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大森記詩オリジナルSFメカ「アトライ・アジャンケード 哨霧兵“レフルザ“」2足歩行メカを緊張感あるポージングでミキシング【MIXINGSCAPE】

2024.10.16

MIXINGSCAPE/アトライ・アジャンケード 哨霧兵“レフルザ”【スクラッチビルド 1/16】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

MIXINGSCAPE No.010

 彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々を今月もお楽しみいただきたい。

 ウランファン大同盟圏の北方から西方にかけて隣接する未踏領域との境界には複数の濃霧地帯が存在する。こうした地帯では地下深く築かれた旧時代の全自動工廠や精製プラントが機械群によって絶え間なく拡張され、そこで生み出される膨大なエネルギーの熱気は地表を這って人類の再進出を阻み続けてきた。プラントから放出される霧は特に高温かつ油脂分を多量に含んでいるため、従来型の捜索装置は能力を著しく減退され、加えて高出力の妨害電波発信源が多数存在する影響で電波標定等の行動もまた大きく制限された。このような環境下にあって、旧時代の地形記録も失っていた人類にとって濃霧地帯への進入は困難を極めたのである。しかし、これによって同地帯で回収されるテクノロジーや資源は高い希少価値を持ち、都市国家の調査観測隊だけでなく、多くの士族軍閥が危険を顧みず霧の中へと分け入り、膨大な犠牲と恩恵の末に独自の文化圏であるアジャンケードを形成するに至っている。なかでもナシュバランの大遺構を掌中として西方辺境を平定した一大勢力であるアトライは、濃霧の奥深くまで続くアトライの星と呼ばれる独自の誘導灯網を構築した。この戦略網の維持と延伸をするべく運用されたのが遺構から回収した機体を独自に再生し、他勢力の残骸等を転用して作り出された哨霧兵、レフルザである。


▲今回は人型で背部にパワーパックを搭載している構成にしようと思ったので、芯棒段階でパーツ等を組み合わせやすいように基部を設けました
▲人体でいうところの鎖骨~肩周りはカーモデルのパーツを中心に流用していきます。パワーパック側と密度感の差異を強くすることで、部位単位で取り外せそうな雰囲気にしてみました。パワーパックの表面はドイツ駆逐戦車の半球型カバーで表現されている鋳造表現に合わせて溶きパテでテクスチャーを施しています
▲頭骨の様にも見えるキャラクターモデルの外装パーツ。形もサイズもピッタリだったので、これをメインに頭部を作っていきます。頭部内側は一段奥まって影が落ちるようにすることで、一見するとフードを被っているようなテイストに。この頭部のテイストに合わせつつ、各部に取り付ける装甲で最終的なシルエットを作っていきました。装甲はプレートアーマーのイメージです。カーモデル等から流用し、そこにプラ板から作った物も組み合わせて胸部のラインを作っていきます。今回も流用パーツに入っているモールドをプラ板などで模倣して追加することでディテールを調整しました
▲前傾姿勢を支えられるように意識して背~腰周りを構成していきます。グラードンのパーツがいい感じに腰部をまとめてくれました
▲脚周りもこういう可動範囲になるのかな~と思いながら組み合わせていきます。上体の量感に対してふくらはぎ周辺のシルエットを装甲で太めに、足は俊敏に動けそうな印象とするために接地面の少ない形状にしてみました
▲目のマークってどんなメカにも似合いますよね。ついつい何でも入れたくなってしまいます。今回はカメラ的といいますか目の様に見えるディテールが頭部等に入っていないので、盾にマークとしてひとつ目を配し、機体色と合わせてやや不気味さもあるテイストを目指してみました。マークはメインの塗装と同じくラッカー塗料で描いています
▲航空機モデルのパイロンや動翼パーツを流用し、メイス状の先端をした長物武器を作ってみました。盾はタミヤ1/12マクラーレンMP4/6のノーズです。ポージングは武器の持ち方や腕の角度との兼ね合いを調整しながら、安定感のなかにも間合いを取ろうとしている瞬間のような機微を出してみたかったのですが、いかがでしょうか

1/6スケール スクラッチビルド

アトライ・アジャンケード
哨霧兵“レフルザ“

製作・文/大森記詩

全高25cm×全幅20cm×奥行27cm


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