HOME記事スケールモデル伝説の旧ドイツ軍”ヴィットマン・ティーガー”を完全再現!重厚なツィンメリットコーティングを活かしつつ、小澤京介が「222」号車の魅力を引き出し製作する。 

伝説の旧ドイツ軍”ヴィットマン・ティーガー”を完全再現!重厚なツィンメリットコーティングを活かしつつ、小澤京介が「222」号車の魅力を引き出し製作する。 

2025.01.17

ティーガーI 後期型(ヴィレル・ボガージュの戦い) w/ツィンメリット&ドイツパンツァーエース【ライフィールドモデル 1/35】 月刊ホビージャパン2025年2月号(12月24日発売)

伝説のヴィットマン・ティーガーを完全再現

 1944年6月13日、第101SS重戦車大隊第2中隊のミハエル・ヴィットマンSS中尉は、ノルマンディー上陸作戦でフランスのヴィレル・ボカージュに進出したイギリス軍第7機甲師団にティーガーI重戦車で奇襲をかけ、6両の戦車を含む27両の車両を撃破する活躍で撃退に成功した。WWII最強戦車のひとつ、ティーガーIと“パンツァーエース”ヴィットマンのコンビは、ドイツ戦車モデラーの永遠のテーマといえる。ライフィールドモデルのフィギュア付き最新キットで伝説の猛虎をモデリングする!

▲ヴィットマンがヴィレル・ボカージュの戦いで搭乗したティーガーI後期型。車両番号は従来の説に従い「222」号車としている
▲前面から見る。角張った車体のフォルム、太く力強い8.8cm砲、切り立った厚い前面装甲、幅広い履帯など、ティーガーI重戦車の魅力がぎっしりと詰まっている
▲後面。中央にある2本の排気管カバーとエンジン始動アダプター、右側に装着されたジャッキ、左側のC型クレビスなどの後期型の特徴をしっかりと再現する
▲2015年にティーガーI初期型で模型業界に参入したライフィールドモデルは、本キットが101作目のリリースだ
▲砲塔前面。防盾は複雑な形状なので、モールド済みのコーティングは非常にありがたい。左側の大きな穴は同軸機銃口、右側の小さな穴は照準口だ
▲1943年7月以降の中期型から導入された砲塔上面左側の背の低い半球型のキューポラ。ハッチはスライド式。MG34機関銃を装備した対空機銃架も再現されている
▲砲塔右側面。モールド済みのツィンメリットコーティングは適度な深さとディテールで実感が高い。「222」はキットに含まれていないのでデカールを流用した
▲右側足周り。履帯は前後は連結可動式、中間部は部分組み立て式を併用し、自然な弛みの再現と組み立てやすさを両立。転輪は後期型で導入された鋼製転輪を装着
▲機関室上部。グリルメッシュはキットにエッチングパーツで用意されている。ススやオイルなどの汚れに加え、土ぼこりなどのウェザリングを施している
▲キットに付属する「ドイツパンツァーエース」ことミハエル・ヴィットマンのフィギュア。砲身の上に座る有名な報道写真のポーズをそのままモデル化している

■ヴィットマン・ティーガーを作る!
 今回製作させていただきましたのは、ライフィールドモデルから発売されているヴィレル・ボカージュの戦いを再現したツィンメリットコーティングされたティーガーIです。ボーナス特典としてヴィットマンの有名なシーンを再現したフィギュアも付属したお得なキットです。

■組み立てについて
 キット内容は中級者から上級者向けのキットになります。基本的にストレート組みですが、ロープと蝶ネジを使う箇所のみモデルカステンの物に交換してあります。プラの材質が他のキットに比べて少し柔らかいので、強めの流し込み接着剤だと薄いパーツや細いパーツが脆くなりやすいので、注意が必要です。
 ツィンメリットコーティングは最初からキットに施されていますが、未施工の車体パーツも余剰パーツとして付属しています。こちらを選択すれば自分でツィンメリットコーティングを施工することも可能ですが、キットの組み立て難易度もさらに上がってしまうので、とくにこだわりがなければツィンメリットコーティング済みのパーツをおすすめします。
 なおバリエーション展開のために不要な余剰パーツが多いので、時間に余裕のある人は、いらないパーツをランナーから外して、整理してから組み立てするのも有りかと思いました。
 履帯は連結可動式になっています、サイドフェンダーを付けてからだと取り付けしにくいので、取り付け前に履帯を装着しておくほうがよいです。

■塗装について
 塗装は黒立ち上げで行います。まず下地塗装を行います。エッチングパーツにはプライマーを塗っておいたほうがよいでしょう。
 基本塗装は、ガイアノーツのドイツ軍ダークイエロー:8+ピュアホワイト:2の割合のカラーで塗装しました。この後のウェザリングの工程を考えて少し明るめに塗装しています。
 迷彩はガイアカラーNATOグリーン・NATOブラウンで塗装。迷彩のパターンは箱絵や説明書をある程度参考にしています

■ウェザリングについて
 最初はフィルタリングから行います。フィルタリングは薄めた油彩のローアンバーで何回かに分けて行っています。何回か分ける理由としては、一気にフィルタリングをするよりも、薄く何回も重ねて同じ工程を重ねていくほうがより色味に深みが出るからです。この時に油彩を薄く希釈し過ぎると、ぺトロールなどの溶剤で下地を痛めることがあるので注意が必要です。
 フィルタリング後、スミ入れをしていきます。戦車に立体感を出すためのウェザリングの必須工程です。
 足周りのウェザリングは、前述の通り下地を痛めることがあるため油彩やエナメル系は使用しないほうが無難です。少量であれば大丈夫ですが、可動式履帯の場合は、金属製以外はエナメル系でウェザリングしないほうがよいです。過去の例としてはプラが割れてバラバラになったことがあります。とくにこのライフィールドモデルのティーガーIはプラが薄く溶けやすいので、履帯のウェザリングは水性系でやったほうがよいと思います。

ライフィールドモデル 1/35スケール プラスチックキット

ティーガーI 後期型(ヴィレル・ボカージュの戦い)w/ツィンメリット&ドイツパンツァーエース

製作・文/小澤京介

ティーガーI 後期型(ヴィレル・ボカージュの戦い)w/ツィンメリット&ドイツパンツァーエース
●発売元/ライフィールドモデル、販売元/ビーバーコーポレーション●11990円、発売中●1/35、約24.1cm●プラキット


▼ 関連記事はこちら

この記事が気に入ったらシェアしてください!

小澤京介(オザワキョウスケ)

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2025年2月号

ご購入はこちら

月刊ホビージャパン2025年1月号

ご購入はこちら

月刊ホビージャパン2024年12月号

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー