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「役作りは何もしていないんです」『アギト―超能力戦争―』津上翔一役/賀集利樹インタビュー

2026.04.24

 4月29日(水・祝)にいよいよ公開される映画『アギト―超能力戦争―』。仮面ライダー生誕55周年の節目に発表された新たな映画レーベル「THE KAMENRIDER CHRONICLE」の第1弾作品であり、当然ながら2001年に放送された『仮面ライダーアギト』の25周年を記念する新作映画でもある。ここでは本作を語るには欠かせない存在として、テレビシリーズ『仮面ライダーアギト』の主人公・津上翔一を演じた賀集利樹にインタビュー。アギトの力を失い、主人公とは違う立ち位置から物語に関わる今回の翔一をどのように演じたのか? 本作にかけた思いや撮影現場の様子と合わせ、24日(金)から始まる「真アギト展」についてのお話も伺った。


――まずは『アギト―超能力戦争―』制作の経緯から伺えますでしょうか?

賀集 要(潤)たちG3ユニットのキャストチームは歳が近いのもあって、この25年の間もけっこう頻繁にご飯を食べたりお酒を飲んだり、仲良くしていたみたいなんです。その流れで彼らがプロデューサーの白倉(伸一郎)さんたちとご飯を食べている時に「25周年で何かやりたいですね」という話が出て、「やりますか!」「スケジュールとれる?」みたいな感じになってどんどん進んでいったようです。その後すぐプロデューサーの方から僕のところに「要くんたちとこういう話になったんだよね。何月ぐらいならいける?」と連絡が来ました。「マジですか、やるんですね」って思っていたら半年後にはもう撮影を開始していましたね。スケジュールやいろいろなことがガチッと噛み合ってすごいスピードで実現した作品です。ご縁ですね。

――『仮面ライダーアギト』の25周年にこういった企画が持ち上がったことを聞いた際は、どういったお気持ちでしたか?

賀集 素直に嬉しかったです。僕はこの25年の間にも『仮面ライダーディケイド』の映画(『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』)や『仮面ライダージオウ』で津上翔一を演じましたけど、それはあくまで客演であって『アギト』の作品ではありませんでしたので。同じ平成の仮面ライダーシリーズでも他の作品では10周年や20周年といったタイミングで新作が作られていることも多くて、ちょっといいなあと思っていたんです。それがこのタイミングでやるんですか!? しかも映画!? とびっくりしました。

――いちファンとしてもやはり『仮面ライダーアギト』の新作映画が公開されると聞いた時はとても嬉しかったです。賀集さんも25年の間に待望の声を耳にされていたかと思います。

賀集 そうですね。25年前の作品の新作を、それも映画でやりましょうというのは、ただ僕たち出演者や作り手側がやりたいと言って叶うものでは絶対ないと思います。やっぱり『アギト』を25年間愛してくれていたファンの方たちがいたからこそ実現したものです。そんなファンの皆さんが喜んでくれる作品にできたか……もちろんなっていると僕は思っていますが、公開してからの皆さんの反応にドキドキしている部分もありますね。

――仮面ライダーシリーズの周年記念作品は今までにも作られていますが、今回は歴代の中でも規模の大きい作品になっていますね。

賀集 仮面ライダーの周年作品として、劇場公開の映画で、しかもこの尺というのは多分初なんじゃないですか? だからこそ他の作品がこの後に続くことができるように大成功させなきゃいけないというプレッシャーも感じています。本作は新しい映画レーベル「THE KAMENRIDER CHRONICLE(ザ・仮面ライダークロニクル)」の第1弾でもありますから。

――平成仮面ライダー第2作目として制作された『仮面ライダーアギト』も、当時は平成ライダーの型のようなものが存在しない中で作られた挑戦の作品だったのではないかと思います。そういった空気は当時感じられていましたか?

賀集 当時はそんなふうに考える余裕はまったくありませんでしたね。僕は『アギト』がデビュー作なので他の現場や作品についてはまったくわかりませんでしたし。でもやっぱり終わってから時が経って、シリーズが今でも続いているという意味では、『アギト』の成功はかなり大きいものを背負っていたんだろうなと思います。本当にこれが失敗したら仮面ライダーというもの自体が続かないかもしれないみたいなプレッシャーの中で、大人たちが本気で面白いものを目指して作られた作品だったんじゃないかな。今回の映画も新しい挑戦という意味で、25年前のアギトを作った時とリンクするものがあると思っています。

――今回は翔一ではなく氷川誠が主人公となりますが、企画を聞いた際はいかがでしたか?

賀集 企画書と台本を見て、25年後の世界の話はG3ユニットと氷川という、「ただの人間」側がメインの話じゃないと成立しないと感じました。ページをめくりながら「おい、翔一どうなんの?」って自分の役にドキドキできる台本でしたね。

――翔一は今回、アギトの力を失っていることがすでに明かされています。本作での翔一はどのような立ち位置になるのでしょうか?

賀集 今回の物語はタイトルにもあるように超能力の世界で、その中での氷川誠という特殊な力を持たない生身の人間の戦いを軸に描かれています。翔一がアギトの力を失っているのは彼にとって幸せなことなのかもしれないし、でもやっぱりいざ今回の映画のような危機に出くわすと「なにか力になれることがないのか」とも思うんです。今まで翔一はみんなのために、居場所を守るためにずっと戦ってきましたけど、今回はちょっと変わった立ち位置から物語を見ています。あんな能天気な感じのキャラクターも25年という時を経て成長し、氷川誠をはじめとしたみんなとは会っていなかったかもしれないけど、久々に会えばそれまでの月日の空白を感じさせないくらいの信頼関係ができている。何だかすごく大人な作品だなと思いました。

――津上翔一は『アギト』当時から、主人公としては少し変わったキャラクターだったように思います。

賀集 いやあ、変ですよ(笑)。僕も大好きなキャラクターですけど、近くにいたらめんどうくさいなと思うタイプですよね。

――掴みどころがなくて、他の方ではなかなか演じられない、再現性のないヒーローだと感じます。当時賀集さんは翔一という主人公像をどのように受け止めていたのでしょうか?

賀集 当時は本当に無我夢中で、ひたすら目の前の役を演じることしかできていなかったので、深いことはあまり考えていませんでした。台本に書かれているセリフをそのまま受け止めて……。確かに翔一という役は考えるとめちゃくちゃ難しいんですけど、記憶喪失なのにとにかく明るくて、悪い言い方をするとバカっぽい(笑)、能天気なところがあるキャラクターだったので、僕自身もそんな感じであまり深く考えずにやっていましたね。それがうまく井上(敏樹)さんが書かれるセリフと噛み合ったんだと思います。従来ヒーローは絶対的な強さのある雲の上の存在みたいな感じだったと思うんですけど、翔一みたいな「隣にいるあんちゃん」くらいの距離感のヒーローがあの時代にはすごくマッチしたのかなと。記憶喪失で居候している人がヒーローって、新しいですよね(笑)。

――けっこうさらっとちょっと嫌なことを言ったりもするんですが、賀集さんの演技で憎めない人物になっていました。

賀集 嫌味のない、愛されるキャラクターにできたのならよかったです。おそらく翔一のそういう部分に僕……賀集利樹という人間の持っている何かが合うなということでキャスティングされたんだと思うので。だから本当に限りなく素に近いものが出ていたのかなという気がしますね。

――そして今回、映画で再び翔一を演じられました。翔一のあの独特な雰囲気そのままで25年の時を重ねていることに感動したのですが、映画の撮影でなにか意識されたことはありましたか?

賀集 皆さん気になるでしょうし絶対に質問されるなと思ってたんですけど……本当に申し訳ないんですけど、何にもないんですよ。過去作を観たわけでもないし、何にも役作りをしていないんです。当時のほうがいろいろ考えていたかもしれない(笑)。これって他の現場ではありえないことなんですが、台本を読んで、自分のセリフを覚えて、そのまま現場に行けば自然と翔一になれる空気が出来上がっていたんです。テレビシリーズからのオリジナルのキャストたち、今回新しく入っていただいたキャストの方々、そして何より当時と変わらないメンバーで今回の作品を作ってくださったスタッフの方々の力ですね。何の話し合いもなくみんなすんなりと役に入っていける、そのホームのような空気感がこの映画にもすごく表れているんじゃないかなと思います。ただ、25周年の映画だからこそ、単なる同窓会にはしたくないという思いもありました。撮影現場自体は同窓会の雰囲気がすごいんですけど(笑)、それだけの作品にはしたくなくて。今回タイトルから「仮面ライダー」という言葉が外されてるように、『仮面ライダーアギト』を知ってる人に楽しんでもらうのはもちろん、それと同時にアギトを全然知らなかった、観たことのない人、違う世代の人たちが観ても楽しめる。そんな作品を作ることができたんじゃないかなと思っています。

――田﨑監督との撮影はいかがでしたか? 当時と変化はありましたか?

賀集 監督自身は当時と変わりなかったですね。ただ当時僕は21とか22で、本当に右も左もわからない新人だったので、監督と仲良く話すみたいな余裕は全然なくて……。そういう意味での変化はありました。25年で僕もいろんなことを経験してきて、当時とはまた違う接し方ができるようになりましたし、現場では監督とは特別何かを話し合わなくても阿吽の呼吸でできるような感覚がありました。

――本作に新しく登場する仮面ライダーG7と、G7を装着する本作の主人公・氷川誠の見どころについても賀集さんからお聞きしたいです。

賀集 G7に関してはもう「7まで進化しましたか」と(笑)。ちょっと羨ましい感じはありますよね。きっとどこまででも進化できるんだろうなと思いますけど、氷川誠ほど何の特殊な能力も持たない、普通の人間が戦うって、歴代の仮面ライダーシリーズの中でも無二の個性だと思うんです。僕はそこにすごく意味があると思っていて。僕はテレビシリーズの頃、翔一は本当に強い人間なんだなって感じていたんですけど、今回の作品を通して「ああ、氷川誠が一番強い人間だな」という風に思いました。物語としては描かれていなかった25年の間に氷川誠がちゃんと成長していて、それをスクリーンの中で演じている要潤の姿が本当に頼もしくて。芯に強いものを持っているただの人間が超能力に立ち向かう物語は、今の時代にこそ合うんじゃないかと思います。

――仮面ライダーG6に変身する葵るり子は本作初登場の人物ですが、るり子を演じたゆうちゃみさんとのご共演はいかがでしたか?

賀集 映画の出演自体が初めてということですごく緊張していたらしくて、撮影初日の前日は一睡もできなかったって言っていました。それを聞いた時は「本当に!?」って思いましたけど(笑)。ギャルなので、そんな感じが全然しないじゃないですか。そのくらい緊張していたみたいなんですが、撮影では見事にるり子というキャラクターを演じられていました。ひとつ心配だったのは、現場はチームが出来上がっているんですよね。僕らテレビシリーズのキャスト陣がいるところに後から入るって、僕がその立場だったらすごくやりにくいなって思うので大丈夫だったかな? と思っていたんですけど、楽しんでくれていたみたいで安心しました。ゆうちゃみさんにはるり子という役を通して新しい風を吹き込んでいただきましたね。

――今回は本当にオリジナルのキャストの皆さんが多くご出演されていますよね。美杉家の皆さんともお久しぶりでしたか?

賀集 久々でしたね。でもみんな変わってなくて……いや当時10歳くらいだった太一はさすがに見た目的にはめちゃくちゃ変わっていましたけど(笑)、でも本当にそのくらいで、あとは何にも変わってなくて。不思議なんですよね。さっきも言いましたけど、普通に現場に入ってきて普通にそのままやれちゃうんですよ。僕だけじゃなくみんなそうだったと思うんです。升さんなんかもすぐ美杉教授になってくれる。やっぱり一年間演じていた役が体に染みついていて、25年経っても自然とそのキャラクターになれるっていうのは改めて不思議な現場だったなと思います。

――木野薫の登場については、明かせないことも多いと思うのですが……。

賀集 何も言えないですね(笑)。翔一についても言えないことが多いんですけど、木野さんに関しては本当に……樋口さん渋くなったな~と(笑)。もちろん当時も渋い大先輩だったんですけど、さらに渋さが増して、男らしさも増して、かっこよくなっていました。もうそれしか言えないです。

――映画の公開より一足早く、「真アギト展」も始まります。賀集さんがプロデュースされたコーナーもあると伺っていますが、こちらのイベントの見どころはいかがですか?

賀集 「真アギト展」についても映画についてもなんですが、この25周年はやっぱり25年間『アギト』を支えてくれた、応援してくれた、愛してくれたファンの方たちに僕から感謝をする年だと思っています。「真アギト展」は『アギト』の世界に入る事ができるイベントなので、『アギト』を好きな人、ファンだった方たちにもう存分に浸っていただいて、存分に『アギト』を浴びていただきたいです。映画と展示と合わせて、25周年は皆さんと一緒にもっともっと今まで以上に『アギト』を盛り上げていけたらいいなと思っております。

――最後に映画を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

賀集 『アギト』を応援してくれた皆さんの思いがあったからこそ、25周年というお祝いの年に映画と展示会を実現できました。この愛がここで終わらずに、この後もずっと『アギト』を愛していただければ、30周年、50周年でも身体が動く限りは皆さんのために翔一であり続けたいと思っていますので、これからも応援をよろしくお願いいたします!

賀集 利樹
かしゅう・としき

1979年1月16日生まれ、兵庫県出身。G-STAR.PRO所属。ファッションモデルとして芸能活動を開始し、2001年『仮面ライダーアギト』の主人公・津上翔一役で俳優デビュー。その後ドラマ『はぐれ刑事純情派』シリーズや『ハンチョウ~神南署安積班~』、舞台『サンブンノイチ』など映像や舞台で幅広く活躍中。近年の出演作にはドラマ『精神分析医 氷室想介の事件簿3』(2026)、舞台『わが歌ブギウギ-笠置シヅ子物語-』(2026)などがある。

X(旧Twitter)■@kashu_toshiki
Instagram■@toshiki.kashu

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『アギト―超能力戦争―』4月29日より全国劇場公開!

映画『アギト―超能力戦争―』がいよいよ公開される。人々が超能力に目覚めた世界で、氷川誠はいかに戦うのか。誰よりも強い「人間」の物語を映画館で見届けろ。

アギト―超能力戦争―

[キャスト]要潤●ゆうちゃみ●藤田瞳子●山崎潤●柴田明良●秋山莉奈●田辺季正●駒木根隆介●今井悠貴●岩永洋昭●鈴之助●青島心●金田哲(はんにゃ.)●升毅●ベッキー●樋口隆則●賀集利樹
[スタッフ]原作:石ノ森章太郎●監督:田﨑竜太●脚本:井上敏樹●音楽:佐橋俊彦●アクション監督:藤田慧●特撮監督:佛田洋●エグゼクティブプロデューサー:白倉伸一郎、武部直美、塚田英明
配給:東映
映倫表記:PG12

公式サイト:https://www.kamen-rider-official.com/agito/

「真アギト展」4月24日(金)より開催!

『仮面ライダーアギト』25周年を記念した展示イベント「真アギト展」が4月24日(金)から始まる。会場には賀集がプロデュースを手がけた「美杉家」を再現したエリアも。『アギト』の世界を存分に浴びに行こう。東京会場は池袋・サンシャインシティ 展示ホールAにて5月12日まで。その後も全国巡回予定だ。詳細は公式サイトをチェック!

「仮面ライダーアギト特写写真集 覚醒」が4月30日(木)発売!

仮面ライダーアギト』放送開始25周年を記念した特写写真集が発売!!

2001年に放送された平成仮面ライダーシリーズ第2弾『仮面ライダーアギト』が放送開始25周年。
『アギト』は『仮面ライダー』30周年記念番組でもあったので、今年は仮面ライダー生誕55周年記念の年にあたる。
この記念すべき年に『仮面ライダーアギト』の特写写真集の刊行が実現! 3人の仮面ライダーの群像劇である本作に相応しくアギト、G3、ギルスの全フォームを新たに撮り下ろし。さらに3人のバイク、G4、アナザーアギトの撮影も敢行し、一冊の写真集としてまとめた。
2026年によみがえった『仮面ライダーアギト』の雄姿。再び「目覚めろ、その魂」。

【撮り下ろしキャラクター&バイク】
●仮面ライダーアギト グランドフォーム/ストームフォーム/フレイムフォーム/トリニティフォーム/バーニングフォーム/シャイニングフォーム
●マシントルネイダー
●仮面ライダーG3
●仮面ライダーG3-X
●ガードチェイサー
●仮面ライダーギルス
●仮面ライダーエクシードギルス
●ギルスレイダー
●仮面ライダーG4
●仮面ライダーアナザーアギト

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©2026「劇場版アギト」製作委員会 ©石森プロ・東映

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