HGデミバーディングをカラーモジュレーションで製作! 塗装のポイントを押さえて立体感のある仕上がりに!【水星の魔女】
2023.08.06MSJ-R122 デミバーディング【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年9月号(7月25日発売)
立体映えするカラーモジュレーション塗装を施す
番組後半でチュチュことチュアチュリー・パンランチが搭乗したデミバーディング。キットはHGデミトレーナー(チュチュ専用機)に新規パーツを加えることでシルエットが大きく様変わりしており、追加された大型バックパックなどによって遊びの幅がグンと広がっている。本作例は戦車模型から生まれた塗装技法「カラーモジュレーション」にチャレンジし、面の立体感を強調した。
What’sカラーモジュレーション?
カラーモジュレーションとは、海外の戦車模型モデラーがゲームグラフィック(2次元の画像に立体感を持たせるためのテクスチャー)をヒントに発案した塗装テクニック。面ごとに明暗をつけることで立体感を強調できるほか、単色で塗ったものに比べて単調にならず、表情豊かな作品に仕上げやすい塗装技法だ
今回はデミバーディングをカラーモジュレーション塗装します。キャラクターモデルの多くが成型色の時点で高度な色分けがなされており、未塗装でも満足度高く作れるのですが、せっかく塗装するならば塗装でしか再現できない作品にしたい! なんていう私のような天邪鬼にはピッタリな技が、カラーモジュレーションなのです。
■塗装の手順
カラーモジュレーション塗装の場合、ひとつひとつの色ごとに①基本色、②ハイライト、③シャドーの3色を用意する必要があります。劇中のボディカラーは茶色がかって見えますが、キットの成型色がとても良い色でしたので好みで成型色に寄せています。メインの茶色はダークイエローにクールホワイトを加えた色を基本色に、ハイライトにはさらにクールホワイトを加え、シャドーにはダークイエローとMSファントムグレーを加えた色を使いました。
白い部分は灰色9号にタンを加えた色を基本色に、ハイライトには基本色にクールホワイトを加えて作った色を、シャドーには基本色にMSファントムグレーを足して作った色を吹いています。
グレーの部分はMSグレー ジオン系にブラウンFS30219を加えたものを基本色としています。ハイライトにはクールホワイトを、シャドーにはMSファントムグレーを加えた色を使用しています。
カラーモジュレーションの手順ですが、面ごとにマスキングしてのエアブラシ塗装を繰り返します。マスキングした部分を全部塗り潰してしまっては意味がありません。面に対して1/3〜1/4の面積を塗るようにイメージしつつフチに向かって塗ります。このとき、ハイライトとシャドーがフチの対極になるように塗るのがポイント。まずは各面にハイライトを入れ、全体のバランスを見てからシャドーを塗る順番で作業すればイメージを作りやすく、また修正もしやすいと思います。
このテクニックのコツは、最初に塗る面を決めること。その面のどの方向にハイライトとシャドーを入れるかを決めて塗ったら、次は先ほどの面と隣接した面を塗装します。その際、なるべく先に塗った面のハイライトとシャドーの入れ方とは逆転するように塗ってください。光の方向といった難しいことを考える必要はありません。常に、隣の面に対して逆に明暗をつけるようにすることを意識して塗装していけばOK。その単純な法則を守ることで立体感が強調されたオリジナリティあふれる作品を手にすることができますよ。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”
MSJ-R122 デミバーディング
製作・文/斉藤仁孝
HG デミバーディング
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2090円、発売中●1/144、約13cm●プラキット
Ⓒ創通・サンライズ・MBS
斉藤仁孝(サイトウヨシタカ)
キャラクターモデルからスケールモデルまで、ちょいテク仕上げの数々を取り揃えている技のデパート。