過酷な最前線へ

　完成したビャクチEXとともに、激戦区である地中海戦線に派遣された三澤ジンはそこで今後の人生を変える運命の出会いを果たす。そしてそこでの経験がビャクチEXを次のステップへ進ませることになる。今回のsannojiによる作例は正式登録後、地中海戦線に派遣された仕様のビャクチEXとして製作。過酷な戦場を意識してウェザリングを強めに仕上げた。

■はじめに
　月刊ホビージャパン2023年9月号でその全貌がお披露目となったビャクチEX（エグザミネーション）。今回はウェザリングにより汚れやダメージ表現を施した仕上がりで製作しました。

■工作内容
　ビャクチに連なる系譜のキットでは、ふくらはぎ装甲板の丸モールドとシリンダーの再現、靴部の肉抜きを埋めることで格段に見映えが向上しますので、最低限ここはおさえておきます。前腕や脚部で装甲裏側が見えてしまう箇所がありますが、特に白色の装甲パーツは裏側をダークグレーなどで塗りつぶしておくと気にならないでしょう。背中のウェポンラック上部は空洞が気になったので埋めるついでにプラ板で作った放熱板のようなパーツでディテールアップしました。

■塗装・仕上げ
　きれい目仕上げと同じように基本塗装を行ったあと、ウェザリングで汚れやダメージ表現を加えていきました。水性ホビーカラーの焼鉄色を各パーツのエッジ部分を中心にスポンジでスタンプし、場所によってはひっかき傷に見えるようにスポンジを擦り付けてダメージ表現を入れていきます。ダメージ表現が単調にならないように水性ホビーカラーのシルバーも織り交ぜました。
本体色1（白）＝スチールホワイト（NAZCAカラー）
本体色2（黒）＝ウイノーブラック＋ニュートラルグレー（少量）
グレー1（ライフル等）＝MSファントムグレー
グレー2＝焼鉄色
　マーキングは1/144 RB01 コーションデカール、30 MINUTES MISSIONS 水転写式デカール 汎用②、ヴェルテクス コンビネーションデカール03から好みのものをピックアップして使用。ヒザなど貼り付けた位置によっては、デザインナイフで切り欠いてマーキング剥がれも表現しています。ヒザ下を中心に施した泥汚れにはファレホを使用。こちらもレザーブラウンとレッドレザー（ホワイトグレーを少量混ぜたもの）の2種類を使用し、汚れをスポンジでスタンプしたり筆で描き込んだりしました。さらにヌーベル カレーパステルのイエローグレーをパウダー状にして、足首周りのパーツの隙間に刷り込むようにして土埃の表現も加えています。ツヤ消しコートは水性ホビーカラーのつや消しクリアー（同うすめ液で希釈したもの）を使用しました。

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