HOME記事アニメ・ゲーム河森正治氏インタビュー! リリース直前『アース:リバイバル』バトルスーツデザイン考案の裏側に迫る!

河森正治氏インタビュー! リリース直前『アース:リバイバル』バトルスーツデザイン考案の裏側に迫る!

2023.04.17

『アース:リバイバル』 河森正治インタビュー 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

『アース:リバイバル』
スペシャル・バトルスーツ・デザイナー 河森正治インタビュー

 監督やメカニックデザイナーと枠組みを超え、多様なジャンルの作品や製品に携わる河森正治氏。ゲームというジャンルにおいても『ARMORED CORE』などをはじめ、黎明期から革新的なデザインを手掛け来た。そして2023年、河森氏が送り出す最新のゲームデザインが『アース:リバイバル』。はたして新時代のバトルスーツデザインに求められるコンセプトとは? 最新ゲームデザインが完成するまでの舞台裏をお聞きする。


時代の進化とともに求められるデザインの密度感

ゲームに求められるデザインの変化

―『アース:リバイバル』のデザインには、まずどのようなアプローチで臨まれたのでしょうか?

河森 プロジェクトの初期段階はリモートでのコミュニケーションが中心だったので、「メカ」というオーダーに対する若干の齟齬があり、方向性の修正を行いました。ラフの第一段階は数mサイズの中型ロボットをイメージしていたのですが、実はバトルスーツ(パワードスーツ)が求められていたんです。人間の体にフィットするような、スリム なプロポーションのバトルスーツはあまり手掛けたことがなかったので、新鮮で面白い体験になりました。

― ゲームの内容からはリアリティ重視の世界観と感じられますが、キャラクター性とのバランスについては、どのように考えましたか?

河森 基本線はリアリティで、その枠の中で「どれだけ個性的にできるか?」というイメージですね。メーカーサイドの要求からもキャラクター性の強さが求められていることは伝わってきましたので、シルエットの差別化や、ひと目でわかるような特徴を入れていくことは意識しました。

― デザインを進めていく中で、Nuverseから は、どのようなチェックバックがありましたか?

河森 バトルスーツという方向性が決定して、候 補となるラフを選んでもらったあとは、細かい部分 のチェックが多かったですね。たとえばディテール の密度をもっと増やしてほしいというオーダーなどがそうです。

― それぞれのバトルスーツに関するアイデン ティティ、共通する要素を挙げるとすれば、どの ような点になりますか?

河森 背骨など、人間の骨格をイメージしたディテールを取り入れているのが共通の要素と言えます。現在の描写力が上がったCGだからこそ可能になったディテール感だと思います。

― バトルスーツと言っても、現代的に考えることは多そうですね。

河森 たとえば『宇宙の戦士』の時代のバトルスーツよりも、人間の形に近いプロポーションになったことは象徴的でしょうね。装甲に覆われているというよりは、細かいディテールで埋められている方向性が求められていました。

― 機体ごとに「Blaze」や「武神」というキーワ ードがありますが、これはオーダーだったのでしょうか?

河森 半分あって半分なかった、という感じです。オーダーがあるものもあれば、ないものもあって。こちらがややオーバーに解釈して提案したアイデアもあります。ゲームのジャンルによりけりですが、今回は「スキルで違いを出す」ということだったので、バトルスーツごとの違いは明確にしたほうがいいだろうと思い、特徴的なキーワードで進めました。

― ゲームのデザインだからこそ、考えるポイントはありますか?

河森 特にゲームは「プレイヤーが選べば、どのキャラクターも主人公になる」という点は意識しなければなりません。サブメカならいくらでもユニークな形にできますが、「全部が主役を張れるメカ」という解釈は意識して取り組まなければなりませんでした。

コードネーム:バンカー号(正式名称:ヨトゥン)

「バトルスーツで最大限フォルムを変えるには、『どんなアイデアがあるだろうか?』と考えたときに、両腕と腰のパーツを加速器にするレールガンを思いつきました。ディテールは増えますが、共通する要素によってキャラクター性を強調できますからね」
コードネーム:フレイム号

「全体的にミリタリーや陸戦兵器を意識したバトルスーツです。背面のアルミニウムタンクを目立つように配置して、シルエットの違いを意識しました。あとは頭にポイントをつけるという意味で、センサーを特徴的な形状にしています(※こちらの実装は現在未定です)」
コードネーム:武神号(正式名称:ホダチノミコト)

「オーダーとして『騎士のイメージ』と書かれていたのですが、できれば西洋ではなく東洋のイメージでいきたいということでした。そこで日本の鎧武者をベースとして進めました」

素材すらも考慮するディテールへの意識

― スマートフォンでもできるゲームという意味では、小さい画面でプレイすることも意識しましたか?

河森 ええ。スマートフォンの画面サイズでプレイするからこそ、プロポーションにメリハリをつけるという点は意識したところです。ただ、こちらの想像以上に緻密に仕上がっていたので、ちょっと驚きました。CG化へのアプローチが、日本のアニメなどとは根本的に違うという印象でした。実際に最新のスマートフォンゲームで、「ここまでディテールを盛り込むことが可能なんだ」ということを実感しましたね。ディテールの分量とプロポーション、シルエットのわかりやすさのバランスについては、まだいろいろなことがチャレンジできるという可能性を感じました。

― 「素材感を意識された」ということですが、それも緻密な描写が再現できるようになった影響は大きいですね。

河森 そうですね。密度感や質感で見せていく方向性は、アニメではなかなか再現することができません。これができるのも、昨今の描写力の上がったゲームならではでしょう。硬い素材だけではなく、柔軟性や防弾性があるような柔らかい素材も使っているというイメージなので、そのあたりがどのように再現されているのか楽しみです。

― 本作は海外展開も行われるゲームですが、デザインの方向性としてディテールの緻密さが求められますか?

河森 たしかに海外向けは、ディテールで埋めて行く傾向はあります。普段の日本向けのデザインのままだと、若干密度感が弱いと受け止められてしまうかもしれません。

― 昨今の描写力が上がったゲームだからこそ、デザインについて考えることは多そうですね。

河森 特に今回は通常のアニメ・ゲームデザイ ンというよりは、実写のほうが近いでしょう。ディテールの密度感は、ハリウッド映画などのほうが近いと思います。『ARMORED CORE』をはじめ、ゲームには早い段階から参加していますが、アプローチはかなり変わってきていると感じます。特にここ10年ほどは、海外のエンタメ産業、特にゲーム関係の進歩の速さは非常に感じています。自分としても、今後のために研究を進めていきたいですね。

― 本作のどのような点に注目してほしいですか?

河森 ライティングも含めて、バトルスーツの質感の違い、角度の変化による見え方の違い、そういう点についてはぜひ見てほしいです。回り込んだ時に、印象が変わるようなデザインを意識しています。また、本作は日本に限らず、世界展開するという意味でもいろいろと考えることは多かったですね。リリース後に、それぞれの国でどんな反応があるのかも興味深いです。国ごとに好まれるデザインの方向性があれば、ぜひ知りたいですね。

― 最近は河森さんの活躍の幅が広がっていると感じますね。

河森 幅が広がっているというのは確かにおっしゃるとおりで、ジャンルを問わず、媒体を問わずにデザインをするという意味ではそうですね。新しいジャンルや媒体の仕事は、とても刺激的です。

― 今後の方向性として、手掛けて見たいジャンルはありますか?

河森 幅を広げていくのであれば、車など本物の乗り物のデザインを手掛けてみたいですね。それを使ったゲーム化なども含めて、多様な展開ができたら面白いと思っています。

(2023年2月 ベクタービジョンにて収録)


『アース:リバイバル』とは

 Nuverseが開発・配信を行う、iOS/Android/PC用超本格SFサバイバルRPG。近未来の終末世界を舞台に、プレイヤーは「サバイバー」となり、異星文明により侵略された地球を冒険。生き残るために、未来の技術で作られた武器、バトルスーツ、装備やアイテムなどを駆使して、異星の怪物や敵陣営などと戦う。この世界では酸性雨、砂嵐、危険な胞子を含む霧などの過酷な環境に直面したり、侵攻してきた異星の怪物や敵対勢力などといった脅威に晒されたりと、常に危険と隣り合わせのため、備えが重要となる。素材採集と創造を行い、迫りくる脅威に立ち向かえ!

公式サイト https://sf.nvsgames.com/
公式Twitter @EarthRevival_jp

世界観

 2099年、人類は250万光年先から訪れたアクリッド文明の侵略を受けた。「リバティー戦争」と呼ばれるこの過酷な戦争は、全人類の85%以上が犠牲となり、科学技術の発展は急速に後退、人類社会はほぼ崩壊した。そんな絶望的な状況の中で、人類はアクリッドの母艦を撃破、この悲劇的なリバティー戦争は終結した。
 戦後、残存勢力は「惑星防衛局」を基に新世界政府・オーロラ・アライアンス(略称 AA)を樹立した。 戦争が残した爪痕は廃墟や人類の亡骸だけではなく、地球(アース) の生態系構造をも変えつつあった。ポラリアンと呼ばれる微生物の出現である。世界 の再建に奮闘するAAは、地球を汚染するポラリアンを一掃する一方で、AA内外のさ まざまな勢力からの攻撃にも対処しなければならない。
 戦後十三年目(2112年)、北方大陸の奥地、ガルナ湖一帯にある謎の研究所で、あなたは目覚める。
 惑星防衛局が人類を救うために立ち上げた火種計画の一員であるあなたは、いまこの場所で目覚めるべきではなかったかもしれない。リバティー戦争の秘密、アクリッド、そして火種計画……。
 しかし、もっとも緊急の課題は、猛毒のポラリアン、凶暴で残忍な変異生物、横行覇道なタイダルに満ちた北大陸で生き残ることである……。

ⒸNuverse Pte.Ltd.Aii Rights Reserved. ヘアメイク/山﨑 桂 @Kei_y_hm

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