大森記詩オリジナルSFメカ「アトライ・アジャンケード 哨霧兵“レフルザ“」2足歩行メカを緊張感あるポージングでミキシング【MIXINGSCAPE】
2024.10.16MIXINGSCAPE No.010
彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々を今月もお楽しみいただきたい。
ウランファン大同盟圏の北方から西方にかけて隣接する未踏領域との境界には複数の濃霧地帯が存在する。こうした地帯では地下深く築かれた旧時代の全自動工廠や精製プラントが機械群によって絶え間なく拡張され、そこで生み出される膨大なエネルギーの熱気は地表を這って人類の再進出を阻み続けてきた。プラントから放出される霧は特に高温かつ油脂分を多量に含んでいるため、従来型の捜索装置は能力を著しく減退され、加えて高出力の妨害電波発信源が多数存在する影響で電波標定等の行動もまた大きく制限された。このような環境下にあって、旧時代の地形記録も失っていた人類にとって濃霧地帯への進入は困難を極めたのである。しかし、これによって同地帯で回収されるテクノロジーや資源は高い希少価値を持ち、都市国家の調査観測隊だけでなく、多くの士族軍閥が危険を顧みず霧の中へと分け入り、膨大な犠牲と恩恵の末に独自の文化圏であるアジャンケードを形成するに至っている。なかでもナシュバランの大遺構を掌中として西方辺境を平定した一大勢力であるアトライは、濃霧の奥深くまで続くアトライの星と呼ばれる独自の誘導灯網を構築した。この戦略網の維持と延伸をするべく運用されたのが遺構から回収した機体を独自に再生し、他勢力の残骸等を転用して作り出された哨霧兵、レフルザである。
1/6スケール スクラッチビルド
アトライ・アジャンケード
哨霧兵“レフルザ“
製作・文/大森記詩
全高25cm×全幅20cm×奥行27cm
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大森記詩(オオモリキシ)
1990年生。彫刻家。本誌では筆塗りによる作例や各種作図等も担当。HP:「kishiomori.com」/今月は初めてソウルのアートフェアに行き、ふと気づいたら青森県立美術館での展示も最終月、たくさんの方にご高覧いただき大変恐縮です。そして、連載は二桁目。もう1年になると気付いてビックリです。それに合わせて宿題もいただいているのですが、どうなることやら……