スホーイ Su-57
ロシア空軍第5世代戦闘機
2021.08.14
量産機が登場したロシア空軍最新ステルス戦闘機
アメリカのF-22ラプター、F-35ライトニングIIなどの第五世代戦闘機に対抗するロシア空軍のPAK FA計画に基づきスホーイ社が開発、2011年に一般公開されたステルス戦闘機T-50は、2017年に「Su-57」として制式化、2020年にはついに量産機の部隊配備が開始された。ステルス戦闘機でありながらけれん味のあるフォルムが人気のSu-57は、過去にいくつかのキットが発売されてきたが、1/48スケールのインジェクションキットは今回のズベズダが初のリリース。最新のキットだけにフォルムやディテールは問題なし、塗装や兵装でも多彩な楽しみ方が可能だ!
■製作
ズベズダの新製品、1/48 Su-57です。スジ彫りもシャープで、パーツの合いやアウトラインもよくご機嫌なキットです。実機は試作機11機と量産機がまだ1機しかない状況なので1機ごとに細部が異なります。どの機を作るか決めて写真から細部を読み取っていきます。量産1号機では未搭載だった推力偏向エンジン搭載の“架空の量産9号機”として作ることにします。
量産機では左垂直尾翼付根インテークの形状が変更になっているので、プラ材で改造します。コクピット周囲のセンサー類も量産1号機に準じて追加します。デカール仕上げのサイドコンソールは平坦なので、プラ材で立体感を付けます。新発売の3Dデカールならお手軽なのですが、入手しそこねました。シートはヘッドレストのクッションをスジ彫りして塗り分け、ファインモールドのシートベルトを付けます。キャノピーにディテールを追加し、HUDは丸型に自作します。
機体下面パーツは開口部が多く変形しやすい形状ですが、歪みを作らないように注意してていねいに組めば、ほとんど段差や隙間はできないようです。デカール表現のインテーク側面の境界層排出孔は汎用エッチングメッシュに替えます。インテーク内面の境界層吸入孔は細かいメッシュがなかったので、塗装でそれらしく表現します。インテーク下面の補助インテークはデカールを使わずにスジ彫りを追加します。
脚はドライブラシとスミ入れで立体感を強調し、オレオ部にハセガワのミラーフィニッシュを貼ります。前脚の泥除けはスリットが抜けていないのでノコなどを駆使して抜き、最下部にフィンを1枚追加します。
キットのパネルラインは少なめですが、実機写真でもあまりわからないので追加せず、動翼ラインは目立つので彫り足します。尾翼にはパネルラインはほとんどないので、合わせ目は完全に消します。
翼後縁放電索は0.15mm銅線で追加します。エルロンと水平尾翼に各3本、垂直尾翼に2本、写真から位置を割り出して取り付けます。レドームの放電索は凹モールドなので0.3mmプラ棒で凸にします。
ステルス機は外部武装ナシのイメージですが、せっかく出来のよいミサイル類がついているので、パイロンと主翼の両方にネオジム磁石を仕込んで脱着式にしてみました。同様にウェポンベイのドアパーツも脱着式にしてみました。R-77ミサイルの網目フィンは汎用エッチングメッシュで作り直します。ステップラダーは少し太めですが形状は良好です。0.2mm真鍮線で脱着できるようにしました。0.2mmだと機体側の穴も目立たずよいようです。
■塗装
量産1号機に準じたデジタル迷彩にしました。全体をGSIクレオスのMr.カラーC306グレーFS36270で塗装、上面はMr.カラーC305グレーFS36118、下面はMr.カラーC73エアクラフトグレーを使用。パターンは垂直尾翼とコクピット周辺は写真から読み取って再現し、上面はキットの塗装図、下面は試作4・5号機のパターンを流用します。ステルス機はツヤ消しのイメージですが、実機はかなりツヤがあるようなので、グロスに仕上げてみました
ズベズダ 1/48スケール プラスチックキット
スホーイ Su-57
製作・文/竹内尚志
スホーイ Su-57
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●6050円、発売中●1/48、約41.9cm●プラキット
竹内尚志(タケウチタカシ)
九州在住の凄腕飛行機モデラー。第一次大戦機に造詣が深い。