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「MG 量産型ズゴック」を水垢ウェザリングのお手軽フィニッシュでワンランクアップ! 『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』第6話より

2024.08.08

 テレ東系で毎週木曜絶賛放送中のドラマ『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』。第6話ではリコの姉・侑美とその夫・亮太がふたりで「RG 1/144 量産型ズゴック」を製作。ガンプラ製作を通じて生まれた久々の夫婦の時間がふたりのリアルな心を明らかにしました。

 今回は過去の月刊ホビージャパンに掲載された「量産型ズゴック」の作例記事をピックアップ!
 さらに本記事のために、約6年前の月刊ホビージャパンに掲載されたHow To記事をリバイバルしました! ぜひご覧ください!!


旧キット「1/144 量産型ズゴック」をサクッと水上ヴィネットに仕上げる

 こちらは月刊ホビージャパン2022年6月号掲載の記事。1980年に発売された1/144 量産型ズゴックのキットを使用し、TVアニメ『機動戦士ガンダム』第28話「大西洋、血に染めて」の戦闘シーンをモチーフにした水上ヴィネットを製作しています。迫力のヴィネットの製作過程解説も必見です!


お手軽に電飾をしてみよう! 懐かしの1/100ズゴックで実践!【週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 懐かしのキット編】

 月刊ホビージャパン2022年11月号掲載「ガンプラ凄技テクニック」。1/100の量産型ズゴックにお手軽工作で電飾を仕込みます。一見難しそうな電飾工作もわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください!


海辺ディオラマを週末製作!コルク製の岸壁製作法や、ガンプラのバトルダメージ、内部メカ再現法もあわせて解説【週末でつくる ガンプラ凄技テクニック 】

 月刊ホビージャパン2024年1月号、2月号の「ガンプラ凄技テクニック」では海辺にズゴックが倒れているディオラマを前後編に分け製作。大破しているズゴックの姿、水面や崖の表現にも注目です。

 そしてさらに今回は月刊ホビージャパン2018年7月号に掲載された「MG 量産型ズゴック」のHow to記事をお届けします! RGにも応用できるテクニックなので、これを読んでみなさんも簡単水垢ウェザリングにぜひ挑戦してみてください!

以下記事は月刊ホビージャパン2018年7月号に掲載されたものです。


ガンプラ簡単フィニッシュのススメ
第2回:MG 量産型ズゴック×水垢ウェザリング

成型色活かしの簡単仕上げでワンランクアップ

講師/林哲平

簡単フィニッシュ3ヵ条

1.部分塗装のみの成型色活かし!
2.使える時間は最大で週末2回!
3.高額な模型材料は使わない!


01 部分塗装

▲作例のちょっとしたアクセントとして頭部のミサイル部分をレッドにしてみましょう。モノアイガード内部までレッドになると見映えが悪くなるので、マスキングテープで覆って成型色を保護します。ほとんどの部分は外装に隠れてしまうので、このように簡単なマスキングでOKです
▲黒い成型色の上にそのままレッドを塗装しても鮮やかな発色とはなりません。Mr.フィニッシングサーフェイサー1500ホワイトを吹いて下地を作りましょう

▲Mr.カラースプレーのレッドを吹いてマスキングを剥がし、外装を装着すればミサイルの塗り分け完成です。ブルー主体の寒色にひと差しレッドが入ると、全体を引き締めてくれるいいアクセントとなってくれます。今回はわかりやすさ優先でレッドにしていますが、ハイゴッグやズゴックE風にオレンジで塗るのもよいでしょう


02 ウォッシング

▲実物の潜水艦や艦船などは、浸水していた部分が海上に出て乾燥すると、海水に含まれてる塩分やミネラルが蒸発した水分の跡に凝固して残り白っぽくなります。これを表現するのに最適なのが、Mr.ウェザリングカラーのマルチホワイト。まずは平筆の上に塗料を取り、叩きつけるようにして全体に塗っていきます
▲余分なウェザリングカラーをティッシュで拭き取ります。拭き取りは通常のウォッシングのように上から下に筋をつけるようにするのではなく、ランダムな白い曇りを残すように何度も叩きつけるような感じで拭き取るとよりリアルな仕上がりとなります
▲ウェザリングカラーは油彩絵具が主成分なので、乾燥には非常に時間がかかります。ドライヤーの温風を当ててさっと乾燥させてしまいましょう

column 四肢を分解してグリップでしっかりパーツを保持!

 MG 量産型ズゴックはアタッチメント的な部分がないので、写真のように分解してボールジョイントや腹部関節の隙間などに持ち手をしっかりと固定しておきます。しっかりと缶を振って塗料を撹拌してから、Mr.スーパークリアーつや消しを20~30cm離れた距離から全身に吹き付けます。ツヤ消し塗装をしたズゴックは園芸用のスポンジなどに突き刺して保持し、しっかりと乾燥させます。乾燥する前にパーツ同士がぶつかって塗膜が禿げないように注意しておきましょう

▲全体のツヤを消した状態。表面がフラットなマットに統一され、ウォッシングしたマルチホワイトと相まって一気にリアルな仕上がりとなりました。なお、雨や曇りの日などにツヤ消し塗装をすると空気中の水分とフラットベースが反応して全体が真っ白になるので、必ず良く晴れた日に塗装するようにしましょう

03 ストレーキング

▲潜水艦など、長く海水に浸かっている艦船はくぼみに水垢が溜まり、濁った赤褐色の帯状の汚れが付着した状態となります。これを再現するためにMr.ウェザリングカラーのステインブラウンとグランドブラウンを2色、ランダムにスジ彫りやディテール部分に流し込んでいきます

▲水垢が垂れたり、サビが流れた状態を再現します。薄めたウェザリングカラーを面相筆に染み込ませ、垂れを描き込んだあと、下部を乾いた綿棒で擦ってぼかします。そのあと垂れ部分の中心、一番サビや汚れが濃くなる部分にもう一度ウェザリングカラーをちょん、と乗せるとよりリアルな表現となります

▲ダクトの内側はグランドブラウンで強めにウォッシングしてより濃いめに。本来水の流れが強くなるフィン周辺などは汚れにくいのですが、ここがきれいなままだと不思議とリアルに見えなくなります。MSのウェザリングでは「こうなるはずという考証」よりも「本物の兵器から抽出したそれっぽい雰囲気」を重視したほうがより格好いいウェザリングとなります
▲水垢やサビ垂れを再現した状態。一見難しそうに見えますが、胴体周りの作業時間は15分ほど。ウェザリングカラーを上手に使えばあっという間にリアルな仕上がりとなります。初心者はついつい汚しすぎてしまいがちなので、「ちょっと物足りないかな」くらいに留めておくとバランスのいいウェザリングを施せます
▲関節の隙間にも水垢表現を施します。このあたりは成型色も濃いのでウェザリングカラーを拭き取らずに筆で塗りっぱなしにしておき、気持ち強めの表現にしておいたほうがリアルに仕上がります

04 泥汚れ

▲水陸両用MSのズゴックですから、足周りには仮に泥がついたとしても、また水に飛び込んですぐに流れてしまうことが想像できます。ただ、かといって足がピカピカでは模型的に映えません。そこでこれまでの水垢表現の応用で、ソールに「泥汚れにも見えるような水垢表現」を施してそれっぽい雰囲気を狙ってみましょう。方法は簡単。グランドブラウンをソールに塗り、指先でぼかすだけ。指を使う時は指紋がつかないように注意しておきましょう

▲ウェザリングを施した足首周辺。考証を重ねたリアルからは離れるかもしれませんが、「ガンプラとして格好いいウェザリング」としてはこちらのほうがはるかに上。MSのウェザリングでは「いかに格好いい汚れになるか」を重視したほうが見映えのある作品に仕上がります

05 アイアン・ネイル

▲全身ツヤ消しのウェザリング仕上げは空気感の演出などリアリティは高い反面、地味になりがちです。塗装の自由度が高いツメを金属色で塗装し、キラリと光るアクセントにしてみましょう。シルバーを塗装するときは下地に光沢のブラックを塗装しておくと、光の反射率が上がってより金属的な質感が向上した仕上がりとなります

▲ビーム砲付近はタミヤウェザリングマスターの青焼け、赤焼け、ススと中心に向かいながら順番に擦り付けてビームで装甲素材が焼け、砲口周辺が熱で煤けている表現を加えます
▲金属色そのままだとギラつきが強すぎてリアリティを損なうので、Mr.ウェザリングカラー・マルチブラックを強めにウォッシングして輝きを抑えます
▲完成したツメ周り。ぬるん、としたスタイルのズゴックのシルエットの中で、唯一といっていいくらい攻撃的な部分。しっかりウェザリングしておけば歴戦を感じさせる雰囲気を自然と認識させることができます

06 モノアイ

▲モノアイはガンダムマーカーガンダムピンクを塗料多めに出しながら全体を塗ったあと、塗料が乾き出す前にすぐさま中心部にガンダムマーカーガンダムニューホワイトを押し当てて白い塗料を出し、ホワイトとピンクの境目をマーカーの先でなぞるとボワっと光るような自然なグラデーション表現となったモノアイとなります。この塗装法は簡単ですが乾燥時間がかかるので、塗ったら本体に組み付けるまで半日くらいは待ちましょう

07 ドライブラシ

▲最後にエッジ部分に軽くドライブラシを入れて立体感を強調させてみましょう。タミヤエナメルカラーのバフを平筆の先に少量付け、ティッシュなどで拭き取ります。筆先をエッジ部分に軽く擦り付け、少量残った塗料を乗せるようにして凸部分を強調させます。ただ、強くドライブラシをするとハイライトが強調され過ぎて不自然な仕上がりになるので、あくまで軽く、ちょっとエッジが浮き上がってるかな? くらいに留めておきましょう


完成!

 成型色を活かした簡単フィニッシュによるMG 量産型ズゴックいかがでしょうか? 実際に存在する潜水艦などを映像や写真資料で見たり、実際に停泊している本物を見に行くのもとても勉強になります。また潜水艦でなくても通常の客船やボートなどにも水垢やサビ垂れなどは簡単に見つけることができます。みなさんもぜひ外に出かけていろいろな汚れを研究してみてください。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”

MSM-07 量産型ズゴック

製作・文/林哲平


『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』はテレ東系で毎週木曜深夜24:30~放送中!


 『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』は毎週木曜テレ東系にて放送中。折り返しを過ぎて、ますます物語にもプラモデルにも注目していきましょう!

木ドラ24『量産型リコ -最後のプラモ女子の人生組み立て記-』

[放送]テレ東系で毎週木曜深夜24:30~25:00、BSテレ東系・BSテレ東4Kで毎週火曜24:00~24:30
[配信]各話放送終了後から映像配信サービス「Lemio」にて第一話から最新話まで独占見放題配信、広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東HP・TVer)にて見逃し配信
[キャスト]与田祐希(乃木坂 46)●市川由衣●佐月絵美●矢柴俊博●浅香唯●森下能幸●石田悠佳(LINKL PLANET)●田中要次 ほか
[スタッフ]原案・企画・プロデュース:畑中翔太(BABEL LABEL)●脚本:畑中翔太、マンボウやしろ、オコチャ●監督:中川和博、ヤングポール、中村祐太郎●プロデューサー:漆間宏一、寺原洋平(テレビ東京)、涌田秀幸(C&Iエンタテインメント)●制作:テレビ東京、C&Iエンタテインメント●制作協力:株式会社BANDAI SPIRITS

公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/ryosangatariko2024/

©︎「量産型リコ」製作委員会2024 ©創通・サンライズ

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