【コードギアス 新潔のアルマリア】ep21「私は、アルマリアです!」
2026.09.05『コードギアス 奪還のロゼ』へと続く物語
『コードギアス 復活のルルーシュ』と『奪還のロゼ』をつなぐ『コードギアス』の新たなるストーリー『新潔のアルマリア』。戦いの場を上空に移したハクバの新月可翔とマシューが駆るグロウエレメンツG。グロウエレメンツGの圧倒的な力の前に劣勢を強いられるハクバ。フレイヤ発射装置を装備したサザーランド・エアが待機するなか、果たしてハクバはマシューを止められるのか!?
STAFF
シナリオ 長月文弥
キャラクターデザイン 岩村あおい(サンライズ作画塾)
ナイトメアフレームデザイン アストレイズ
モデル製作 おれんぢえびす、コジマ大隊長
撮影協力 BANDAI SPIRITS コレクター事業部
ep.21|『私は、アルマリアです!』
「M-01を返せ! 宗賀ハクバ!」
「あの子は、アンタの所有物じゃないぞ、マシュー・ブラキストン!」
空中でぶつかるハクバの新月可翔とマシューのグロウエレメンツG。2機は激しくぶつかりながら、次第にその戦いの場を上空へと移していく。
「ハクバがうまくマシューのヤツをここから引き離してくれてる。今のうちに残りの奴らをやっつけて姫様たちを助け出さないと……」
言いつつ回転刃刀を構え直すサトリの暁だが、対するサザーランドの数は多い。
「パパ、見ててよね。私、頑張るから!」
単身、サザーランドのなかにサトリの暁が躍り出る。
「全員無事ですね?」
明かりが点くと、そこは屋敷地下に設置されたシェルター。神楽耶と双葉、SPや使用人らが避難している。
「はい。屋敷にいた者は全員、この地下シェルターに避難しております」
「よかった。では、すぐに黒の騎士団に連絡を」
「はい!」
すぐに黒の騎士団へと連絡を入れる双葉。しかし、神楽耶の表情は晴れない。それは、マシューがフレイヤを保有していることが確実になったから。もし、この場で使用されれば、鎌倉に住む10万人以上の人間に犠牲を出してしまう。
──ハクバ。今この状況を何とかできるのは、あなたしかいません。頼みましたよ。
「お前は世界的に指名手配されている。もう諦めろ、マシュー!」
統合兵装のチェーンガンをグロウエレメンツGに向かって放つ新月可翔。
「そう言われて、自分の夢を諦める奴がどこにいる!?」
しかし、アームズ3へと変形させた右腕から放たれる輻射波動によって、チェーンガンの弾丸はグロウエレメンツGには届かない。
「夢だと?」
「ああ。僕には夢がある。僕の手でマリアンヌ様を蘇らせるという夢が!」
「あの子をマリアンヌにするだと? ふざけるな! あの子にはあの子としての人格がある。マリアンヌなんかじゃない!」
「マリアンヌ様を愚弄するな!」
グロウエレメンツGが開いたエネルギーで形成された浮遊翼、エナジー・ウイングから赤く光る刃が無数に放たれる。
「くっ!」
大きく弧を描きながら、光刃を回避しようとするハクバだが、その数が多過ぎて避けきれない。慌てて展開したブレイズ・ルミナスで何とか防ぐも、その威力は高く、機体への負荷は少なくない。
「模倣品といっても第九世代のポテンシャルは健在か。イワン・スヴォロフめ、厄介なものを作ってくれたものだ」
一方、地上でもサトリが単騎で奮闘している。
「こんのぉっ!」
電磁ランスを構えて突っ込んでくるサザーランドの突きを躱しつつ、腹部を回転刃刀で切り裂く暁。
「残り3機!」
「何をやっている! 敵は一機だぞ。取り囲んで殺せ!」
前方と左右の三方向から取り囲もうと暁に迫るサザーランド。しかし、サトリは、飛翔滑走翼の浮遊力を活かして大きく跳んで、前方から迫るサザーランドの後ろに回り込む。
「舐めんな!」
背面をとったサザーランドをホールドして盾にしつつ、腕部に取り付けたマシンガンを残った2機に掃射して破壊するサトリ。
「これで、残るはこいつだけ!」
「ふざけるな! このままやられるぐらいなら!」
「えっ?」
盾にされていたサザーランドのパイロットが脱出機構を起動させる。すると、サザーランドのコックピットが後方に射出され、コックピットブロックをホールドしていたサトリの暁も後方に吹き飛ばされる。
「きゃあっ!」
サザーランドのコックピットに押されるかたちで地面に叩きつけられた暁は、その衝撃で飛翔滑走翼を破損してしまう。
「飛翔滑走翼が……」
「サトリ!」
コックピット内のモニターに映る暁に気を取られるハクバ。マシューはその一瞬の隙を見逃さない。
「よそ見している場合か!」
エナジー・ウイングの推進力で間合いを一気に詰め、新月可翔に取りつくグロウエレメンツG。
「ぐっ!」
「僕の計画をメチャクチャにし、マリアンヌ様を愚弄したお前に相応しい死を与えてやる」
マシューは力任せに新月可翔のコックピットハッチを剥ぎ取り、ハクバの姿を露わにする。
「こいつ! くそっ、パワーが違い過ぎる!」
「機体性能の差は歴然だろう? さあ、宗賀ハクバ。お前はこれで終わりだ!」
マシューはコックピット内のハクバの身体を掴むと、空中に向かって放り投げる。
「スカイダイビングだ。楽しんでくれ」
地上から遥か上空で放り出されたハクバが死を直感する。眼下に見える地上は遠い。このまま落下すれば確実に死ぬ。
「あっ……。俺、死ぬのか……」
「ハクバ!」
サトリが飛ぼうとするが、破損した飛翔滑走翼は機能しない。その間にもハクバの身体は地上に向かって落下している。
──ここまでか……。
ゆっくりと瞼を閉じるハクバ。亡き妻と娘の顔が浮かぶ。
──つらかった。
──結と明日菜のいなくなった世界を生きるのはつらかった。
──でも、争いや暴力で命を落とす子供を助けられるのなら、その子たちが笑って暮らせるようになるのなら、俺が生きる意味があるのかもしれない。
──そう思って生きてきた。
──俺は少しでもそんな子供たちを救えたのかな。
──もう、ふたりのもとへ行ってもいいのかな。
「ダメです!」
誰かの声が聞こえた気がした。そして、あの子の顔がよぎる。Mと呼ばれた子の顔が。
──駄目だ。まだあの子を……。
──あの子を……。
「救えていない!」
まだ自分には為さなければいけないことが残っている。Mと呼ばれたあの少女を救わなければ。そう思い至って目を見開いたハクバの眼前に、そのMと呼ばれる少女の顔がある。
「ミスター! こちらへ!」
小さな手を懸命に伸ばしている少女。その少女は夢でも幻でもない。彼女はハクバの危機に駆け付けてくれたのだ。鞠熾天を駆って。
「ピュアエレメンツG? M-01か!」
マシューもその姿を認める。が、その驚いている間にハクバは少女の手を取り、鞠熾天のコックピットへと乗り込む。
「どうしてここに?」
少女を前に乗せるかたちでシートに跨るハクバ。驚きを隠せない。
「ぜんげんてっかいです」
「前言撤回?」
「はい。マシューという人が危がいをおよぼすのであれば、わたしじしんの手で決ちゃくをつけねばなりません」
「それで来てくれたのか。助かったよ」
「いいえ。ミスターはわたしをたすけてくださいました。だから、こんどはわたしの番です。いっしょにケリをつけましょう」
「ああ。ふたりで」
ハクバと少女の乗った鞠熾天が体勢を立て直し、大空へと向かって飛ぶ。
「馬鹿な! M-01が僕じゃなく、あの男を選んだ? どうして? 僕はあの子のためにすべてを投げ打っているのに、どうして!」
少女がハクバを救う一部始終を目にしたマシューの顔が嫉妬と怒りで歪んでいる。
「もういい。もうすべてを終わらせてやる……。ミリガン!」
マシューが待機しているミリガンに呼びかけると、ミリガンは短く答えた。
「……わかりました」
相模湾が見える滑走路から、フレイヤ発射装置を装備したサザーランド・エアが飛び立つ。
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