ひときわ異彩を放っていたボドゲ「シミュレーションif」シリーズを改めて語る!懐かしき『連合艦隊』を取り出してみた【DANGAN EXPRESS】
2026.06.211981年、シミュレーションゲームが動き出したバンダイ「if」シリーズと和製ウォーゲームの時代
戦後日本の玩具流通における市販ボードゲームといえば、すごろくの延長線上にあるものが主流であり、MB(ミルトン・ブラッドレー)など海外メーカーのゲームをローカライズすることで新たな流れを生み出していた。そんななかでひときわ異彩を放っていたのが「シミュレーションゲームの世界」である。
従来のゲームとは異なり、歴史上の戦争や作戦を再現したもので、「自分が司令官となることで史実とは異なる展開を生み出せるかもしれない」という、高校生以上の年代でも楽しめるゲームであった。そうしたシミュレーションゲームの楽しさの普及に大きく貢献したのが「月刊ホビージャパン」であり、紹介記事の掲載と並行て、「MIDWAY」をはじめとするアバロンヒルのゲームを発売した。こうしたシミュレーションゲーム(この時代におけるシミュレーションゲームは、いわゆるウォーゲームおよびそれに類するアナログゲームの総称であり、今日的な意味とは大きく異なることは明記しておきたい)は、深く静かに、そして確実に浸透していった。
そして1981年。ホビージャパン、エポック、ツクダオリジナル、バンダイといった日本のメーカーがシミュレーション/ウォーゲームの開発へ本格参入する。ホビージャパンからは専門誌「タクテクス(TACTICS)」も創刊され、まさに日本にとってのシミュレーションゲームの商業展開が一気に加速した年となった。
そんななかで異彩を放つ存在が、バンダイの展開した「シミュレーションif」シリーズである。この時代、オモチャメーカー各社は「オモチャ=子どものもの」というイメージからの脱却を図っており、ハイターゲット層に人気が高まりつつあったシミュレーションゲームにバンダイが参入したのは必然でもあった。「シミュレーションif」シリーズは、シミュレーションゲームという題材をいかにオモチャへ落とし込むかに腐心しており、同時期に参入したツクダホビー、エポックと比較しても興味深い存在となっている。
特筆すべきは、その題材選びの広さである。1981年から1985年にかけて、王道ともいえるWWIIや近代戦をテーマとした戦争もの、戦国時代を扱った日本史もの、『宇宙戦艦ヤマト』や『ウルトラマン』を題材としたキャラクターものなどが発売されている。さらに、経済をテーマとしたシミュレーションゲームや、TRPG的な遊び方を取り込んだタイトルも登場した。
豪華なコンポーネントも大きな魅力で、見映え重視ともいえるセット内容は、ユニットが立体化されているなど、所有するだけでも嬉しくなるものが少なくなかった。これはヘビーユーザーよりも初心者層・一般層への訴求に大きなアドバンテージとなり、その戦略が一定の支持を得ていたことは、紆余曲折を経ながらも5年にわたりシリーズ展開が続いたことからもうかがえる。
ゲームとしては、特に歴史系タイトルに顕著だが「史実再現より雰囲気再現が強い」傾向があり、ヘビーユーザーには物足りず、ライトユーザーには手順が煩雑という側面もあった。しかし、基本ルールと応用ルールを分けるなど、今日のゲームデザインを先取りした部分も多く、和製シミュレーションゲーム、ひいては非電源系ゲームの黎明期を支えた存在として、シミュレーションゲームをマニアだけの趣味から一般玩具市場に近い場所へ引き出した功績は大きい。もっとも、タイトルごとにルールの完成度にムラがあるのは否めないのだが。
発売から年数が経過した今日、現代の視点で再設計された「シミュレーションif」シリーズを、いつか遊んでみたいと思わずにはいられない。
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高井近志
最近は齢のせいか、昔の時代に想いを馳せることが多い。ファミコンがブームになる前、ツクダホビーの「ジャブロー戦役 JABRO 」を手に入れ、サイコロ片手に友人と費やしたあの時間が妙に懐かしい。王道である戦史ゲームは逆に手を出さなかったが、いまとなってはその部分に興味が湧いてきたりする





















