モデラーMASAKIの作例製作文を全文大公開!3Dモデルの製作方法、水没ディオラマの製作方法の前後後編の大ボリュームな内容です。写真もほぼ切り抜きなしでのお届けします!
前回までは、3Dモデリングを指南!
ということでアトラスガンダムとガンキャノン・アクアを塗装していきます。
私はダイソーの2mm厚のPPシート(ポリプロピレン製のシート)を使い、型枠を作っています。ポリプロピレンは耐薬品性が高いため、そのままでもレジンが食いつくことなく綺麗にはがれてくれます。
薄いものだとレジンが硬化する際の熱や収縮によって変形してしまうので、2mm厚の物を使っていますが、それでも大きいものになると変形は避けられません。
海外のレジンアーティストなどの映像を見ると厚めのアクリル板を使っている方もいますが離型剤を吹いておかないとレジンがアクリル板に食いついてしまいますのでご注意を。
▲硬化して熱が冷めてきたころに次のレジンを流していきます。ここでガンキャノン・アクアの周りに発生している泡を追加していきます。レジンが硬化する前にモーリンの水泡表現素材を使って泡を表現します。
今回は立体的な泡をどのように表現するのか考えた結果、前後からの見栄えを優先し上下左右からの見た目はあきらめました。
15層も重ねると横から見た時に積層跡が多すぎてまともに中のキットが見えないだろうと考えたからです。このやり方は枡などの中に金魚の絵を立体的に書いているアーティストの深堀隆介さんの作品からヒントを得ました。
そうして完全硬化まで48時間以上放置し型枠を外したのがこのような状態。
▲途中段階でも何度も上から光を当ててみて確認していましたが型枠から外したらすごくいい感じに。さすがに横から見たらなんだか良く分からないものになっていますが…
▲これで海中部分のモデルが完成です。あとは上部に照明を追加してベースを作り仕上げに入ります。
▲ベースは上下に木材を使って箱組を作り、レジンの塊の左右からは見栄えが良くない為、アクリル板でふさいで上下の木製のベースを固定する方法にしました。まずはアクリル板を固定すると同時にこの10㎏近いレジンの塊を乗せても大丈夫な土台にするため木材を使って箱組しました。すべり止めになるように四隅にゴムシートを貼ってレジン部分が動かないようにしています。
▲上部から下部への配線はUSB延長ケーブルを使用し配線を側面の下部に出す形にします。アクリル板はネット通販でサイズを指定して切ってもらったものを購入したので、そのアクリル板にねじ止め用の穴を開けて木枠に固定します。全部で80個近くの穴を開けました。5mm厚のアクリル板に2.5mm~3mm程度の溝をリューターで彫るのは苦労しました。溝の部分にUSB延長ケーブルを這わせて黒のプラバンで蓋をしておきます。
これにて完成です。
©Yasuo Ohtagaki 2022 ©創通・サンライズ