポイント
▲オープントップ車両ゆえに砲尾がチャームポイントとして見えるナースホルン。ここのメカ部分を緻密かつ一体化を進めたパーツ構成とすることで、高い解像度と組みやすさを両立しています

前面装甲を接着しないだけで、抜群に塗装しやすくなるぞ!

このパーツを塗装するまで接着しないといいよ

戦闘室内部前面装甲
▲オープントップ車両の悩みが、戦闘室内部の塗装。本キットはこの前面装甲を接着しないでおくだけで、砲も戦闘室内部も快適に塗装することができます。塗装後に前面装甲を簡単に接着できるほどパーツ精度はバチピタなので安心してください

3つの要素に分けられる!

大きく分けて3分割が可能
▲前面装甲板を接着しなければ、このように3つの要素に分けることができます。これだけ分けられれば塗装も楽です

前面装甲を所定の位置に置くだけでも素組み状態が楽しめるよ

ナースホルン仮組み状態
▲前面装甲を接着しなかったら形にならないのかということはありません! 取り付け軸が大きいので、穴に挿すだけで仮組み状態にできます。素組みのナースホルンの迫力も楽しめますよ!!!

タミヤアクリルで3色迷彩を塗るぞ!

 今回はタミヤの完成見本でもあるように、3色迷彩を塗った上から冬季迷彩の白を塗ります。まずは冬季迷彩の下地となる3色迷彩。これはタミヤアクリル塗料でドイツ軍の専用カラーが発売しているので、それを使用して塗っていきます。

3色迷彩はタミヤアクリルにお任せ!

ドイツ陸軍3色迷彩
▲昨今の研究結果を反映し、近年「ダークイエロー2」「ダークグリーン2」「レッドブラウン2」としてドイツ陸軍3色迷彩に新たな色が加わっています。ビン生で使用してもとても良い色味なのでおすすめです

タミヤアクリルにクリアーを少量入れると一気に塗りやすくなります!

XFナンバーのツヤ感調整
▲タミヤアクリルのXFナンバーはツヤ消し塗料となっています。戦車模型のほとんどはこのXFナンバーが指示されることが多いのですが、ツヤ消し感がとても強く時にがさつくことがあります。これはクリアーを少量加えるだけで解決できます。半ツヤになりより滑らかな塗面を得ることができるほか、クリアーカラーを加えれば色味の調整とツヤ感の調整を同時にできるのもおすすめです

タミヤのファインサーフェイサーはマジでファイン!

タミヤ ファインサーフェイサー
▲タミヤが缶スプレーで発売しているファインサーフェイサーは、その名の通りとても滑らかでおすすめ! メタルプライマー効果もあるのでエッチングパーツを使った模型の下地にもぴったりですよ

足元には黒系の下地を塗装

足元にジャーマングレイを塗装
▲足元に黒系(ここではジャーマングレイ)を塗ると転輪のゴムのあたりにもなるし、奥まった部分の影色にもなって一石二鳥。塗り残しも目立たなくなります

奥まった部分にもあらかじめ黒系を塗装する

奥まった部分に黒系を塗装
▲砲の裏側や戦闘室の奥まった部分にも足元同様に黒系で影色を塗ります。これによりメリハリのあるグラデーションをお手軽に施すことができます

3色迷彩スタート! 冬季迷彩の下地は色味をくっきりさせよう!!

ダークイエロー2+クリアー少量からスタート!

ダークイエロー2+クリアー
▲ダークイエローに少量のクリアーを加えたものを塗装。冬季迷彩の下地となる3色迷彩は色味をくっきりさせるのがポイント。上塗りする白でかなりぼやけるからです

ダークグリーン2!

ダークグリーン2
▲ダークグリーンの帯を塗る時、帯上でレッドブラウンを塗る箇所も気にせず塗ってしまいます。レッドブラウンはダークグリーンを充分隠蔽できるので問題ありません

レッドブラウン2!

レッドブラウン2
▲レッドブラウンの箇所を塗装図をよく見て塗装。周囲への飛び散りを最小限にしましょう

迷彩は2周すると良くなります!

迷彩塗装は2週
▲迷彩塗装の各色の飛び散りや、迷彩の形の修正などを2周目でやります。これをやることでさらに良い感じの迷彩になるのでぜひ2周目までやってみてください。1周目である程度形はできているので、2周目はあっさり終わりますよ

デカールを貼る準備として光沢でトップコートします

光沢でトップコート
▲GSIクレオスのプレミアムトップコート光沢をスプレーすることで塗面の保護&平滑化が可能です。塗面が平滑になることで、デカールをしっかりと密着させることができシルバリングを予防できます

デカール

デカール
▲戦車模型のデカール貼りは少量ですが、少ないがゆえにアクセントとして目立ちます。なので先ほどのクリアーコートの工程が大事になりますよ

デカールが乾いたらラッカーのツヤ消しを吹きます

ツヤ消しトップコート
▲この後、タミヤアクリル塗料を使用した冬季迷彩を施します。この時3色迷彩で塗った模型をラッカー系のクリアーでコートしておけば、上からタミヤアクリル塗料やタミヤアクリル溶剤を塗ってもダメージが出ません。ラッカーとアクリルをうまく使うと手際良く作業が進みます

タミヤアクリルの「フラットホワイト」で冬季迷彩!

XF-1 フラットホワイトで攻めるよ

XF-1 フラットホワイト
▲冬季迷彩の白は、少し薄めに希釈したフラットホワイトで塗ります

下地が透けるくらいふわっと吹きつけよう

少し透けるぐらいに塗装
▲下地の3色迷彩を完全に隠蔽しないで、少し透けているくらいに止めます。これをアクリル溶剤を染み込ませた硬めの筆や綿棒で擦り落としていきます

タミヤアクリルでやるとランダムなザラザラ感がでる

タミヤアクリル
▲アクリル塗料は一度乾燥すると、エナメル塗料より溶けにくくなり、溶剤で擦るとランダムなざらざら感が出ます。これが冬季迷彩が剥がれた雰囲気にぴったり。擦るだけで勝手にランダムで自然な雰囲気になり、作為的な感じもあまりでません

擦り落とした部分を軽く白でリタッチ

薄く白を塗装
▲冬季迷彩を落とした部分やその周辺にもう一度薄く白を吹くと、しっかり剥がれた部分や剥がれかかった部分などがより混在し表情が豊かになります

雪の表現は専用マテリアルでとても気軽に楽しめる!!!

 戦車模型は地面があるとより魅力的に見えますよね。最近は専用マテリアルがわんさか登場しています。今回も「塗るだけ」、「振りかけるだけ」でまるで魔法のように雪の地面が完成してしまう方法をご紹介します。使用するのはタミヤの「情景テクスチャーペイント 粉雪 ホワイト」と「KATO はじめての、深雪(深雪スターターセット)」です。

雪の戦場へGO!!!

雪専用マテリアル

「塗るだけ」で雪になるタミヤの最高マテリアル

情景テクスチャーペイント 粉雪 ホワイト
▲情景テクスチャーペイント 粉雪 ホワイトは粒子系の細かい0.01~0.20mmの白い大理石が配合され、キラキラとした粒の雪を表現できます。これを戦車の履帯やホイールにかませると一気に雪の戦場にいる雰囲気がでますよ

履帯の間に噛ませるように粉雪を塗る

履帯に噛ませるように塗る
▲使い古した筆などでこのように粉雪を塗るだけ。難しいことは何もございません!

いきなり雪の上を走ってきた雰囲気になる!

乾くとしっかりと定着
▲塗料が乾くとしっかりと定着します。すげーうまくできた! っと思わせてくれる塗料なのでぜひ一度使ってみてください!

地面の雪は「はじめての、深雪(深雪スターターセット)」を振りかける!

はじめての、深雪(深雪スターターセット)
▲こちらのセットは、雪を振りかける専用のボトルと、雪のパウダー、雪を定着させる糊が入っています。まずはボトルにパウダーを入れましょう

ボトルをよく振る! 静電気でふわっとした雪になる!

ボトルはしっかり振る
▲ボトルをよく振ることで、パウダーが静電気を帯びて、地面に振りかけた時にふわっとした雪になります

あとは糊を塗ったベースに振りかけるだけ!

糊を塗ったベースに振りかけるだけ
▲最後にベースとなる木の台に糊を塗って振りかけるだけで雪の地面が完成です! 完全に乾く前に戦車の履帯を押し付ければ、地面に履帯の後ができて、さらに雰囲気がアップします

完成! ナースホルン

小さな傷はスポンジチッピングで!

スポンジチッピング
▲装甲板の細かい傷は、家庭用の食器洗いスポンジの切れ端にエナメルのジャーマングレイを含ませたものでポンポンして施しました

砲尾の細かい傷が戦闘室のアクセントになる!

砲尾の細やかな傷
▲戦闘室内のメカニカルな部分を担う砲尾。人の手がかなり触れる部分なので、塗装も剥げたりするので細かくチッピングを施しました
雪の戦場にナースホルンをお出迎え
雪の戦場にナースホルンをお出迎え
後ろ
▲雪の戦場にナースホルンをお出迎えすることができました! さらに1/48 マーダーIIIに良い感じの冬装備のフィギュアが入っていたのでこちらも一緒に追加しました。ふたりいるとより物語が広がりますね〜

 タミヤのナースホルン。1/35スケール ミリタリーミニチュアシリーズで発売された時も度肝を抜かれ、自分にとっても戦車模型がさらに好きになった、ターニングポイントともなったプラモでありモチーフです。そんなナースホルンが1/48 ミリタリーミニチュアシリーズの記念すべきNo.100で僕の目の前に現れたのですから興奮せずにはいられませんでした。編集部からパーツが届いたのを見て嬉し泣き、最高にかっこいい長砲身「71口径88mm Pak43/1」を見ながらビールをグビグビ。あまりに嬉しくて組み立て1日、塗装1日の合計2日間で完成させました。
 そしてドイツ軍最強の対戦車自走砲を「2日」で完成させることができるというのが、この最高のコレクション性を誇る「タミヤ 1/48ミリタリーミニチュア」シリーズの魅力なのです。少ないパーツ数でサクサク組み上がるのに、完成したもののシャープさは素晴らしいという「今日の模型楽しかったな〜」って思わせてくれるこのシリーズは、これから戦車模型を作ってみたいと思う人にとっても最高のプラモだと思います。タミヤのプラモの組み味をどストレートに味わう素組みも最高に楽しいです。ぜひ一度手に取って戦車模型の楽しさを体感してみてください!

ナースホルン
パッケージ

タミヤ 1/48 ミリタリーミニチュアシリーズ No.100 1/48 ドイツ 重対戦車自走砲

ナースホルン

製作・文/フミテシ

1/48 ミリタリーミニチュアシリーズNo.100
1/48 ドイツ 重対戦車自走砲ナースホルン
●発売元/タミヤ●2420円、発売中●1/48、約17.6cm●プラキット

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フミテシ

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