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高機動型ザク(地上用)ウォルド機を徹底した隙間埋めとパーツ置き換え、埋め込みで精密化!

2023.11.19

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)ウォルド機【BANDAI SPIRITS 1/144】●ken16w 月刊ホビージャパン2023年12月号(10月25日発売)

新登場の迷彩ザク2機をふたりのモデラーが徹底攻略

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に登場した、5人の精鋭からなる「褐色のサザンクロス隊」。隊長であるエグバ機の発売に続き、紅一点のセルマ・リーベンス機と副隊長ウォルド・レンのザクが同時リリースされた。キットはそれぞれの専用武装を個別に同梱。また2機は微妙に異なる迷彩パターンが設定されているため、その迷彩再現用の水転写式デカールも別々に用意されている。ガルマ☆ザビコとken16w、ふたりの腕利きモデラーが個別にザクを担当。上半身を中心とするスタイル調整と精密なディテール彫刻により、名キットの完成度を徹底的に底上げしている。

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)ウォルド機&セルマ機 イメージカット
▲(左)部隊唯一の女性パイロット、セルマ・リーベンス曹長の乗機。中距離支援を担い、バズーカB2型と近接用の銃剣(ヒート・ダガー)を装備。アレグランサ島の戦闘ではククルス・ドアンのザクを相手に一騎打ちを挑むが…(右)副隊長であるウォルド・レン中尉の機体。遠距離戦闘を得意としており、モロッコ戦線ではロングバレルの対艦ライフルでジム部隊を狙撃。アレグランサ島の戦いでは銃身の短い対艦ライフル・ショーティーを携行していた
ウォルド機、セルマ機、エグバ機
▲写真左からウォルド機、セルマ機、そして月刊ホビージャパン2023年10月号掲載、GAA(firstAge)製作のエグバ機。本体の外見上の相違点は頭部ブレードアンテナの有無のみで、武装と迷彩パターンによってそれぞれの個性付けがなされている。褐色のサザンクロス隊もこれで3体が揃い、あとはユン・サンホ機とダナン・ラシカ機を残すのみとなった。5体が勢揃いする日もそう遠くはないだろう
『GAA(firstAge)製作のエグバ機』の記事はこちら

高機動型ザク(地上用)ウォルド機 製作/ken16w

 今回はken16w製作のウォルド機をご紹介。胸部やスカートアーマーなど各部の可動のための隙間を徹底的に埋めたり、既存ディテールをシャープなものに置き換えるなどの地道な工作によって、全長13cm程度のキットであることを感じさせない精密感を獲得している

ウォルド機 素組み
ウォルド機 正面 背面
上半身アップ
胸部パール 正面
胸部パーツ 側面
胸部正面パ―ツ
肩口パーツ

▲胸部の左右肩口の可動機構を固定し、肩口パーツB1、B2の内側はプラ板でフタをした。胴体前後の厚みも上部で1mm、下部で2mm、下部側を広く改修。また、肩口後部パーツB3、B4上面もプラ板で後ろ側が高くなるように角度変更。腹部も背面部の厚みをプラ板で増やした。一連の工作により、胸の大型化を狙っている。さらにコックピットハッチ下部を瞬間接着パテを使用し延長。動力パイプは切り込み部を瞬間接着パテで埋めた

ポージング画像4
右肩シールド 弾倉着脱比較

▲新造形パーツとなる対艦ライフル・ショーティー。銃身には細かな穴が無数に開けられているが、合わせ目がそれらを避けるように設計されているので合わせ目消しは比較的楽。弾倉は銃本体から着脱可能で、3つ付属する弾倉のうちふたつを右肩シールドにマウントできる

サイドアーマー アップ
▲サイドアーマーにある丸モールドは一度彫り込み、ディテールアップパーツを組み込んだ。サイドとリアアーマーにある3mmのジョイント穴は3Dプリントパーツでディテールを追加
モノアイ部分 パーツ
▲モノアイ基部を切除し、市販パーツを埋め込んだ。モノアイはウェーブのH・アイズに変更
ショルダーアーマー パーツ
▲ショルダーアーマーの角は市販ディテールアップパーツに変更。また側面の丸モールドもドリルで彫り込んだうえに、ディテールアップパーツを埋め込んだ
ボールジョイント基部 パーツ
▲肩と胸の間の隙間が気になったので、ボールジョイント基部(パーツD4)のリブを削り込んでより胸部に密着するように加工。合わせて胸部ポリキャップの受け側も、ボールジョイント軸がより深く差し込めるように底を貫通させた
太ももパーツ アップ
▲太モモの内側と股間軸基部とが干渉するので、太モモ側の後部を切り落とした
ヒート・ホークを掲げるポージング画像
▲劇中未使用ながらヒート・ホークも付属する
ロングバレルの対艦ライフルを構えるポージング画像
▲ロングバレルの対艦ライフルはHGシャア専用ザクII(オリジン)などに付属するものと同一。弾倉脱着ギミックは非対応ながら、マズルブレーキがしっかり開口されていたりと申し分ない出来。また長短どちらの対艦ライフルもリアアーマーに懸架することができる
素組みとの比較2
▲素組み(左)と比較。エッジのシャープ化はもちろん、モールドの追加や細部の塗り分けなど全身に細かく手が入っている。工作アプローチは異なるものの、ふたりのモデラーそれぞれが胸部のボリュームアップを試みているのが興味深い
ポージング画像5

付属デカールを型紙にしてマスキング!

 ウォルド機の迷彩は、付属の水転写式デカールの上に透明プラ板を置いてからマスキングテープを貼り、ナイフでカットしたものでマスキング塗装。プラ板を間に挟むことでデカールが傷まず、またテープがはがしやすくなる。

デカールの上からナイフでマスキングテープをカット
マスキングしたパーツ
マスキング塗装した後

■今回のお題は
 今回は高機動型ザク(地上用)を製作しました。キットは名作『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』版のザクをベースに下半身周りの新パーツと新たな武装を追加しており、素晴らしい出来となっております。製作にあたっては気になる部分を手直しし、迷彩はデカールを使用せず塗装で仕上げました。

■工作
 胸の厚みが薄く感じたので、前後接合部で幅増し。テーパー状にプラ板を挟み、上下で厚みを変えてあります。合わせてセンターのコックピットハッチも前後幅増しし、全体的にボリュームアップさせています。腹部も胸の前後幅増しに合わせて動力パイプ基部にプラ板を挟み、前方に幅増し。
 銃持ち手は、以前発売されていたビルダーズパーツ 1/144 システムウェポン010に付属のものを使用、このハンドはHGキットに付属のものより20%程度小型になっており、交換パーツとしてオススメです。

■塗装
 迷彩柄はキット付属の水転写式デカールの上に透明プラ板を置き、そこにマスキングテープを貼り、フリーハンドでカットした物をキットに貼り、エアブラシにて塗装しました。各色の塗装の段差はスポンジヤスリでサッと削り落としてからトップコートを吹きました。

■カラーレシピ
 すべてガイアカラーを使用。ブラウンは薄い順に記載しています。
ブラウン1=ヘキサデザートイエロー70%+フレームアームズカラー べースフレッシュ15%+Ex-ホワイト15%
ブラウン2=FS30219タン80%+FS3402グリーン20%
ブラウン3=ダグラムカラー マホガニー80%+FS30219タン20%
ブラウン4=ダグラムカラー マホガニー60%+暗緑色40%
関節=ニュートラルグレーIII 50%+ニュートラルグレーIV 50%

 今回はセルマ機を担当した友人のガルマ☆ザビコさんと、毎日のように通話して情報交換しながらのモデリングとなりました。改修やディテールなどはお互いの視点の違いが現れているので楽しんでもらえると思います。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)ウォルド機

製作・文/ken16w

HG 高機動型ザク 地上用(ウォルド機)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3080円、受注終了●1/144、約13cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム


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ⓒ創通・サンライズ

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ken16w(ケンイチロー)

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