Ma.K. in SF3D
NINJA

2021.04.07

Ma.K. in SF3D 月刊ホビージャパン2021年5月号(3月25日発売)

Ma.K. in SF3D ロゴ

クラッフェンフォーゲル改造ニンジャのメイン画像

月面用クラッフェンフォーゲル
“ニンジャ”出撃!!

 クラッフェンフォーゲルのキットを完成させた横山宏が間髪入れず2体目を製作! 新たな装備や装甲を追加し月面用に仕上げたSFテイストあふれる機体は“ニンジャ”と名付けられた。ノイスポッター型初となる月面機をとくとご覧いただきたい。
 さらにMAX渡辺の冬季迷彩を施したクラッフェンフォーゲル夜間戦機も紹介。両者ともにパンツァーシュレックにボールジョイントを仕込んで可動範囲を広げているので製作記事も要チェックだ!

クラッフェンフォーゲル改造ニンジャの正面全体画像
▲ 波状のグレー系迷彩が美しい月面用クラッフェンフォーゲル“ニンジャ”。ラッカー系のカッパーを混ぜたグレーカラーでドライブラシが施されている
シュレック部分の画像
▲ キット付属のボールジョイントを組み込んだシュレックは微妙な角度が付けられる
クラッフェンフォーゲル改造ニンジャの背面全体画像
▲ フリーゲ型のアンテナスタビライザーが付き、より立体的なフォルムになった
高性能索敵シーカー部分の画像
▲ノイスポッター型頭部のラインと調和する高性能索敵シーカー
クラッフェンフォーゲル改造ニンジャの頭部アップ画像
▲正面の頭部の印象は従来のノイスポッターに近く、追加アーマーがよいアクセントに
丸ノズルパーツにアルミシートを接着した画像
▲ハセガワ製モデリングポンチでアルミシートをくりぬき市販の丸ノズルパーツに接着した
記憶ユニット部分の画像
▲「記憶ユニット横のアンテナは前回2キットぶん真鍮線に換装していたので今回もすぐに使用できました」(横山)
クラッフェンフォーゲル3体の画像
▲ 先月号に掲載された2体のクラッフェンフォーゲルと揃い踏み。部分的な改造で印象を大幅に変えていることがわかる(月刊ホビージャパン2022年4月号)
頭部左側面の画像
▲グレー系の迷彩に青、黄、赤という配色。頭部左側面のアンテナは回転可動できるように真鍮線を埋め込んでいる
頭部製作時の様子の画像
▲ 赤や黄色の識別帯の下地には、白ではなく明るめのグレーを塗っておくと発色がよくなる
シーカー製作時の様子の画像
▲シーカー部分はF-14のエアダクトのコの字型部分を芯にしてエポパテやプラ板の積層で作った
プラパイプなどをABS接着剤で付けた製作時の画像
▲ピンポン球のアーマーに真鍮線を挿せるようプラパイプなどをABS接着剤で付けた
塗装の為にシュレックを並べている製作時の画像
▲シュレックに波状の迷彩を上手く塗るため左右の向きを変えて台に並べておく。波模様は平筆の角を使い連続の山をスタンプしていく
シュレックを可動させるための製作過程の画像 その1
▲キットにはBJ-04のポリパーツがランナーごと入っているので、このボールジョイントを使ってシュレックを可動させる
シュレックを可動させるための製作過程の画像 その2
▲シュレック受けの円柱部分をカミソリノコで切断する。切断した円柱の中心の穴を直径2mmに広げシュレック側に接着する
シュレックを可動させるための製作過程の画像 その3
▲シュレック受けに直径4mmのボール部分を挿し込むために穴を広げる。ちゃんと保持できるように穴を広げ過ぎないよう注意
シュレックを可動させるための製作過程の画像 その4
▲裏側から見たところ。支柱に接着する前にボールジョイントを動かし、ゆる過ぎたりきつ過ぎたりした場合は調整しておこう

 初めてクラッフェンフォーゲルを組んで完成させたことを威張ったばかりですが、その勢いでもう1体完成させてしまいました。ノイスポッター型兵器を月面でも活躍させようと思いついて月面用クラッフェンフォーゲルにしてみました。アンダーソン作品の「謎の円盤UFO」のテレビ放映を見てからは脳内月面戦が今も繰り広げられているんです。
 ダックスフントに通じる長い鼻状のシーカーやフリーゲのアンテナなど既視感のあるシュトラールの文脈パーツでまとめていきます。ダックスフントの顔そのままだと当然サイズが合わないのでF-14のエアインテークのコの字型の部分を芯にして自作します。プラ板の積層やエポパテでラインを繋いで市販のプラパーツを貼り付けてどこから見てもしっくりくるカタチにしていきます。
 ハセガワから出ている丸抜きポンチでアルミテープをくりぬいて透明レンズの下に貼るとカメラが光っているように見える。飛行機モデルやカーモデルでも使えるよ。
 ウェーブの新キットは金属だった部分がプラになってとても組みやすい。ただパンツァーシュレックが旧キットのようにグリグリ動かないのでMAXさんに「ボールジョイントでグリグリ動かしてね」と頼んでおきました。キットにはウェーブ製のポリパーツがランナーごと入っていて先月の1個目を完成させた時からボールジョイントがまるまる余ることに気づいたのです。自分でもこの余ったボールジョイントをシュレックに組み込んでみたので途中写真を見てちょうだい。ボールジョイントを買わなくてもキットの箱の中だけで全部できるのは本当に驚きの発見だ!
 バーニアノズルの取付部が折れたのでシャフトを入れてガッチリ固定しておきました。追加アーマーは最近のピンポン球を切り出して使ってるけど、ABS樹脂が入っている感じなので裏側にプラ板やプラパイプをABS樹脂用接着剤で付けてから、そこに真鍮線を挿して頭部下面の出っ張っている部分に接続します。
 塗装はグレーの迷彩にTa152をイメージして赤と黄色の帯を入れました。実機のコードレターは緑なんだけど、緑のデカールがなくてハセガワのキュクロープの青いデカールを使いました。赤青黄使うとガンダム的配色でいいでしょ。赤と黄色の下には明るいグレーを塗っておくと塗りやすいよ。
 フリーゲのアンテナを付けたことで奥行きが出て、斜め下向きにレイアウトするとこれまたカッコいい! これを見た鉄製の1/5クレーテを作った小川君が「忍者みたいだ」と言うので、コードネームを「ニンジャ」にしました。忍者は全世界の共通語だもんね。シルエット的には花魁や芸者みたいだけどね(笑)。(横山宏)

ニンジャ

ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
クラッフェンフォーゲル改造

シュトラール軍 月面用 反重力無人強襲偵察機

ニンジャ

製作・文/横山宏


クラッフェンフォーゲル冬季迷彩塗装の正面全体画像
▲ブラウン×グリーンのミリタリーテイストあふれるカラーリング。冬季迷彩を施し、さらに下面は視認性を下げる黒で塗装した
頭部の画像
▲味わい深い筆塗りのタッチ。控えめな冬季迷彩も功を奏している。横山氏のニンジャと比べるとノイスポッター頭部本来のキュートさが再認識できる
パンツァーシュレックの画像
▲挿し色の赤でパンツァーシュレック内部を塗装。アイキャッチ効果が高くなるのでオススメだ
シュレック製作過程の画像 その1
▲横山氏の作例とは逆にシュレック受けのほうにボールジョイントの軸を挿し込んだ。軸には真鍮線を通し強度を確保した
シュレック製作過程の画像 その2
▲ボール部に瞬着パテを塗ってシュレック側に挿し込んだ。軸には接着剤が効かないので硬化後に動かせるようになる
クラッフェンフォーゲル冬季迷彩塗装の背面全体画像
▲ 反重力偵察機ということで最下部の記憶ユニットではなく背部に太めの金属線を挿し、浮遊感を演出している

■『SF3D』最大の鬼門、その名は。

 発売当時、そのあまりに意欲的すぎたマルチマテリアルキット「クラッフェンフォーゲル」。加工しにくい金属パーツ、その重量と相俟って、このキットを完成させられたヒトはどれくらいいたでしょう? 僕もいつか必ずモノにするぞ! と祈念して、気がつけば2021年になっていましたよw
 今回のリニューアルキット化は本当に喜ばしいことです。 ウェーブさん本当にありがとうございます! と『Ma.K.』ファンは手を合わせましょう♪♪

■決め手はボールジョイント!

 キットは何の問題もなくサクサク組み上がる『Ma.K.』スタンダードな出来映え。真鍮パイプじゃないシュレックが嬉しくて涙ぐんでしまいましたよ。やっぱりプラキットはプラスチックがいいですね、皆さん♪♪
 さて、なんら問題のないクラッフェンフォーゲルですが、横山センセに唐突に「MAXさん、シュレックが色んな角度に向く改造して」と連載開始から11年間で数度しかないリクエストをいただきましたのでお応えしました! 工作はカンタン! 途中画像をご参照ください♪

■冬季迷彩で夜間戦闘

 僕があまり好んで塗らない色のひとつに茶色があるんです。苦手意識が育つのは好ましくないので今回は意図的に使いましたよ。その上で何か変わったことがしたくて無計画に筆を走らせてみます。ドラブとブラウンの森林迷彩の機体に冬が来たので雪の白を刷毛でペタペタ。その後に夜間戦闘の視認性を考慮して下面をブラックに、という設定にしてみましたよ♪ ちょっと変わった仕上げにできて、引き出しが増えたかな♪ と満足です♪
 クラッフェンフォーゲルはまだまだ塗りますよぉ〜♪♪

クラッフェンフォーゲル

ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット

シュトラール軍 反重力無人強襲偵察機

クラッフェンフォーゲル

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介

クラッフェンフォーゲル
●発売元/ウェーブ●5720円、発売中●1/20、約28cm●プラキット


[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.97

シュトラール軍 月面用反重力無人強襲偵察機 ニンジャ

文/KATOOO(レインボウエッグ)

シュトラール軍月面用反重力無人強襲偵察機ニンジャの画像
▲高性能シーカーを付けた頭部のフォルムが実に妖艶

「Ma.K. in SF3D」で初公開された月面用クラッフェンフォーゲル“ニンジャ”は36年越しに発表されたノイスポッター型兵器の新規バリエーションになります。ノイスポッターの頭部を搭載した兵器はオスカル、クラッフェンフォーゲル、ガンス、ノイスピーネ、ケーニヒスクレーテと多いのですが、全身がノイスポッターベースの兵器は1985年のクラッフェンフォーゲル以来となります。今回は36年ぶりに登場したバリエーションがなぜ月面型になったのかを解説していきます。
 設定上、ノイスポッターは優秀な偵察機でしたが生産数が少なく、少数の精鋭部隊に限定配備されました。月面での哨戒対象地域機を偵察する際に多くの無人機が必要とされましたが、地上でも生産が追い付かないノイスポッターを月面転用するには無理があり、頭部のセンサーユニットとクレーテの脚部機構を組み合わせたルナガンスが月面の無人偵察機として定着します。その後、地上で生産が軌道に乗ったノイスポッター型兵器の月面用が配備されることになりますが、このタイミングで立体化した経緯を横山先生に伺いました。
「実は日東やウェーブのクラッフェンフォーゲルのキットって最近まで一度も組み立てたことがなかったんです。前回ウェーブのニューキットを組んだらあまりにも作りやすくて2個目もすぐに組み始めてしまいました。そしてまもなくハセガワのキャメルやウェーブのルナガンスが再販されるタイミングなので月面で活躍するクラッフェンフォーゲルもあってもいいと気がついて一気に完成させました。行動範囲を月面に限定すれば月は地上の1/6の重力が存在する世界です。『ブレードランナー』のスピナーも反重力装置の重力コントロールを浮遊と推進に使っています。クラッフェンフォーゲルも月面で同じ動きができるはずと考えたのが始まりだね。フリーゲの耳状のアンテナを付ければ文脈的にも合致するし、左のプレートにはソーラーパネルとしての機能もあるからそこで蓄電もできる。シン・クラッフェンではあの金属部分がプラになって抜群に作りやすくなった!30年以上ガマンしてたものが爆発した感じで月面用クラッフェンフォーゲルができたわけです(笑)」
 突如発表された月面クラッフェンはダックスフントやフリーゲのシュトラールの文脈を持ちつつ妖気を感じさせる異形の魅力にあふれています。先生が鉄製の1/5クレーテを作った小川さんに画像を見せたところ「忍者みたい」という感想をもらい、先生はそのまま“ニンジャ”というコードネームを命名しました。世界に通じる「ニンジャ」という日本語が『Ma.K.』登場キャラクターの名前になったのは快挙ですね。高性能機クラッフェンフォーゲルが月面で暗躍し“ニンジャ”とささやかれる状況を想像するとニヤリとさせられます。


1/20ルナガンス 8年ぶりの再販決定!!

ルナガンス 正面の画像
ルナガンス 側面の画像

 2013年以来再販されていないルナガンスの再販が決定!
 再販にあたり横山氏による新規作例が完成したので紹介しよう。ニンジャと呼応するようなグレー系迷彩と青いコードレターが映える作例に仕上がっている。キットには新たなデカールが付属する。

Pz.Spah 1124 ルナガンス

●発売元/ウェーブ●価格未定、発売時期未定●1/20、全高約17cm●プラキット


横山氏の猫イラスト入りマスク“ニャスク”

ガーゼ立体マスクニャスクが6種ならんでいる画像
ガーゼ立体マスクニャスクの絵柄アップの画像

▲ハンカチ専門店「H TOKYO」による布マスク。オールドファッションのオンラインストア(https://old-fashioned.jp/)でも購入可能だ

 2月19日~28日に東京・武蔵野市のリベストギャラリー創で開催された「ネコトモ2021 いしかわじゅんと猫ともだち」で横山宏氏の猫イラスト入りマスク“ニャスク”が販売された。

ガーゼ立体マスク/ニャスク

●発売元/オールドファッション●1500円、発売中●表地:綿100%、裏地:ダブルガーゼ/綿100%

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© Kow Yokoyama 2021

横山宏、MAX渡辺、KATOOO

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