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HGデミバーディングをカラーモジュレーションで製作! 塗装のポイントを押さえて立体感のある仕上がりに!【水星の魔女】

2023.08.06

MSJ-R122 デミバーディング【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年9月号(7月25日発売)

HGデミバーディングをカラーモジュレーションで製作! 塗装のポイントを押さえて立体感のある仕上がりに!【水星の魔女】
MSJ-R122 デミバーディング イメージカット

立体映えするカラーモジュレーション塗装を施す

 番組後半でチュチュことチュアチュリー・パンランチが搭乗したデミバーディング。キットはHGデミトレーナー(チュチュ専用機)に新規パーツを加えることでシルエットが大きく様変わりしており、追加された大型バックパックなどによって遊びの幅がグンと広がっている。本作例は戦車模型から生まれた塗装技法「カラーモジュレーション」にチャレンジし、面の立体感を強調した。

正面画像
背面画像
▲デミバーディングは、ブリオン社が企画開発中のデミシリーズの新型コンセプトモデル。採算度外視のスペックを求め多数の新部品が組み込まれている。劇中では専用のデミトレーナーを失ったチュチュに貸与され、バックパック未搭載の調整中の段階で初出撃、ガンヴォルヴァを撃破する戦果を上げた
上半身 正面
▲関節パーツを除き、外観の大部分がデミトレーナーから更新されたデミバーディング。作例は明暗のグラデーションを面ごとに施すカラーモジュレーション塗装でハイライトと暗がりの部分を誇張気味に表現し、立体感にメリハリをつけている
上半身 背面
▲フライトユニット機能と武装を搭載した大型バックパック「バオリパック」も丸々新造形。半球状のセンサースコープユニットを左右に振ることができる
ビームサーベルとビームライフルプラスを構えている姿
▲デミトレーナーからの変更点として、脚部側面のスラスターにビームサーベルを搭載している
バオリパックが分離している姿
▲バオリパックは分離機能を有しており、付属リード線で本体と繋げば分離状態で遊ぶことができる
バオリパックのビームキャノンが展開し、ビームライフルプラスを構えている姿
▲バオリパックのビームキャノンが可動し、肩越しや脇下から砲身を前方に向けることが可能。新武器のビームライフルプラスと合わせて正面火力が格段に向上している
ビームライフルプラスの砲身をバットのように握り振りかざそうとしている姿
▲初出撃の際はビームライフルプラスの砲身をバットのように握り、ガンヴォルヴァたちと対峙した。キットでも砲身を両手で握ることが可能
素組みとに比較画像
▲素組みと比較。面ごとのハイライトの追加により、印象が異なって見える
靴の車輪
▲強化された靴の車輪・ウィルダッシュプラスを駆使した高速疾走「ウィルダッシュブースト」。バックパックの大型化によってポージングのケレン味が大幅に増している

What’sカラーモジュレーション?

 カラーモジュレーションとは、海外の戦車模型モデラーがゲームグラフィック(2次元の画像に立体感を持たせるためのテクスチャー)をヒントに発案した塗装テクニック。面ごとに明暗をつけることで立体感を強調できるほか、単色で塗ったものに比べて単調にならず、表情豊かな作品に仕上げやすい塗装技法だ

カラーモジュレーション イラスト
フロントアーマーのカラーモジュレーション塗装+
▲ホワイトの部分もカラーモジュレーション塗装。照明を当てた影を大幅に誇張した明暗の色調がすべての面ごとに施されており、単色塗装以上の立体感が生まれている
ラッカー塗料で基本塗装を終えた
❶ラッカー塗料で基本塗装を終えたところ。今回は表面をヤスリで磨いたのみで、外形は無改造で製作している
大きさの違うマスキングテープ
❷カラーモジュレーションのキモであるマスキングテープは、太さの異なる数種類を用意しておくと作業しやすい
胴体パーツ
❸胴体を例にとって解説。これはダークイエローにクールホワイトを混ぜた基本色を塗り終えた状態
胴体パーツにマスキングしている画像
❹パネルなど面ごとにマスキングして塗装
エアブラシで吹いている画像1
❺マスキングしたら、基本色に白を足した明るい色(ハイライト)を一方のフチに吹く
ハイライト塗装が完了した胴体パーツ
❻ハイライト塗装が完了した状態
エアブラシで吹いている画像2
❼今度は、基本色にMSファントムグレーを添加した若干暗い色(シャドー)を塗装。ハイライトを吹いたフチの正反対の場所に塗布するのがコツ
シャドーを吹き終えた胴体パーツ
❽シャドーを吹き終えたところ。すべての面に明暗2色ずつ塗ってはテープを剥がし、をひたすら繰り返すことがカラーモジュレーション塗装の原則となる

 今回はデミバーディングをカラーモジュレーション塗装します。キャラクターモデルの多くが成型色の時点で高度な色分けがなされており、未塗装でも満足度高く作れるのですが、せっかく塗装するならば塗装でしか再現できない作品にしたい! なんていう私のような天邪鬼にはピッタリな技が、カラーモジュレーションなのです。

■塗装の手順
 カラーモジュレーション塗装の場合、ひとつひとつの色ごとに①基本色、②ハイライト、③シャドーの3色を用意する必要があります。劇中のボディカラーは茶色がかって見えますが、キットの成型色がとても良い色でしたので好みで成型色に寄せています。メインの茶色はダークイエローにクールホワイトを加えた色を基本色に、ハイライトにはさらにクールホワイトを加え、シャドーにはダークイエローとMSファントムグレーを加えた色を使いました。
 白い部分は灰色9号にタンを加えた色を基本色に、ハイライトには基本色にクールホワイトを加えて作った色を、シャドーには基本色にMSファントムグレーを足して作った色を吹いています。
 グレーの部分はMSグレー ジオン系にブラウンFS30219を加えたものを基本色としています。ハイライトにはクールホワイトを、シャドーにはMSファントムグレーを加えた色を使用しています。
 カラーモジュレーションの手順ですが、面ごとにマスキングしてのエアブラシ塗装を繰り返します。マスキングした部分を全部塗り潰してしまっては意味がありません。面に対して1/3〜1/4の面積を塗るようにイメージしつつフチに向かって塗ります。このとき、ハイライトとシャドーがフチの対極になるように塗るのがポイント。まずは各面にハイライトを入れ、全体のバランスを見てからシャドーを塗る順番で作業すればイメージを作りやすく、また修正もしやすいと思います。
 このテクニックのコツは、最初に塗る面を決めること。その面のどの方向にハイライトとシャドーを入れるかを決めて塗ったら、次は先ほどの面と隣接した面を塗装します。その際、なるべく先に塗った面のハイライトとシャドーの入れ方とは逆転するように塗ってください。光の方向といった難しいことを考える必要はありません。常に、隣の面に対して逆に明暗をつけるようにすることを意識して塗装していけばOK。その単純な法則を守ることで立体感が強調されたオリジナリティあふれる作品を手にすることができますよ。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”

MSJ-R122 デミバーディング

製作・文/斉藤仁孝

HG デミバーディング
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2090円、発売中●1/144、約13cm●プラキット

Ⓒ創通・サンライズ・MBS

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斉藤仁孝(サイトウヨシタカ)

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